第5話 下部達
いきなり攻撃をしてくるとは……赤髪の女の印象は、今のところ最悪だ。かつて初対面でこんなに悪い印象受けたのはない。
それにしても、なんて攻撃力だ。お腹が、ジンジン痛む。吐きそうだ。学生時代の授業中お腹の痛みを思い出した。あれほど痛いものはない。
「やめなさいよ。アルネネ」
ネインが、そう言った。
アルネネと言うのか、この暴力女は。
「いったいどうしたんだ?デーモン様、もしかして体調でも悪いのか?」
「デーモン様は今、記憶喪失なのよ」
「そっ、そーなのか?そりゃ大変だな」
いや、まず僕をいきなり殴り飛ばしたことを謝ってほしいもんだかな。いや、もういいか。
「なかなかいい、パンチだったぞ……アルネネとか、言ったか」
「ああ、俺の名前はアルネネって言うんだ。よろしくな!ハハッ!なんかあらためて自己紹介するとか、なんか不思議な感じだな」
アルネネはそう言って、頭に手を回して笑った。
「アルネネ、早すぎやね〜」
そう聞こえた方を見ると、複数人の女達の姿が見えた。
「ごめん、ごめん皆んな、いつもの行いを一刻も早くしたかったからつい走って行ってしまった」
アルネネが舌を出して言った。
「皆さん、集まりましたね。詳しいことは、城の中で話しましょう」
ネインがそう言った。僕たちは城の中に、戻ることにした。
城の中は大いに盛り上がっていた。
「ガハハ、レーンよ、相変わらずチビだな!」
「うるさいな、僕は成長を溜めているんだ」
「皆んなにお餅持ってきたでー」
「アルネネ!また、デーモン様に、攻撃したわね!」
「あれから変わらないのですか?」
「ええ、私がきちんと管理をしているから大丈夫よ」
久々にクラスで集まりましたーみたいな雰囲気だな。こんなに城が賑やかになったのは初めてだ。だけど、少しうるさすぎる。
「おい、我が下部どもよ、少し静まれ」
ちょっとキャラが痛いけど……魔王ってこんなもんでしょ?このキャラでいこう。
「まず、聞いていると思うが、この私は記憶喪失になってしまったのだ……だから1人ずつ自己紹介を頼む」
「へぇー記憶喪失なんて、稀なことが起きたんですね〜。うーん実に興味深いです。」
緑色の髪の目掛けをかけた女は言った。
「じゃあ、私達はもう自己紹介したから…アルネネから、していって」
ネインがアルネネに指示した。
「先程も言ったが、俺の名はアルネネだ!得意なことは、拳術だ!よろくな!ああ、No.は002だ」
こいつのあだ名は暴力赤髪女で決まりだな…
「どうも、現在のあな様に対しては初めまして。私はNo.004、エネメシアと申します」
青髪の、ネインに並ぶぐらいの美貌持つ女がそう言った。ネインに続いてまともそうなやつがいて良かった……
「わ、私はそ、その……No.005………………コ、コロンと、いいます……」
黄色の髪の毛の、ちょっとだけ、隠キャ臭がする女。臆病なのかな?
「わ」「た」「し」「の」「な」「は」
そう交互に、一文字ずつ2人の女が言った。
「クロ」「シロ」
白髪の背の小さい女と、黒髪の白髪の女とほぼ背丈が同じ女。いや、髪の毛の色以外ほぼ、外見が同じであった。姉妹なのか?
「No.006」「No.009」
シロが、No.006、クロがNo.009らしい。
「どうも〜キララって言うッス。よろしくでーす。No.は007ッス」
オレンジ色の髪の毛、バイト先の後輩みたいな喋り方の女。僕の嫌いな陽キャ感があるな。
「No.010。フカシギ博士とでも呼んでくれ」
そう痛いセリフを平然と言ったのは、緑色の髪の女。白衣を纏っていた。いかにも科学者って感じ。
「No.011!お餅が大好きな、コメコといちゃね!よろ〜」
お餅が好きだと言う茶髪の女。方言みたいな言葉を話す。
「No.012ヤマトと申す!よろしくお願いします。」
いかにも、僕の母国、日本の歴史上に記されている武士と似ている姿をしていた、水色の髪の女。腰には日本刀らしきものが見える。
これで、僕の下部の全員の自己紹介が、終わった。どいつも、こいつも、個性的なやつばっかだな。ん?まてよ、たしか13人いるはずじゃ…No.13は?いないのか?
「あれ、No.13の人はいないの?」
「実は……行方不明なのです」
どうやらNo.13の下部は、行方不明で連絡が取れてないらしい。
「デーモン様が、収集をかけるなんて珍しいな!」
アルネネが、笑いながら言った。
「いったい、私達は何のご用で呼ばれたのでしょうか……」
エネメシアが、僕に尋ねた。
「知っているか…これから大戦争が始まることを…」
「大戦争ですか…」
「そうだそれに備えるために集めたのだ」
キャラクター紹介
アルネネ
魔王デーモンの部下でありNo.002。かなりがさつな性格。身体能力は部下の中でも1番。だが知能に関してはビリである。
話終歌
俺は不器用だから。
愛を素直に伝えらない。
だから許してほしい。
愛を変換することを。
アルネネ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます