シュ永デ琳宮国昆虫憲法『てふてふ草案』

Wakei Yada(ぽんきち)

2049年憲法

人工知能 イ=ブ・τ凱・若松


シュ永デ琳宮シュエーデリンク国民は、周到かつ緻密に論理されたゲーム理論を前提とし正当に選挙jで実践された国会Gにおける代表者pを通じて任意の法案qを立案し、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由をもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び殺虫の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権rが任意の昆虫bと国民nに存することを宣言し、この昆虫憲法を確定する。そもそも国政は、的確に配備された任意の理論tによるものであつて、その権威は科学に由来し、その権力は国民の代表者pがこれを行使し、その福利は任意の昆虫bと国民nがこれを享受する。これは森羅万象普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

全国民の集合Uは、恒久の平和という、人間相互の関係を支配する崇高な理想は当然の前提とし、全精力をあげて科学技術の発展に貢献することを深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義は起草の段階から信頼して、より小さきもの、弱きもの、すなわち昆虫bの安全と生存を保持しようと決意した。Uは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、昆虫世界を維持するという、名誉ある地位を占めたいと思ふ。Uは、Uがひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに昆虫と共存する権利を有することを確認する。Uはbを守り、愛し、彼らの主張する範囲において、彼らの主権rすなわち正当な権利right=rを保障するものとする。

なお、p∈Uかつp∈G⊂U、n∈U、 b∈Uが成り立つものとする。

Uは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、科学的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権rを維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務である。

Uは、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


第一章 象徴

第n-1条:我が国は、加波比良古かはひらこ、すなわち、蝶々、てふてふを国の象徴とし、全ての昆虫は国の科学技術の結晶として崇めるべき存在である。

第n+1条:公務員は、代替可能な業務については原則、超高性能汎用型AIで代替する。

第n+2条:昆虫の治療は、原則保険適用とする。

第n+3条:てふてふbの崇高たる地位は任意のてふてふbとの交配によるものであり、昆虫憲法の定めるところにおいて、これを継承する。

第n+4条:シュ永デ琳宮国の国事に関するすべての行為には、AIによる助言と承認を必要とし、その責任はGが負う。

第n+5条:てふてふbは、この憲法の定める国事行為のみを行い、国政に関する機能を有しない。

② てふてふbは、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第n+6条:摂政を置くときは、摂政はてふてふbまたはAIとする。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

第n+7条:てふてふbはGの指名に基づいて、AI大臣を任命する。

② てふてふbは、AI大臣の指名に基づいて、AI裁判官を任命する。

第n+8条:てふてふbは、Gおよび昆虫言語翻訳機の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

一 憲法改正、法律、政令及び条約qを公布すること。

二 Gを召集すること。

三 Gを解散すること。

四 Gの総選挙の施行を公示すること。

五 AI大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。

六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

七 栄典を授与すること。

八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

九 外国の大使及び公使を接受すること。

十 儀式を行ふこと。

第n+9条:てふてふbは地球上の有象無象を財産とする。


第二章 殺虫の放棄

第o条:シュ永デ琳宮国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる昆虫兵器による戦争と、武力による威嚇又は殺虫の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、ピレスロイドその他の殺虫剤は、これを保持しない。昆虫bとの戦争は、一切認めない。


第三章 国民nと昆虫bの権利及び義務

第p条:シュ永デ琳宮国民nたる要件は、法律でこれを定める。

第p+1条:任意の昆虫bは、すべての基本的虫権の享有を妨げられない。この憲法が昆虫bに保障する基本的虫権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の昆虫に与へられる。

② 国民nは、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権rは、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第p+2条:この憲法が昆虫bおよび国民nに保障する自由及び権利は、国民nの不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民nは、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第p+3条:すべて昆虫bおよび国民nは、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第p+4条:すべて昆虫bおよび国民nは、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第p+5条:公務員AI、また特別職の公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民n固有の権利である。

② すべて公務員および公務員AIは、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

③ 公務員AIの選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④ すべて選挙における投票は電子化し、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第p+6条:何虫も、何人も、損害の救済、公務員AIの罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何虫も、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第p+6条:何虫も、何人も、公務員AIの不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

第p+7条:何虫も、何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第p+8条:思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第p+9条:信教の自由は、何虫、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何虫も、何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第p+10条:集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第p+11条:何虫も、何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

② 何虫も、何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第p+12条:学問の自由は、これを保障する。

第p+13条:婚姻は、パートナーの合意のみに基いて成立し、パートナーが同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人nの尊厳と双方の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

第p+14条:すべて昆虫bと国民nは、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

② 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第p+15条:すべて昆虫bと国民nは、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

② すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

第p+16条:すべての国民nは、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

② 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

③ 児童及びすべての昆虫bは、これを酷使してはならない。

第p+17条:勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

第p+18条:財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

第p+19条:国民nは、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

第p+20条:何虫も、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

第p+21条:何虫も、何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

第p+22条:何虫も、何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

第p+23条:何虫も、何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第p+24条:何虫も、何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

② 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

第p+25条:公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

第p+26条:すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

② 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。

③ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

第p+27条:何虫も、何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

③ 何虫も、何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

第p+28条:何虫も、何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

第p+29条:何虫も、何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。


第四章 国会

第n²条:国会Gは、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第n条:Gは、p=21のときに成立し、法案は賛成aがp≧11のときに可決される。pは選挙jにおいて獲得票数に準じて選出される。

第(n-1)²条:両議院は、全国民を代表する選挙jされた議員pでこれを組織する。

② 両議院の議員の定数は、男女同数でなければならない。

第(n-2)²条:議会Gの議員p及びその選挙虫bまた選挙人nの資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

第(n-3)²条:議員pの任期は、四年とする。但し、解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第(n-4)²条:議員pは昆虫bであっても良い。

第(n-5)²条:議員pは、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

第(n-6)²条:両議院の議員pは、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員pは、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

第(n-7)²条:議員pは、議会Gで行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

第(n-8)²条:議会Gの常会は、毎年一回これを召集する。

第(n-9)²条:内閣cは、国会Gの臨時会の召集を決定できる。総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣cは、その召集を決定しなければならない。

第(n-10)²条:議会Gが解散されたときは、解散の日から四十日以内に、議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

② 内閣cは、国に緊急の必要があるときは、立法AIの緊急集会を求めることができる。

③ 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会G開会の後十日以内に、議会Gの同意がない場合には、その効力を失ふ。

第(n-11)²条:議員pの三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

② 議会Gの議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第(n-12)²条:議会Gの会議は、公開とする。

② 議会Gは、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。

③ 各議員の表決jは、これを会議録に記載しなければならない。

第(n-13)²条:議会Gは、各々その議長その他の役員を選任する。

② 議会Gは、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

第(n-14)²条:法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、議会Gで賛成aがp≧11で可決したとき法律となる。

② 前項の規定は、法律の定めるところにより、議会Gが協議会を開くことを求めることを妨げない。

③ 議会Gが可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に議決しないときは、その法律案を否決したものとみなすことができる。

第(n-15)²条:予算は、議会Gに提出しなければならない。ただし、AIによる助言により効率的かつ効果的な削減を図る。

第(n-16)²条:条約の締結に必要な国会Gの承認については、前条の規定を準用する。

第(n-17)²条:議会Gは、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

第(n-18)²条:国務大臣AIは、議会Gの一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議会Gに出席することができる。ただし、リモートにより遠隔対話を可能とする。

第(n-19)²条:国会Gは、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、議会Gの議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

② 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。


第五章 内閣

第m条:行政権は、内閣cに属する。

第m+1条:内閣cは、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。

② 内閣総理大臣その他の国務大臣は、大体可能ならばAIでも良い。

③ 内閣cは、行政権の行使について、国会Gに対し連帯して責任を負ふ。

第m+2条:内閣総理大臣は、国会議員の中から国会Gの議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

② 議会Gが、法律の定めるところにより、協議会を開いても意見が一致しないとき、AIの議決を採用する。

第m+3条:内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。

② 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

第m+4条:内閣cは、議会Gで不信任の決議案を可決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

第m+5条:内閣総理大臣が欠けたとき、又は総選挙の後に初めて国会Gの召集があつたときは、内閣cは、総辞職をしなければならない。

第m+6条:前二条の場合には、内閣cは、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

第m+7条:内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会Gに提出し、一般国務及び外交関係について国会Gに報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第m+8条:内閣cは、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

一 法律を誠実に執行し、国務を総理すること。

二 外交関係を処理すること。

三 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会Gの承認を経ることを必要とする。

四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。

五 予算を作成して国会Gに提出すること。

六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。

七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

第m+9条:法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

第m+10条:国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。




第六章 司法

第j条:すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

② 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。

③ すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

第j+1条:最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。

② 検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。

③ 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

第j+2条:裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

第j+3条:最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣cでこれを任命する。

② 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

③ 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。

④ 審査に関する事項は、法律でこれを定める。

⑤ 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。

⑥ 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第j+4条:下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣cでこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。

② 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

第j+5条:最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

第j+6条:裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

② 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

第七章 財政

第f条:国の財政を処理する権限は、国会Gの議決に基いて、これを行使しなければならない。

第f+1条:あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

第f+2条:国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

第f+3条:内閣cは、毎会計年度の予算を作成し、国会Gに提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

第f+4条:予見し難い予算の不足に充てるため、国会Gの議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。

② すべて予備費の支出については、内閣cは、事後に国会の承諾を得なければならない。

第f+5条:公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

第f+6条:国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣cは、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会Gに提出しなければならない。

② 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

第f+7条:内閣cは、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

第八章 改正

第a条:この憲法の改正は、Gは、p=21のときに成立し、法案は賛成aがp≧11のときに可決される。

② 憲法改正について前項の承認を経たときは、てふてふbは国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

第九章 最高法規

第s条:この憲法がシュ永デ琳宮国民に保障する基本的虫権および基本的人権は、昆虫及び人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第s+1条:この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

② シュ永デ琳宮国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第s+3条:すべての公務員はAIか如何に関らず、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

第十章 補則

第p-8条:この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。

② この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会G召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

第p-6条:この憲法施行の際、議院Gがまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会Gとしての権限を行ふ。

第p-4条:この憲法による第一期の議員のうち、その半数の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

第p-2条:この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。

追補:ゲーデルの不完全性定理に倣い、この憲法体系は不完全で有矛盾でも良いことにする。

第p-1条:通貨は、電子マネーとし、これについては法律で定める。

第p条:通貨の単位は、しょうを用いる。島内では可能限り電子マネーとして使用できるようにするものとする。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シュ永デ琳宮国昆虫憲法『てふてふ草案』 Wakei Yada(ぽんきち) @yuichiminami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ