第4話 やったね、ライラ
呪いが解け、ヴェルダンティアの終わりのない冬が解け始め、ライラは目覚めの部屋に立った。目を開けた眠り姫は、穏やかな感謝の気持ちでライラを見つめた。「ありがとう。あなたの勇気が私たちの王国を救ったのです」彼女はささやき、その声は木の葉の優しいざわめきを響かせた。
ライラはこの瞬間に圧倒され、ただ頷くことしかできなかった。王女は立ち上がり、揺れ動く桜の花のように優雅な動きで、二人は一緒に地下の部屋から上がった。
二人が桜の古木の下に現れると、森全体が祝福に包まれた。まるでライラの勇気と王女の帰還を称えるかのように、木々が揺れ、花が咲き、森の動物たちが集まってきた。
近くにいたゼファーが誇らしげに顔をほころばせた。「やったね、ライラ!」ゼファーは喜びに満ちた声で言った。
村への帰り道は、まるで勝利のパレードのようだった。ライラの成功のニュースは広まり、村人たちは彼女を歓迎するために集まった。村は、かつて果てしない寒さに包まれていたが、今は春が戻ってきたような暖かさに包まれていた。
ライラは人ごみの中を歩いていくと、家族と出会った。彼らは彼女を抱きしめた。少女は英雄に成長し、自然の守護者となった。
その後、ヴェルダンティア王国はかつてないほど繁栄した。畑は作物で青々とし、川は自由に流れ、空気は花の甘い香りで満たされていた。眠れる王女は目覚めた女王となり、知恵と優しさをもって統治し、しばしばライラの助言を求めた。
ヴェルダンティアの英雄と崇められたライラは、自然との絆を育み続けた。日中はあらゆる生物の聖域となった庭で過ごし、夜は村人たちと冒険談や自然界の魔法を分かち合った。
ライラと囁く花」の物語は、勇気と希望、そして人間と自然との断ち切れない絆の物語として、何世代にもわたって語り継がれるようになった。ライラの遺産は生き続け、どんなに小さな声でも大きな変化をもたらすことができること、そして自然との調和こそが真の魔法の形であることを思い出させてくれる。
ライラとささやく花 青木タンジ @sakaaaaaan
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