第8話

後日

「家帰ってレポート出さないと!」

神崎は急いで大学を出る。

「お待ちください。」

だが出た瞬間、何者かに声をかけられる。

「お嬢様、お迎えに上がりました。」

神崎は思い出した。この男のことを。

「矢代…今更何?」

神崎は一歩下がる。

「今だから、ですよ。」

矢代はどんどん近寄ってくる。が、突如として出現した腕が、矢代の肩を掴む。

「神崎、大丈夫か?」

「瀬良君…」

瀬良だった。どうやら講義が終わったようだ。

「それで、」

瀬良は神崎の近くまで行き、振り返る。

「あんた、何もんだ?」

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