失踪 ロスト・アイコン ロスト・パーツ

 教室にうつり、授業は続いた。

「異次元からの遺物には、セーフティエリアが設けられています、魔道具の中には、この世界に適応するための加工が施されたものがありますが、中には特殊な魔法の力場を発生させたり、それそのものがダンジョンのような形を形成しているものがあり、近づくと危険なため、結界が張られているものもありますーですが未だ発見されていない遺物もあり、皆さんも幾何学模様のある魔力を発する遺物には不用意に近づかないように―得にこれらのものは“ロスト・アイコン”と称され、人間の管理が行き届いてない場合には、所有物は“魔法科学会”―」

 ぼーっとして窓をみていると。ヨミンが突然ばあ!と顔をみせた。

「うわあ!!」 

 ケラケラと笑うヨミン。ほかの人に見えない事をいい事に、悪い遊びを覚えたようだった。

「ちょっとお前……」

「シド!!」

 男だが、しぐさがちょっと女性っぽい教師がシドを指さした。

「私は今何を説明していましたか?」

「あ、えーっと、確か、遺物のセーフティゾーンについてです、不用意に近づいた場合、本人に責任が生じると」

「ふむ、まあいいでしょう、授業中は静かに」

 小声で、ヨミンの相手をすることにした。天真爛漫な小娘は放っておくと何をするかわからない。

「なあ、お前は大丈夫なのか?」

「なにがです?」

「お前その物には問題なくとも、お前の所有物が世界に影響を与えるとか」

「与えますよ、エタニティロッドは、私の世界でも貴重な“遺物ロストパーツ”ですから、それに何かあっても、あなたが守ってくれますよ!」

「そんな平然と強要されても……、それにロストパーツ?それって、ロストアイコンじゃなくて?お前たちの世界のものなんだろ?」

「ええ、こちらにおくられてきたものは、ほとんどが私たちの世界で加工されたものです、ですが、それは遺物ロストパーツを改造したものです、私たちの世界では、大昔にそれらが天より舞い降りて、世界に《魔力》をもたらされたと信じられています」

「ちょっとまって、お前たちの世界も、他の世界からの干渉を受けてなりたっていたっていうのか?そんな事、誰も知らないぞ!!」

「どうでしょう、機密なのかもしれません、この世界にはこの世界の権力のなりたちがあるでしょうから」

「はあ……」

 シドはため息をはいた。しかしそれっきり、エタニティロッドについての質問をするのをわすれてしまったのだった。



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