邂逅
「いてて、いってえ!!何すんだよ!!」
シドは体を起こす。頭にあたった柔らかな衝撃から、相手がその女であることを理解していた。
「!!!」
ヨミンは、今起きたことを思い出し、顔を赤くしていた。
「!?」
やがてヨミンは、シドの顔を見ると、驚いた。ヨミンが彼の魔力をみると、まるで頬に、枝はのような緑色の流れが浮き出た模様があったのだ。
「予言の英雄様!!!」
「!!?」
「ずっとあなたに会いたかったのです!!まさか、異世界におられるとは!!あなた様は、私も、世界も変えてくれる、あなたは、私と同じです!!!」
「だだだ、だれ?キミ、それに、俺がだれ!!!?え?」
そこにいたのは、金髪にところどころ白いフサのまじった少女、瞳はおおきく、きょとんとしたかんじで、星型の瞳孔が青くひかる。髪はショートで、端がはねていた。羽根型の髪留めを左右につけている。
「私は、あなた様にあいたかったのです!!私の王子様!!私の英雄!!私の、新しい人生の源!!!」
《ギュッ!!!》
(え、えええ~~)
シドは方針した。参考がてら、さまざまなラノベ、アニメを見漁った事はあるが、この展開、この展開は。もしや、これは男女の観念が逆になっている?異世界って、そうなの?思わず口についてでたのは。
「普通逆じゃない!!?…………女の子が、男子に?」
「はっ!!すみません、はしたない事を!!」
「いやいや、いいんだけど」
(よかった、異世界って、男女の観念や立場が逆とかいう極端な事になってるワケじゃないんだ)
「はっ……」
「あ……」
思わず、二人は見つめあってしまった。シドは少女をよく見る。その美しくツヤとハリのある唇、ピンクに染まった頬、物憂げな瞳。困り眉。現実にこんな美少女は見たことがなかった。
「あ、いや、あの」
「す、すみません、すみません!!」
そうだ。ルカに借りた小説や本や漫画、アニメでしか見たことはない。そんな美少女が目の前に。これはルカの専門じゃないのか?
後ろから呼び声がかる。
「あのー……」
「はっ!!」
しまった。ルカにみられていた。すっかり忘れていた。
「ルカ!!なんかごめん!!すっかり気を取られていて、あまりにも美しい少女が……ってこんなこと」
その言葉に、ヨミンは顔を赤らめた。
「いや、突然こんな事になって、いやあ、まったく俺も状況がわからないというか」
頭を書いていると、ルカが言い放った。
「シド、一体誰と話しているの?」
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