第24話 おっぱい

「紅葉、まじでおっぱいでけぇよな」

「Eカップです」

「イーッ!?でっか!すげぇな、これがEカップか」

彩葉が立ち上がり、座っている紅葉のお胸を上からジロジロ眺める。いつもの大学のカフェでまったりしていたら、彩葉が紅葉にからみ始めた。

「触りますか?彩葉さんが今女の子なら、いいですよ」

「いいの?!女、女。チ○コない。ほら」

「…ないですね。では、どうぞ」

紅葉は彩葉の股間を触ってから両腕をおろして胸を張った。彩葉はワキワキと両手を動かしながら紅葉の胸に手を伸ばす。

「よーし、めちゃくちゃ感じさせちゃうぞ~おりゃおりゃ、って、めっちゃでか!柔らかっ!!」

「…」

「ほーら、紅葉の紅葉をモミモミしちゃうぞ~気持ち良すぎて声もでないか~?つか、なんだよこれマシュマロ?なんか、なんだろ、なんか…」

ごちゃごちゃ喋っていた彩葉は無言で紅葉のおっぱいを揉んでいる。反応のなかった紅葉は急に彩葉の胸に手を伸ばした。

「ひゃうんっ!?」

「乳首、立ってますけど」

「ちょ、やめ」

「私のおっぱい揉んで興奮しちゃいました?」

紅葉に耳元で囁かれて、彩葉は耳まで赤くなった。恥ずかしさに涙が滲む。しかし感触が離れがたく、彩葉の手は止まらない。

「…しました…興奮、してますぅ、」

「感じさせてくれるんじゃなかったでしたっけ」

「あ、おまっ、おい!」

紅葉の片手が彩葉の股間に伸びた。彩葉は慌てて飛び退き、紅葉から距離を取る。彩葉は自分の胸を隠してしゃがみこんだ。

「彩葉さんの方が濡れちゃってるんじゃないですか?」

立ち上がった紅葉は腕を組んでおっぱいを強調しつつ、右手の甲を彩葉に向けて指先を天に向け、中指と薬指を揃えて前後に動かす。彩葉は紅葉を涙目で睨みつけた。

「この変態!」

「変態はどっちですか」

「でけぇから反応鈍いんだろ!俺はお前と違って繊細で敏感なんだよ!」

彩葉の言葉に紅葉が一瞬固まる。

「は?私だって敏感です、彩葉さんが下手なだけです」

「違いますーお前のデカパイはでかいだけの鈍感おっぱいですーおっぱいで感じないとか…えーっ可哀想~」

「違います、ちゃんと感じます。彩葉さんが下手くそなんです、この、下手くそ!」

彩葉はしゃがんだままニヤニヤ笑って紅葉にやじを飛ばす。紅葉は挑発に乗って片足を踏み鳴らしながら怒っていた。まるで子供の喧嘩だ。

「待って、俺達何を見させられてんの」

「これが百合ってやつか」

「やばいじゃん、俺達死ぬじゃん」

黙ってみていた松寿と竹彪はついに口を開いた。紅葉と彩葉がいったい何をし始めたのかわからなかったが、エロいので黙って眺めていた。百合に挟まると男は死ぬからだ。

しかし、喧嘩を始めた二人は終いには手を出しそうなので、さすがに止めに入る。

「二人とも落ち着きな、何してんの。まじで。なんだったの今の」

「本当に。何の時間なんだこれ」

松寿は紅葉を、竹彪は彩葉を羽交い締めにして二人を引き剥がす。引き離されながら紅葉は吠えた。

「だって、彩葉さんがっ」

「大丈夫。俺が揉んだらびしょびしょになるから。黒木が下手なだけだよ」

「その顔でびしょびしょはやめて下さい」

松寿が耳元で囁くと、紅葉は心底嫌そうに松寿を見た。

引き離された彩葉も叫ぶ。

「くっそ紅葉のやつ!もっぺん揉んだらぁ!」

「落ち着け落ち着け。でかさで負けても敏感さはお前の勝ちだって」

竹彪が暴れる彩葉を背後から抱きとめる。彩葉は振り返って竹彪の胸を揉んだ。

「うっわガチガチ。雄っぱい萎えるわぁ」

彩葉は心底嫌そうな顔で雄っぱいを見た。

「彩葉さん、もう行きましょう。私も萎えました」

「なんなん?こいつら。存在が萎えるわ。あそこカッサカサなるわ」

「わかります。なんでああなんですかね。情緒がないです」

「それな~かたいし臭いし、いいとこねぇな」

彩葉と紅葉はひどい悪口を言いながら去っていった。このあと二人は同じ授業を取っているので、出席するためだろう。

「百合に挟まって、精神的に殺されたわ」

「それな」

松寿と竹彪は肩を落とし、トボトボ歩いて教室に向かった。



END

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