第78話 剣友会

 剣友会をやっている市民体育館へ行った。

うちの親父は、師範をしているけど、教えている先生は他に5人いる。

所属している子どもたちは小学生20人くらい。

それと、中学生も何人か参加している。


親父のあとを、ぞろぞろとついて行った。

今日来ている先生は3人だった。

とりあえず先生方に、ご挨拶する。

この先生たちは、俺が子どもの頃から知っている先生たちだから、俺的には緊張はない。

口々に、

亨の奥さんか!!

亨の子どもたちか!! 

隼、大きくなったな!!

と。

隼は、この先生たちが苦手だとずっと言っていた。

今も苦笑いの愛想笑いをしている。


「亨の妻の柚希です。

今日は、息子が初めてですので、私も一緒に参加させていただきたく、皆さんの稽古のお邪魔にならないように気をつけますので、お願い致します」

と、柚希は先生方に挨拶した。


いいよ、いいよと、先生方はにこやかだった。

俺も、よろしくお願いしますと頭を下げた。


柚希は、今度は保護者の人たちのところへ行き、挨拶している。


柚希は、そうゆうところが、本当に礼儀正しい。

相手に対して、礼を重んじる。

剣道は、礼に始まり礼に終わると言われるくらい、礼節に厳しい。

でも、剣道をやっている人がみんな礼儀正しいかと言えばそうでもない。

それは、個々の性格だろう。

柚希は、昔から人見知りだと言うが、初対面の人とでもちゃんと話が出来ている。

人見知りよりも、礼を重んじる傾向の方が強いのかもしれないな。


6年生のリーダーの子が、ランニングーーーー!!!!と、大きな声で言った。

はい!!とみんな答えて走り始めた。

懐かしいな~!!

俺も子どもたちと走ることにした。

峻も奏も、柚希も走り始めた。

隼は、走らないらしい。


これ、結構走るんだよな~。

ウォーミングアップだから、あんまりとばして走らないようにした。

けど、ペース配分とか全く無視の奏は爆走してる。

運動会のかけっこのつもりか?

ってか、速いな!!

足が速いところは、柚希に似たんだな。



そのあと、ダッシュをしたり、準備体操をしたりして、素振りになった。


柚希は、峻と奏を連れて、端っこの方にいる隼のところへ行った。

隼が、峻と奏に竹刀の持ち方を教えている。

隼は、教員ってだけあって、教え方が上手い。

ってか、柚希が教えたっていいのにな。





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