第33話 恋バナ?

 15時過ぎに柚希は帰ってきた。


「ただいま~!!

峻、奏、おりこうさんにしてた?

とおる、ありがとね~」


なんだか、楽しかったみたいだな。

にこやかだ。


「長いランチだったね。

敷石ケ濵さんと、なんの話をしたの?」


「いろんな話したよ~!!恋バナとか♡あはは」


えっ?恋バナ?


「敷石ケ濵さん、まだ独身なんだって!!

誰か良い人いないかな~って言うからさ~。

隼くんどうですか~? って!」

あははっと笑った。


「ちょっとちょっとちょっと!姉さん!!

やめてくださいよ!!

マジであぁゆう感じ、俺のタイプじゃないんで!!」


「そうなの~?タイプじゃないの~?

じゃ、隼くんのタイプは、どうゆう感じ?

お料理とか得意だって言ってたよ~!!

よくない?」


珍しく、ちょっと隼のこと からかってるな。


恋バナなんて言ったけど、きっと剣道の話をしてきたんだろうな。

だけど、それはどんな話だったのかは、言いたくないのかな?

詮索しない方がいいのか?


柚希は、ちょっと話をして、すぐに台所へ行って、母さんと大晦日の晩ご飯の準備をし始めた。


あの最後の試合の話をしたはずだ。

丁度いい引き際だったって、笑って話したのだろうか……

いろいろと聞きたくてしょうがない。


料理なんて、母さんに任せて、柚希はこっちに座ってろよ!って思うけど、長男の嫁としては、そうもいかないか。


うちの父さん母さんも、柚希を紹介したら すごく気に入ってくれた。

それは柚希が、気配りができて、気が利いて、それでいて我を通したり、出しゃばったりせずに、一歩引いて俺のことを立ててくれる人だから。


柚希のことを両親と、弟、妹に紹介してからちょうど10年になる。

なんだか、ついこの間のようにも感じるな。



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