第10話

進撃のWコウジ10


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「ここが北極か。とうとう来たな。ヒガシノリ。」


「ここでは僕らは万が一にも顔指されませんね。」


「せやな。」


「懐かしいですね。あんなにまで恋焦がれた栄華が、今はもう単なる重荷ですね。」


「脱皮できたようやな、ヒガシノリ。」


「兄さんはスパルタすぎます。」


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「何で僕の名前の画数悪いとか言ったんですか?」


「ヒガシノリ!北極やぞ!?」


「はい。」


「はいちゃうわ!ヒガシノリが命を粗末に扱うことによってどんな相手だろうが絶対に負けなかった過去の栄光を捨てろ!北極では通用せんで!」


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「何で僕ら北極に来たんでしたっけ?」


「ヒガシノリが泣きながら俺を誘ったんや!なんでや!何でヒガシノリは何一つ覚えてくれてへんのや!俺の青春の美しい記憶も、忘れてた方が美味しいと思ったらヒガシノリは忘れられるんや!ヒガシノリに不可能はなかったんや!忘れてた!」


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「何で北極って寒いんですかね?」


「せやな、なんでやろな?」


「いまいちピンと来ないですよね。」


「せやな。」


「でも僕、慣れました。アウター脱ぎますわ。」


「俺も脱ぐわ。ヒガシノリ。」


「兄さん!全身が氷に覆われ始めてますよ!おい!誰かー!」


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「ヒガシノリ、ここはどこや?」


「病院ですよ、兄さん。」


「ワシ、死ななかったんやな。」


「意外と人間はおいそれと死にません。」


「運がええのう!ワシらわ!」


「思い出しました。私の遠い祖先は北極出身でして…。」


「ヒガシノリー!」


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「つまり狼と鹿が交わりヒガシノリの一族は誕生したんやな?」


「一族に代々伝わるこの矢尻には、我が東野一族の積年の想いが…」


「そんな矢尻、断捨離するべきやねん!ええ加減にせい!」


「僕ネットオークション詳しくないんで教えてもらえますか?」


「還元率に着目や!」


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「粗品です!」


「せいやです!うー!」


「いやー、驚きました。東野さん我々現生人類とは違う進化を辿った生物だと判明しましたね。」


「カバの真似してええか?」


「ええよ。」


「ちゃうわ。カバオ君の真似な。」


「うん。」


「カバー!!」


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「松本人志さん!東野さんはいつワイドナシ ョーに復帰するんですか!?もうずっと北極から帰ってきてないじゃないですか!」


「でもね、みんなそんな風にやいのやいの言うけどね、マッキーってやっぱり、ええねん。」


「松本さん!」


「ええねん。」


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「凍傷や!わしの両足は切断するしかないんか!?ヒガシノリ!ワシは親から授かった両足を失いたくない!ヒガシノリ!何とかしてくれ!」


「こんな時の為の矢尻です。」


「メルカリに出品してもうてるやん。」


「まだギリギリ落札されてませんから。」


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「ひーくん?この矢尻、安かってん。」


「矢尻って何やねん。うわ、おかん、めっちゃテンション上がってもうてるやん。」


「矢尻には何かがあります。」


「知らんがなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

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