第六章 援軍要請 ④援軍派遣
西暦247年。
帯方郡から連絡があり、殺された太守に代わり、王頎が着任したと伝えられた。
卑弥呼は、取る物も取り敢えず、載斯と烏越を使者として、帯方郡に派遣した。
使者は、まだ戦乱が続く半島の南岸と西岸を苦労して進み、帯方郡の役所に到着し休む間もなく太守に面会を求めた。
「王頎太守様、狗奴国は大倭国の仲裁に応じないばかりか、その後も着々と大倭国の領土への侵略を拡大し続けています。既に近畿奴国の南部と巴利国東部が占領され、其々の国の都にも迫っております。
此の儘では、二国以外の国にも侵略の手が伸びる恐れがあります。
又、聞いた話によりますと、どうやら呉に、武器の援助を頼んでいるようです。
こう成っては、武器の支援だけではなく、魏軍による援助を頂けないでしょうか、何卒早急に、強力な援軍の派遣をお願い致します」
それを聞いた帯方郡太守の王頎は、即断した。
「判った。こちらの都合で武力の支援が遅れたのが、大倭国が困窮する原因だろう。ついては、塞曹掾史の張政と、鉄騎兵の精鋭百名を派兵するので、大倭国の兵と共に邪馬台国に攻め入り、近畿奴国と巴利国の領土を取り返し、それらの国に返却しろ。
更には、邪馬台国の領土に攻め入り、占領しろ。
奪った領土は、大倭国の加盟国で分割すれば良かろう」
帯方太守の王頎は、塞曹掾史の張政に、精鋭百名の鉄騎兵を連れ対馬海峡を渡り、詔書と黄幢と武器を難升米に仮し、檄文を作り邪馬台国攻略を鼓舞するよう命じた。
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