第二章 卑弥呼共立 ②伊都国と邪馬壹国

 大倭国連合の倭王である天帯彦(あまたらしひこ)は、姫呼を倭女王として新たな都に迎えるために、それまで大倭国の首都があった委奴国を、四つに分割した。

 姫国を含む委奴国以外の連合加盟国に対して、新たに作る二つの都の守備を固めるためでもあった。


 玄海灘沿いの委奴国の古い都を、玄界灘から守る広い要塞に変え、博多国とした。帯方郡を始め、馬韓・辰韓・高句麗に備える必要があった。

 倭人伝では、博多国は好古都国と書かれている。

 

 倭人が多く住む佐賀の吉野ヶ里に、倭女王のための大倭国連合の新たな都を作り、倭都国(いとこく)とした。

 倭人伝で倭都国は、伊都国と書かれている。

 

 伊都国の東に百里の距離で、玄界灘と有明海から隔絶した所に、天氏の都を作り、芙美国(ふびこく)とした。

 倭人伝で芙美国は、不弥国と書かれている。

 

 有明海に対しも守備を固める為、匈奴部隊が主力の駐屯地を置き筑後奴国とした。指揮官には天氏の一族を置き、抜かりなく匈奴を見張らせた。

 姫国と投馬国への対策でもあった。

 天帯彦は、姫彦を信用してはいなかった。


 姫彦は、姫呼が嘗て都とした姫国を、卑弥国(ひみこく)と卑称されていたので、海沿いの大倭国に対する美称として、山倭国(やまいこく)と改めた。

 しかし倭人伝では、山倭国は邪馬壹国と書かれている。


 そして、倭女王となった姫呼でさえ、卑弥呼(ひみか)と卑称された。


 連合としての大倭国の盟主はあくまでも、倭王であり、不弥国王である天帯彦で、卑弥呼は、倭王に共立された祭祀を司る倭女王、に過ぎなかったが、卑弥呼の鬼道の能力と由緒ある血統は、多くの加盟国に認められていた。


 後に、芙美国や山倭国は、馬韓領内に分国を建国したが、東夷伝韓条馬韓の項に、不弥国や卑弥国と記載されている。

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