第4話


クリスが悶々とそんな事を考えていると少年は


「僕はユリウス、君は杖を持っているから魔法使いなのかな?」


『えっ、あ、そ、そうだよ、でも魔力循環が上手くできないからすぐ魔力切れを起こしちゃうんだ....』


そう言った後クリスはハッとする

咄嗟で頭が回らず馬鹿正直に自分の欠点を話してしまった


やってしまった.....


ただでさえ仲間を見つけるのに苦労しているのにこんな事を言ってしまっては仲間ができるどころの話では無い。


もし彼がこの事を他の人に話したりなんかした日にはパーティーで冒険するなんて夢のまた夢だ


「私も魔力循環くらいならできるから一緒に練習しないか?」


は?何を言っているんだこの人は...

魔力循環とは1人で練習するもので一緒にするものじゃない。


というか一緒にするって何だ?魔力を体内で循環させるのに一緒にってなんだ?ダメだ...頭が混乱してきた。


クリスは意味の分からない提案に頭がついていかずキョトンとした


そんな事なんてお構い無しにユリウスはクリスの手を掴むと魔力を流し始めた。


体に魔力が流れて来てゾクゾクする


「じゃあ私が魔力を流すからそれを体内で1周させて私に戻すイメージをしてくれ」


え?1周?戻す?クリスはさらに混乱したが言われるがまま魔力を1周させてユリウスに戻した。


最初は上手くいかず体内に次々に流れ込む魔力に"どうすればいいんだ!!"と1人心の中で叫んでいたが、ユリウスのアドバイスを受けながら少しずつやっているうちに段々とコツを掴んだ。


やったぞ!魔力循環ができてる!!


クリスは思わず泣きそうになった。


元々魔力はそこそこあり、魔法を連発する為に魔力量を上げていたこともあって魔力循環ができるようになってからは中級魔法も難なく使えるようになった。


彼は僕の恩人だ。


何かお礼がしたい。

元々彼に助けられた命だ彼に捧げても問題は無いだろう


『ありがとうユリウス! お礼に僕ができることなら何でもするよ!』


クリスは覚悟を決めてそういった。


"何でも"という言葉がどれほどの物か、クリスは知っている。


それでもいいとクリスは思っていた。


たとえ命を要求されてもそれに答えるつもりでいた。


ユリウスはその言葉を聞いてニヤリと笑った。


何を要求されるのだろうとクリスは唾を飲んだ

しかしユリウスが要求したのはクリスの予想の斜め上を行くものだった。


「じゃあ私とパーティーを組んでよ」


クリスは鳩が豆鉄砲を食らったような表情をした。


え、いいの?...こんな出来損ないの僕とパーティーを組んでくれるの?それがユリウス願い?

もう一度聞いたが同じ答えが帰ってきた


『ぼ、僕でよろしければ...ぜひ!』


こうして僕はユリウスとパーティーになった


とっても嬉しくて胸が張り裂けそうだった

命の恩人で凄く綺麗な美少年とパーティーが組めるなんてまるで夢のようだ。





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