第3話

クリスは魔法の特訓をしに森へやってきていた。と言うのもクリスは魔法循環が上手くできない為魔力の消費が激しく、ソロ冒険者としてやっていくには限界がある。


しかし、パーティーを組もうにもそんな魔力の少ないクリスを入れてくれるパーティーは果たしているのだろうか?


まともに魔法も使えない後衛をパーティーに入れる訳が無い。そう考えたクリスは魔法を使うことによって魔力量が増えるという記述を元に練習をする事にしたのだ。


やっぱり魔法を使うとすぐ魔力切れになっちゃうや....初級魔法を数発撃つのがやっと、もっと頑張らなくちゃ


ガサガサ...


「ホーンラビットかな?

あれくらいなら僕でも倒せるかも!」



そう思ってクリスは初級魔法を音のする方へ放った。すると驚いたホーンラビットがクリス目掛けて突進してきたのだ。


クリスは慌てて防御魔法を貼ったが間に合わずホーンラビットの角がクリスの足に突き刺さった。


ヤバい...そう思ったが既に体に毒が周り初めてまともに体が動けない。意識も朦朧とし始めた


「僕、このまま死ぬのかな…」


そう思った時、人影が現れた。何か言っているがそこでクリスは意識を手放した。


目が覚めるとクリスは宿のベッドの上にいた。

怪我した足には包帯が巻かれていた。


部屋を見回すと椅子に座った美少年が眠っている。


「わぁ、綺麗」


思わず声が出てしまった。

綺麗な黒髪にスラッとしているが筋肉もしっかりついている。見たところ剣士だろうか


少年はクリスより幼そうに見えた。

年下にここまで運んで貰うのはなんだか申し訳ない。そんな事を考えながらじっと見つめていると少年が目を覚ました。

クリスはハッと申し訳なさそうに聞いた


「君が僕をここまで運んでくれたの?」


少年は

「気にしないで、放っておけなかっただけだから」


そう言われても気にしないわけが無い。お礼に何をすればいいのか考えてると美少年が続けて言った


「それより女の子が1人で森の中にいるなんて危ないよ?」


「えっと...僕、男の子だよ、名前はクリス。助けてくれてありがとうございます。」


そう答えると美少年は


「こんな可愛い子が?!」


ともの凄く驚いた顔で叫んだ


クリスは自分が女の子に間違えられていると知って恥ずかしくなった。クリスはあまり容姿を気にする方では無いため髪を切るのを忘れていたのだ。おまけにクリスは可愛い顔をしている為女の子に見えても仕方がない...のだが


「よく、間違えられるんだよね、この顔だし」


クリスはそう言いつつも


「髪...整えよ...」


と密かにそう誓った


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