「私の彼、浮気してるの」

「えぇー！何それ最低じゃん」

「そんなことないわ。凄く良い人よ」

「いやいや、浮気してる時点で問題あるでしょ」

「でも誰よりも責任感や使命感が強くて、それに行動力がある人なの」

「浮気に向かうような行動力なんていらないから。ていうか誰と浮気してるか知ってるの？」

「うん、私の身近な人。直接会ったことは無いんだけど」

「うわー、よりにもよって身近な人って……。あなたのことも結局身体目当てだったんじゃないの？」

「身体目当て……。それはそうなのかも。だからこそ何股もして……」

「は？待って、何股もしてるの？」

「うん、確か今は私含めて5人だったはず」

「そんなに……。終わってるわそいつ……」

「私の全部を愛するって言ってくれたの」

「適当なこと言ってるだけじゃん」

「私が他の人を愛するのが耐えられないんだって」

「自分は浮気してるくせに？」

「きっと彼なりの覚悟だと思う。頑張って頑張って、性格も好みも違うはずの5人をちゃんと愛して、愛されてるの。だから私は彼が好き。私達は彼が好き」

「…………。ねぇ、さっきからあなた何言ってるの？」

「……あのね。実は、あなたに秘密にしてたことがあって」

「え、何……？」

「私、多重人格なの」

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