ぬいぐるみの気持ち
僕は、りすのぬいぐるみです。璃杏ちゃんが唯一、お母さんから貰ったものです。僕は璃杏ちゃんのおばあちゃんから渡されました。
最近、家に知らない人が来ました。初めて来たとき、璃杏ちゃんは寝ていました。なんだこいつ、と思いましたが、僕は動けません。男の人は、僕たちに話しかけました。
「随分とたくさんいるんだな。…そうだな。」
僕は持ち上げられました。背が高い人なので、ちょっと怖かったです。
「俺は、吸血鬼の有栖だ。君たちを眷属にしてやってもいいし、璃杏は喜ぶのかもしれん。だが、俺のものとの時間を邪魔されたくないからな。」
頭をぽんぽんされました。
「だが、今まで璃杏と一緒にいてくれたことには、礼を言おう。」
この人は、ぬいぐるみに思念があると知っている人間だ。しょっちゅうこちらに目線を投げてくるし、璃杏ちゃんがおうちにいないときは話しかけてくる。
最初は嫌だったけど、最近は楽しい。ありすは璃杏ちゃんを大切にしてくれるから。僕が、できないことをしてくれるから。
おばあちゃん、璃杏ちゃんはきっと大丈夫だよ。
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