タコパ
たこ焼きが食べたくなった。こういう時は駅まででて銀〇こを買う。しかし、今日は人生初のタコパを決行することになった。
「茨だ。」
「そうですけど。ほら、おこちゃまにはコーラ買ってきてやったぞ。」
ドアを開く。手には2Lペットボトルの他にもポテトチップスらしきものが入ったビニール袋を持っている。
「こんにちは。」
知らない人が一緒にいた。この人は金髪。凄く大きいたこ焼きソースを手に持っていた。
「こんにちは。」
とりあえず頭を下げておいた。来客を聞いていたので、今日の為に買ったもこもこスリッパを差し出す。茨が鼻で笑ったのを見逃さなかった。でもちゃっかり履いてた。
「白雪だ。金髪に染めているだけでこいつも吸血鬼。茨と一緒だ。今いくつだったか?」
キッチンから有栖が紹介してくれる。ボブぐらいの長さで切りそろえていて、格好いい。たこの湯気で曇る、と言って眼鏡を外していた。
「大体600とかですね。初めまして、璃杏さん。」
「天根璃杏です。よろしくお願いします。」
もう一度会釈する。すると、白雪さんは泣き始めた。
「いい子…!」
落ち着いた白雪さんとテーブルについた有栖、4人で
「かんぱーい。」
とグラスを傾ける。茨も高校生を装ってはいるが、もう100年は生きているらしい。ビールを綺麗だと、初めて思った。
たことチーズ、ウインナーが並ぶ。紅ショウガとねぎ、天かすは入れるほどおいしくなると茨は言った。有栖が私にも焼き方を教えてくれた。
「おいしい!銀〇こより!」
「璃杏さん初タコパなんでしょう。沢山食べてくださいね。」
白雪さんが次々皿に載せてくれる。やっぱりたこのが一番。
「白雪俺の皿にも。」
「俺のにもくれ。有栖より先に。」
ジュースを飲みながらたこ焼きが焼けるまでおしゃべりして、焼けたら無言で食べる。この時間が、とっても楽しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます