学校

 璃杏は通信制高校に通っている。全日制だと親がいないことで面倒が増えそうだったから。

「こいつ、璃杏と同じ学校なんだけど、知ってる?」

 有栖に紹介された男の人は見たことがあるような無いような人だった。

「知らない。」

「俺も知らない。こいつが純血?」

 ちょっと不機嫌そう、この人。

「そう。」

 同じく吸血鬼だという茨さん。有栖の説明と辻褄があっていない気がする。?に気づいたのか有栖が説明してくれた。

「茨は薬を飲んでいる。だから璃杏を襲うことは無い。」

 有栖の友人はみんなそうらしい。有栖の立場を考えれば当然か。

「明日から新学期だから、茨と授業受けてくれ。」

「なんで?」

 茨さんと有栖はアイコンタクトを交わす。答えたのは茨さん。

「俺と行くのがそんなに嫌か。」

「違うけど、茨さんが嫌そうだから。」

 有栖は笑った。

「違う。璃杏が嫌なんじゃなくて、俺の頼みを聞くのが嫌なんだ。許してやれ。」

「うるさい。あと、俺にも敬語じゃなくていい。うざい。」


 納得できたようでできないまま、初めての学校の友達ができた。


 *悪いな、頼んだぞ。*

 *あの女は馬鹿なのか?純血は狙われる話してないのか?*

 *したさ。俺が殺させる訳ないだろう。一生手放すものか。*

 *可哀そうにな。お前に捕まったことより不幸なことが思いつかない。護衛という      か監視だろ。*

 *悪口か泣*

 *うざ*

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