第3話、スパルタ兵よりスパルタな教官
~1~
合格発表から
それはもう、とても張り切って作ってくれた。お寿司を作っている義母さんの後ろ姿に何故か
いや、まあ正直自分の事のように
以前も
でもまあ、僕の事でこんなに喜んでくれるのは正直嬉しいとは思う。だから、僕は素直にお寿司を味わう事にした。
うん、サーモン
「そう言えば、イブキ君。貴方が以前言っていた女の子、アサヒちゃんだっけ?その子とはどうだったかしら?少しは
義母さんが思い出したように
けど、どうやら義母さんは
まあ、でもアサヒか。
「
「もう、いっそのこと
「っ、ごほっごほっ……な、
「あら?
とんでもない事を
うん、口は災いの
「はい?えっと、イブキ君は好きな子が
「違いますよ」
そう言って、僕は話の軌道修正を
えっと?どうしてこんな話になっているんだっけ?そう思いながら、僕は少しずつ話をかいつまんで
「あのですね、その女の子は天罰事件によって
「なるほど、そんな子が居たんですね。それで、イブキ君はその子の
「きっと、理由自体は
そう、きっと理由自体は単純明快なものだと思う。其処まで
「僕は、アサヒの事を
「……………………」
僕も、天罰によって結果的に
だから、僕には彼女の痛みが文字通り痛いくらいに理解出来るんだ。
彼女の痛みと、僕の痛み。きっとそれは
きっと、彼女は
「イブキ君は、やっぱりまだあの
「はい、まだ僕自身あの頃の痛みを
ただ、それでも。
それでも、僕は。
きっと、忘れたいと思っていないのだろう。忘れたくないのだろう。
僕は、あの頃の
それはきっと、ただの
僕はきっと、まだ
家族を失って、それでも心配してくれる
それすら居なかったアサヒ。
きっと、家族を失った
きっと、彼女をただ一人きりのままにしておく事が僕には出来ないんだ。
きっと、ただそれだけの話だったと思うんだ。
そんな僕に、義父さんと義母さんは少し
「イブキ君、きっとこれ以上何かを言うのは
本当に、自分なら助けられると思っているのか?
「いえ、きっとその
「そう、ですか。なら、僕はもうこれ以上は言うつもりはありません」
「ありがとうございます」
そう言って、僕達は再び
そう、きっと僕だから彼女を助けられるなんてそんな保証は何処にもない。そもそも彼女はそんな助けなんて
けど、それでも僕は彼女の助けになりたいと思った。彼女を救いたいと、そう心から願ったんだ。だから、きっと……
僕は、彼女を助けてみせる。そう、密かに
例え、要らない
~2~
次の日、神殺し部隊の入隊初日。
講堂には僕達新人の
統括長官の名前は
とても体格の良い、大柄な男性だった。
「諸君等は
長々と語ってはいるが、
もちろん、其処は僕だって理解している。其処に一切偽りはない。
けど、実際に
そうだ、民間人の平和と安息は僕達の
それに……
ちらりと、少し
だからこそ、僕はそんな彼女ともこれから
このまま、彼女を一人孤独の戦いに
「では、私からの話はこれまでにして。
はい?
えっと、今僕が
隣に立っているギンガだけが、
「ほら、呼ばれているぜ?首席合格者様?」
「……
「いや、何をだよ。さっさと行け」
そう、ギンガから
だから、僕は自分が思った事を
ごほんっとまずは
「ええ、先ずこれから僕の
若干、声が
けど、それでも僕が主席合格者であるという
そう思い……
「先程、
神と戦う為に、何より必要なのは皆の
けど、だからと言って
僕達の肩には、多くの命が
そして、その為には同じ隊員同士で
それ故に……
「どうか、皆の力を僕に
そう言って、僕は皆に頭を下げる。それはもう、
腰が
皆は、これから共に戦っていく為の掛け替えのない同胞なのだから。共に戦っていくべき大切な友なのだから。僕は、この
皆からの反応は
講堂の何処かで、ぱちぱちと拍手を
万雷の
その拍手に、僕は思わず
とても
「うむ、中々良い演説だった。これからも君の活躍を
「は、はいっ!」
僕は、統括に頭を下げて
どうやら、これで問題ないらしい。一先ず
そして、元の自分の
まるで、僕を親の仇のように
そう思い、僕はとりあえずアサヒに
更に鋭い視線を向けられた。
「おうっ、よくやったな!中々決まっていたじゃないか!」
「そうか、僕からしたら滅茶苦茶緊張したよ」
「そうか?俺からしたら
「……じゃあ、
「はは、要らねえよ」
そう、僕はギンガと
そう、僕はこっそり思った。だからこそ、僕はあいつとも
きっと、あいつを一人にしたら今後大変な事になると。そう
~3~
そして、僕達はさっそく
一人は比較的年若い青年士官。あの実技試験で試験官を
もう一人は、
それと、何処となくあの老女とギンガは顔立ちが
と、そう思っていたら……
「うげっ、ば、ばあちゃん……」
「ばあちゃん?」
予想の斜め上の
えっと、つまりこの老女はギンガの
「
「それほどの人物なのか?こう言っては何だけど、けっこうな
「ああ、
「ああ、だからお前。結構基礎体力がしっかりしてるのな」
ギンガは
それに、厳しくしつけられていたならあの年齢の
けど、ギンガがあそこまで酷く
そう、思っていると。
「其処!私の前で
「「っっ⁉も、
うん、これは断言出来るわ。この
そう、僕は即刻理解させられた。
獅子堂アリカ。かなり怖い。
そんな中、僕の右斜め
うん、どうしよう。全く
そんな中、青年士官の方が話し始めた。
「では、これから君達には基礎体力訓練を課す事になる!俺は
「はいっ‼」
「俺に対する
「サー、イエスサー‼」
「よし!では、教官直々に基礎体力訓練について話がある!心して聞くように‼」
「サー、イエスサー‼」
そうして、皆の前にアリカ教官が出た。その身体から
そして、それだけではない。まるで、身体全体に鋼鉄の
「紹介に預かった
「イエスマム‼」
「よろしい、では先ず
「っ⁉い、イエスマム‼」
「よろしい、では始め‼」
やばいなんてものではない、かなりのスパルタだ。新人に
まあ、
そう思っていたら。
「…………言っておくが、イブキ。この程度はまだ
「……うへぇっ」
思わず嫌な溜息が
まあ、思えばギンガはそんな
そう、思う。けど、
「色々と、
そう、思わず
だから、そんなに
~4~
さて、そうして僕達新人の基礎体力訓練は
「……
「……っ、余計な……お
「いや、でも…………」
「そん、な……事より。自分の、事……でも……ぜぇっぜぇっ」
「いや、ほらもう
「っ、く…………」
「ほら、僕も
「……余計……な、お世話…………っ」
そう言って、まだアサヒは余裕そうにふるまっていた。実際はかなり
僕?いや、まあこれでも結構きついです。正直もう、既に足を動かすので精一杯でこれ以上走るのは結構限界だったりする。
それでも話し方に余裕があるって?それは
事実、さっきから度々身体がふらついている。
それでも
「其処!
「っ、い……イエス、マム…………」
「どうした!
「…………………………」
だから、僕達は必死で走った。何とか走った。
「ほら、そんなに
「……………………本当、に……余計な、げほっ」
それ以上、何も言う事が出来ないのか。アサヒはぜえぜえと息を
七十週目を走り
アサヒも
八十週目を走り終えた。もう、ほとんど演習場を走っている新人は
九十週目を走り終えた。後、十周。けど、その十周が果てしなく
見れば、ギンガはどうやらもう既に百周走り終えたようだ。素直に
そんな中、ついにアサヒが
「…………………………」
「……………………ほら、一緒に……走ろ…………っ」
それだけ、僕は何とか言った。
どうやら、もう
九十一週、九十二週、九十三週と僕達は何とか必死に走っていく。そして、そのまま必死に走っていく内にやがて百周目が見えてきた。その時間が、果てしなく永い時間に感じられたけれど。
けど、それもようやく終わりの時が来る。
そうして、僕達は何とか演習場を百周走り終えた。ちなみに、ギンガは
それに、アサヒは
何とか汗が染み込んだマスクこそ
そんな僕達を、ギンガが苦笑気味に見下ろしていた。
「
「…………ぜぇっぜぇっ……っ、はぁっ」
悔しいけど、全く言い
もう、体力はすっからかんだ。
「まあ、確かに俺も最初の頃はそんな感じだったか。
「ぜひゅー……ぜひゅー…………っ」
「ははっ、まあしばらく其処で
そう言って、ギンガはそのままアリカ教官の許へと
その余裕が、正直羨ましかった。けど、それを正直に
まあ、そりゃそうだ。
~5~
たっぷり半時間程度は
まあ、あくまでも立ち上がれる程度ではあったけれど。それでも
うん、お互い明日に
こういうのは、普段から
まあ、ともかく。アリカ教官は少し
「……ふむ、今年の新人は少しばかり
「ですが、教官。本来新人とはこの程度が
「ふむ、だがやはり新人の頃から
「……まあ、そうですね」
なんだか
でもまあ、確かに
だから、僕達も此処で甘い考えは
とはいえ、流石の僕もこれ以上頑張れば身体の方が限界になりそうだ。もう、既に身体の各所から
さて、次の訓練は何なのか?そう思っていると……
「では、基礎体力訓練の
「……………………う、うへぇっ」
誰かが
「貴様!うへぇとは何だうへぇとはっ!気が
「ひぃっ‼い、イエスマム‼」
哀れ、不平を
そのスパルタな姿に、知っていたとはいえ新人達の顔が
とは言っても、まあ僕自身が強くなるためならやはりこの程度のスパルタは甘んじて受ける覚悟はあった。
そう思い、僕はきゅっと表情を引き
「では、始め‼」
「イエスマム‼」
・・・ ・・・ ・・・
そうして、僕達はそれぞれ腕立て腹筋を千回ずつやり始めた。だが、その光景は思っていた以上に
それというのも……
「う、うおおっ!き、筋肉が
「ぐあっ、さっきのフルランニングが後を引いて。上手く身体が
「……っ、死ぬ。全身の筋肉が
と、そんな
当然僕も、さっきから腕立て一つ
だけど、それでも……
ちらりと、視界の
けど、それでもアサヒは黙々と腕立てを
なら、僕が此処で
僕だって、
此処で、泣き言なんて言ってはいられない。
「ぐっ……ぬぬっ…………」
腕に力を
けれども、それでも僕はそれを何とか
ギンガは既に、腕立て腹筋を千回終えたらしい。のんびりと
果たして、僕は
ふと、そんな事を
ギンガに
きっと、その先に
そう思って、僕はそろそろ三十回目に入る腕立て伏せを
・・・ ・・・ ・・・
そうして、僕達は腕立て腹筋を何とか終了させる事が出来た。もうかなりへとへとでこれ以上身体を
それは、アリカ教官も重々承知しているのか少し不満そうだったが流石にそこで終了する事にしたようだ。
「では、本日の基礎体力訓練は
「い、イエスマム‼」
特別メニューという言葉に全員が
今日から宿舎での生活が始まる。何も思わないと言ったら、
そんな中、
「よう、
「ああうん、まあな。そういうお前は随分と
「まあ、其処は
「まあ、そうだろうな……」
そう言っていると、僕達の前に立ちふさがる少女が一人居た。厳しい視線で僕達を睨み付けるように立ちふさがっている。
というか、花咲アサヒだった。
「……えっと?」
「ランニングの時は、
「ああ、いや。
「……っ。そう、でも私だってあの
「えっと、ああうん」
「……じゃあ、そういう事だから」
そう言って、そのままアサヒは立ち
どうやら、彼女なりにランニングの時のあれは思う事があったらしい。
少しばかり、
やはり、彼女は
そう、僕は思った。
そんな中、ギンガは少しばかり
まあ、恐らく
「ふぅっ、本当に
「そう、かな?僕としては少しだけ彼女に
「うっそだろお前……」
そんな風に、僕に
まあ、実際彼女の
でも、それでも思う。果たして僕は、彼女と
~6~
その日の
「あー、そこそこ。けっこう
「
「
まあ、そうだよなあ。あの
まあ、最初から言うつもりなんて
そして、だからこそ僕達はそれをしっかりと
「……じゃあ、次は俺の
「うん、じゃあよろしく」
そうして、僕は
「んっ、ぐ……」
「あ、やっぱり
「そう、なのか?」
やっぱり、あのアリカ教官は其処まで
いや、あの訓練内容だけで十分理解出来ているつもりだけど。それでも少しばかり不安になってくる。やはり、僕の見立てはまだ
そう思っていると、ギンガは苦笑を
「いやまあ、一応言っておくがな。今日の
「そ、そうなのか……」
「ああ、あのばあちゃんを
「鬼教官って……」
あの人って、元自衛隊の人だろう?なら、ある程度は確かに
流石に想像が出来なかった。それを
「ああ、それでもあのばあちゃんは鬼教官と恐れられながらも同時に
「そう、か……んっ」
「お前も
「それは、
確かに、あのスパルタ教官が特別メニューを課すなんて言ったら正直怖い。怖いけど僕はそれでもやり遂げなければいけないのだろう。
でなければ、流石に義父さんの
僕は男なんだ。だったら、少しくらい
その為に、僕達は
「じゃあ、まあマッサージはそろそろこの程度にしておくか。もう
「ああ、
「なら
「……いや、僕は少し
そう言って、僕はのそりと立ち上がる。そのまま、部屋の扉を
・・・ ・・・ ・・・
部屋の
そう思っていると、アサヒが女性トイレからちょうど出てきた所だった。どうやら向こうも僕に気付いたらしく、少し表情が鋭く
「貴方は……」
「えっと、こんばんわ?」
僕の
そう思っていると、アサヒがそと溜息を吐いてきた。
「何か私に用?それとも、貴方には
「いや、
「私と、ね……」
アサヒは更に視線を鋭くした。やはあり、僕はアサヒに
でも、それでも僕としては
アサヒから
「で、何の用なのよ。
「いや、そうじゃないんだ。それに、僕自身そんな安っぽい
「…………………………」
「別に、
「…………っ⁉」
アサヒは目を大きく
そう、僕にはアサヒの痛みがよく分かる。文字通り、痛いくらいに。
「あの
「…………………………」
ずっと思っている。あの日以来、ずっと。
もし、何かが
でもきっと、そんなタラレバに
僕達はこうして生きているのだから。生き残ってしまったのだから。
「……それで、貴方は
「もちろん、
「…………………………」
「だから、せめてアサヒが一人きりだなんて、そんな
「…………………………」
「それに、アサヒとは出来るだけ
そう、僕は言った。きっと、僕はアサヒの事はそんなに
出来れば、
って、おや?
「…………っ」
何故か、アサヒが頬を
どうして、そんな顔を赤くして
そう思っていると。
「うるさい、
そう言って、そっぽを向いてしまった。
ええ、何で……
今の僕に、何か
少しばかり、後ろ姿が
「と、そろそろ就寝時間だったな。さっさとトイレを
そう、誰にともなく
・・・ ・・・ ・・・
そして、僕がトイレから
「少しばかり
「いや、途中アサヒと
「うわっ……」
ギンガが少しばかり
けど、そんなに嫌な奴って訳でもないけどな。そう思っていると、ギンガは表情を引き攣らせたまま僕に言った。
「お前、随分とアイツとエンカウント率が
「いや、そんな大げさな。確かに、あいつとはよく
「いや、それでもよ……」
「それに、アイツにはアイツなりの
「そう、なのか?」
「まあ、さっき
「は?」
心底理解出来ないという風に、ギンガが目を
まあ、確かにな。何でいきなり睨まれたのか、どうしてそんないきなり不機嫌になられたのか意味が分からないものな。
本当、何で睨まれたんだろう?僕、あいつを
「本当、どうしていきなり
「いや、そうじゃねえだろ。
「……?えっと?」
「お前、其処まで
「いや、何を言っているのか分からないんだけど」
「…………………………」
ギンガが
って言うか、フラグって一体何の話なんだ?
「えっと、まあ
「えっと?」
「いや、分からないならいい。まあ、色々と人には人の
「いや、何を言っているのか全く分からないんだけど……」
どういう事だ?
けど、ギンガは事情を
えっと、どういう事でしょうか?
けど、それ以上ギンガは何も言わなかった。結局、就寝時間の9時になり僕達はそのままベッドに入って
~7~
此処は、
此処は
でも、ああ。もうどうでも良いや……
そう、思い始めた。けど、僕の腕を
そう、思っていると……
「兄ちゃんは此処に来ちゃ
その声に、僕は思わず
其処は、光で
いや、そんな事はどうだって良い。どうして、こいつが此処に居る?こいつは、間違いなく僕が……
そう思ったけど、そいつはまるで
まるで、
「別に、今は
「
待って。待ってくれ。
僕を
そう、言おうとするけど。声が、出ない。声を
どうして。何で。そう思うけど、僕はどうしても声を出す事が出来ない。そのまま僕は、意識が
思わず、
待って!待ってくれ!
僕も一緒に!僕を置いていかないでくれ!僕を一人にしないでくれ!
「
それは、どういう事だ!待ってくれ!待って……
シブキっ‼
・・・ ・・・ ・・・
「っ‼」
はっと目を
そう、今のはきっと
息が
言い聞かせるけど、どうしてもあれをただの夢だと断じる事が出来ない。どうしてなのか?
「う、んん?どうした?そんなに荒い息を吐いて。何か
「いや、別に
そう言って、
まさか、そんな
そう、ひたすらに心の中で言い聞かせる。
よし、大丈夫だ。僕は大丈夫。
そんな僕を、怪訝な表情でギンガが見ている。
「お前、本当に大丈夫か?今日の訓練は、少し
「いや、
「本当か?なら、別に
「ああ、ありがとう」
そう言って、僕は寝汗に塗れた服を脱ぎ
そうだ、あれはきっとただの夢なんだ。でなければ、あんな僕の前に死んだ筈の弟が出てくる筈がないだろう。そんな訳がないんだ。
そう思うと、急に自分自身が
そうだ、
だったら、もう
そう思い、僕はそのまま服を
そんな僕を、ギンガはどうしてか
一体何なんだよ?
「イブキ、お前本当はまだ引き
「うん?何をだよ」
「弟の事だよ。
「……………………」
僕は、それに
きっと、僕は今でもまだ
きっと、僕は何時までも
僕は、過去に囚われてはいけないんだ。そうも思うから。
だから、
「…………イブキ、」
「うん、何だ?」
「今から言うぞ?
「へ?っ⁉」
僕は、そのまま
そう、思うけど。ギンガを見ると、ギンガはとても
「済まない、イブキ。でもな、お前も少しは俺に
「ギンガ、でも……」
「でもじゃねえ。俺達は
「……………………」
「それとも、俺なんかじゃ
「……いや、お前は
「そうか、なら
そう言って、ギンガは満面の
そんなギンガが、なんだかとても眩しく思えて、僕は少し苦笑してしまった。
そして、
ああ、きっと夢の中のシブキもそうだったのだろう。だから、あいつは僕に言ったんだと思う。
僕は、決して一人なんかじゃない。僕を一人にしてくれない
そう、ギンガは僕を
そう思うと、少しだけ泣きそうになった。というより、少し涙が出た。
そんな僕に、少し
「済まん、少し
「いや、本当にギンガは
「……当たり前だろ?俺はお前の親友だぞ?お前が一人になろうとするなら、殴ってでも止めるのが俺の
「ありがとうよ、ギンガ」
「おう、そいつはどうも」
そう言って、僕達は互いに笑い合った。今日も、一日が
そうだ、今日も
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