エピソード1:出会いと始まり
「悪魔!?神社って悪魔でるの?」
「急にそんな事言われても信じられませんよね。しかし、今さっき、わたくしはあなたの祈りの内容を見事に当てました。
少なくともわたくしが何か特別な存在であることの証明にはなりませんか?」
何を言ってるのかよく分からなかったが、一応話をしてみることにした。
「そうだよ。まさに今僕はモテたいと神様にお祈りをした。
悪魔って言ったっけ?普通、願いを叶えてくれるなら神様が来るよね?
ここで神様じゃなく悪魔が来たっていうことはこの祈りは絶対叶わないっていうことか?」
「ふふふふふ。そう考えるのが筋でございますよね。しかしご安心を。端的にその質問の答えを申し上げるなら否です。
わたくしはあなたの望みを叶えるために現れました。
いや、正確に申し上げれば、チャンスを与えに来ました。
どうでしょう?わたくしと悪魔の契約を結んで見ませんか?」
唐突の契約という言葉に驚いた。この悪魔は話の論理というものを知らないのか。話の全てが唐突すぎるんだよ。
「悪魔の契約?なんだそれ?僕の命でも差し出せというのか?」
「まさしく」
「は?そんなこと承諾する訳ないだろ!」
「まぁまぁ、早まらず。よく聞いてください。今から詳しく説明します。」
僕は疑心暗鬼ながらも、悪魔と名乗るこのおっさんの話を聞くことにした。
「いいですか?まず宣言します。このままだとあなたは高校生活でびっくりするほど非モテな運命を辿ります。なんなら女友達すらまともにいません。」
突然の宣言にイラッときた。
「おい、おっさん。何で今あったばかりの人にそんな事言われなきゃならないんだよ。証拠はあるのか?馬鹿馬鹿しい。もう帰る。」
「お待ち下さい。そもそもわたくしは人ではありません。この際、そのような事はどうでもいいのです。
この宣言を信じるか信じないかはあなた次第です。
しかし信じていただけるなら、あなたにはモテモテ高校生活のチャンスを差し上げましょう。」
続けて悪魔は言った。
「あなたは、これからの高校生活において、1年間につき、なんでも好きな道具を3回まで使うことができます。つまり3年間の高校生活の間で9回道具を使うことができます。
ただし、ここでいう道具とはこの世に存在しているものに限られます。
例えば「どこでもドア」などの架空の道具は使えないということです。
ここまで大丈夫ですか?
そしてここからが重要です。あなたが道具を使った時、あなた以外の人は、あなたがその道具を使ったことを認識しません。
どうですか?いい話でありましょう?」
一瞬なにを言ってるのか分からなかった。なんなんだ道具って?
いやそうか、今の話が本当なら、地球に存在しているものならなんでもありの恋愛ゲームが現実で始まるってことか。
僕はこれまでずっと非モテだった。故に妄想は大の得意だ。そういう現実味のないシュミレーションはたくさんしてきた。
よくドラマなどを見ていて、ここで2人が運良く出くわすなんてありえないだろーっていう場面がよくある。それを現実で起こすことだって可能って訳か。
僕のシュミレーション力が試される訳か。
そこで、ふと疑問に思った。
「話は理解できた。けどさ、その見返りはなんだんだ?僕にチャンスをくれるってことはそれ相応の代償があるってことだろ?」
「ふふふふふ。話が分かるお方ですね。いいでしょう、説明いたしましょう。
わたくしがあなたにチャンスを与える代償に、あなたに課す条件は、高校生活でひたすらモテることです。
もう少し具体的に説明しましょう。
あなたは女の子に告白されなければいけません。そして告白された女の子にはそれぞれランクが存在します。ランクとは美貌、学力面、運動面、家柄などを総合した評価になります。そして、そのランクに応じてあなたのポイントが貯まる仕組みになっています。
S級が10ポイント。A級が5ポイント。B級が3ポイント。それ以下は1ポイントであります。
あなたには高校生活の3年間において100ポイントを貯めてもらいます。タイムリミットは卒業式です。
もし卒業式までに100ポイントを貯められなかった場合、卒業式が終わったタイミングでわたくしがあなたの命を頂戴いたします。」
なるほど、よく分かった。
話を整理すると、僕は高校3年間全くモテない運命にある。
ただし僕は悪魔との契約によって、ある力を手にする。その力を上手に利用すればモテモテの高校生活を送れる可能性があるという訳だ。
代償として、もし僕が力を使ってもモテなければ命を取られるということだ。
どうせ、モテない人生なら生きてても大して価値はない。それほどまで今僕はモテに飢えているのだ。であるならば答えは1つ。
「おっさん!あ、いや、悪魔!その契約受けるよ。」
「ふふふふふ。承知いたしました。ではこれをもって契約成立になります。あっそうでした。 まだお伝えしてないことがもう1つありました。モテモテな学校生活を送るというのは、そう簡単な道ではないということです。
そうですね。例えば、その力を持っているのはあなた1人ではない、、とかですかね。。どうかくれぐれも精進してください。」
「は?それってどういう意味、、」
僕の話が終わる前に悪魔は姿を消してしまった。
なんか最後に意味深な事を言ってたような。 僕以外にもその力を持つものがいるとかいないとか。
そんなかんなで今、運命のモテモテ高校生活のスタートしようといている。今日は入学式の前日である。
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