第4話
しくしく、もうお婿に行けない......
なーんておふざけは置いておいて、美雪には機会を見つけてしっかり
美雪に風呂に連行されてから数日、基本的に俺の生活は変わらない。剣術や体術を鍛え、体力・霊力を鍛え、もっと様々な霊術を扱えるようにしたり新しく作ろうとしたり、ここ数年続けてきた事をいつも通りやっていた。
だが、今日は父さんが朝早くから俺を呼んでいる。鍛錬などではなく何か大事な話があるようだ。
正直、大事な話と言われても想像がつかない。退魔師は確かに儀式のようなものはあるが、今の俺に当てはまるようなものはない。
一部特殊なものは当てはまるかもしれないが、そもそもそれは血筋などが関係するため我が家には関係ないことだ。まあ、神の血とか妖の血とか入ってるかもしれないけど父さんから聞いたことないし。
さて、もう時間かな?既に着替えは済ませたし、召使の誰かがそろそろ呼びに来てもおかしくない。
コンコンコン
「若様、当主様がお呼びです」
ちょうど美雪が呼びに来たな。
「わかった。今行く」
俺はそう返事をし、部屋から出ると部屋の前で立っている美雪について行った。
_______________________________________________________
「若様、こちらに当主様と奥様がおられます」
そうして美雪に案内されたのは、家族関係で集まる部屋だった。
ちなみに、我が天峰家の屋敷はかなり大きく。所謂、霊山と呼ばれる特殊な場所に建っているらしい。構造は平安時代の貴族や武家屋敷などと似ていて、屋敷の周りをどでかい塀で囲われ門もでかい。
庭の一角には霊術や武術などの資料、他にも霊宝や法宝、神器などの特殊な武器が保管されている五重塔的な建物も建っている。
っと、話がずれたな。
「ありがとう美雪。それで、父さんは何の用か言ってた?」
「いえ、私には知らされておりません。ですが、かなり重要なことのようです」
「そうか......」
重要ねぇ...初陣とかかな?俺まだ五歳だけど。父さんも八歳ぐらいだったみたいだし、可能性としてはあり得そう。
「なんにせよ直接聞けばいいか」
そう呟き俺は部屋の扉を開けた。
「来たか」
俺が部屋に入ると、父さんと母さんが二人揃って座って待っていた。
「来たよ。それで大事な話みたいだけど、どんな内容なの?」
「ん?まあ、とりあえず座れ。まだ来ていない者もいるからな」
「わかったよ」
俺は父さんにそう言われ座布団に座った。
あと、美雪もなんか俺について入ってきたけど、父さんと母さんは何も言わないから問題ない。多分。お茶入れてるしね。
「若様、お茶が入りました」
「ありがとう」
そうして、俺は父さんが言っていたまだ来ていない人を待ちながら、のんびりお茶とお茶請けを食べて待つことにした。
________________________________________________________
あれから待つこと二十分程、人の気配を感じて探ってみると大人一人に子供一人、ようやく待っていた人が来たらしい。
そう思いお茶を啜ると、ちょうど扉が開き二人が入ってきた。
大人の方は女性で、父さんや母さんと同じぐらいの歳かな?んで、子供...幼女の方は俺と同じぐらいの歳。ちなみに母親の方は美人だし、娘の方も美幼女?だ。
「蓮也様。遅れてしまい申し訳ありません」
「構わん。昨夜着いたばかりだというのに、楽に休みも取らせず此方こそ悪いな」
「いえ、そのような事は...」
なんか堅苦しいこと話してんな。
「それで父さん。その人たちが来たら話を始めるんじゃないの?」
なんか、このままだとお互いに謝り倒す事になりそうなので横槍を入れる。
「あ、ああ、そうだな。そうしよう」
父さんはそう言うと、立っていた二人に座るよう促した。
二人が座り、美雪がお茶を出して雰囲気が落ち着くと、父さんが居住まいを正して話し始めた。
「さて、今日は二つ話すことがある。一つは蒼夜が疑問に思っているであろう二人のこと。もう一つは蒼夜自身のことだ」
_______________________________________________________
ちな、霊宝などは三種の神器のように剣などの武器の形をしたものもあれば、勾玉のような装飾品の形をしたもの、鏡のような一般生活で使うような形のものまで多種多様です(今作で今後出てくるかは知らん)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます