武勇伝2

「悪いな。俺は強盗を捕まえに来たんでね。君たちを捕まえるよ」

そして俺は木剣を構えた。

「黙れガキが。こっちも遊びじゃねぇんだよ。

あっち行ってろ」

そう言っても俺が引かないのを見て、彼は剣を使う男と魔法使いの女に指示を出した。

「このガキを黙らせろ。殺さなくていい。怪我も負わす必要はねぇ。時間の無駄だからな。」

そう言って剣使いの男と魔法使いの女は俺に向かう。そして俺は剣を持ち出した。

「ガキが、引っ込んでろよー」

剣使いの男がなにか言ってきたが、関係ない。俺は身体魔法を唱える。

「パワー」

 そして俺は剣使いの男と剣をぶつける。


そして俺は━━相手の剣を弾き飛ばした。

相手が驚愕で目を見開いている。そうだろうそうだろう。俺のずっと鍛えてきたパワーの技を初めて味わったのはお前だよ。とは言わずに、今度は剣を失った男に向かって、グーパンチで殴りつける。そして、男は倒れた。


魔法使いの女が焦りながらも魔法を唱える。

「ファイヤーボール」

彼女はそう言い、杖を向けてくる。その火の大きさが、この魔法使いは強いと、ただそれだけを俺に伝えてくる。だが俺は信じている。パワー魔法が強いのであると。

だが俺は、ファイヤーボールに向かってグーパンチをし━━━━ファイヤーボールを打ち消した。


驚いた魔法使いに素早く近づき、手刀をして意識を途絶えさせた。

指揮官が俺を見る。そして懐から剣を取り出し、俺に向き直る。

「お主は子供のくせにやりよるな。だが我には勝てぬだろう。」そう言って俺に向き合う指揮官は、俺に敬意を払いながらも、自分の強さを誇り、そして自分が強いことを理解しているのだとわかる。 そう、この指揮官は今倒した二人より強いと、俺の本能が感じている。

「悪いけど、負けるつもりはないよ。」

そう言って、俺は駆け出した。



━━先手必勝である。俺は、この指揮官の剣に向かって剣を振り下ろす。すごいスピードで下ろした。もし、生身だったら死んでしまうだろう。

だが、だがこいつは、俺のパワーの身体能力で振り下ろされる剣を避けた。力を込めているため振り下ろすスピードはとてつもなく速いはずなのだ。そして、俺は理解する。こいつは俺の力を理解し、その上で避けたのだと。そして、この機動力。

ここまでの瞬発力とは。

地面に亀裂ができる。俺のパワーの力で剣が地面に埋め込んでしまったのだ。パワーのデメリットが現れた!やばい。


━━だが、そんなのは関係ない。俺にとっての重要なことは、武勇伝をつくることなのだ。それ以外のことは、今の自分にとって、必要のないことなのだ。全てはモテ王のために。


彼は俺に殴りかかってきた。彼が俺を殺さないためだろう。彼は、はじめからそうだった。俺をガキ呼ばわりしながらも、怪我をさせる必要もないと言った。父親や母親の話だと強盗しながらも人殺しなどはしておらず、家に入って金を奪ったり、金を奪うために恐喝をしたりしていたらしい。

もちろんそんなことはだめだ。犯罪はいけないよ。でも、指揮官くん。君は優しいんだね。

悪いやつじゃあないよ。だけどね。

 

 君は俺の武勇伝の1ページに過ぎないんだよ。


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