武勇伝1
━━武勇伝。
英雄には、英雄のエピソードといったものが存在する。これは元いた世界でもそうだ。
偉人は幼い頃にとてつもない事をしていたり、型破りなことをしていたりする。
俺も最強のモテ王になるために、武勇伝が必要だと考えた。英雄は、英雄として存在してこそ英雄なのだ。よって、モテ王は、モテ王エピを作るべきなのだ。
まぁ、7歳児がモテエピソードは作れるはずもなく、でもまぁ武勇伝は作れる。ってことで俺は武勇伝を作るために盗賊狩りをすることにした。
━━父親と母親から話を聞い深夜。
俺はこっそり部屋を出て、庭から抜け出す。
父親と母親は寝ていたため、バレずに済んだ。
そして俺は庭を出て歩き続け、住宅街に出た。
ここのどこかに盗賊が現れたらしい。
まぁ盗賊はここには現れないだろう。一度金を奪ってそしてその場所で金を奪いに来ることは間抜けすぎる。
ってことで俺はここから少し離れた住宅街に出た。
今日は無理でも、毎日張り込めばいつかは会えるだろう。ここは盗賊が現れてない地域だから。
俺は歩き続けることにした。
━━どれくらい時間がたっただろうか。
暗闇がもうすぐ開けそうだ。もう帰ったほうがいいかもしれない。そう思っていると3人組が家の前にいた。一人が剣を持っている男で、もう一人が魔法使いの女、そして指揮をする男といった感じだった。不審だ。
まぁ今4時前くらいだからな。
もう人はいるだろう。でも流石に不審すぎないか。
と思っていると、一人が剣を構え、もう一人が杖を構え、家に入ろうとしていた。
この家の人かもしれないが、流石におかしい。武装して入るなんてありえない。一応声をかけてみる。
「お、おい。何してるんだ。」
一応家の人かもしれないので、下から目線で話しかけてみた。
すると指揮官らしき男が俺に反応した。
「なんだよ、ガキ。別に関係ねぇだろ」
「関係ないのはもちろん承知だ。出過ぎた真似かもしれない。でも武装してるのが気になってね。
」
「いちいちうるせぇなぁ。お前が口を挟んでくると本来稼げるものが稼げねぇんだよ。あっち行ってろ」
彼は直接は言わなかったが、自分が強盗であると認めた。
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