第56話 姉と弟。
ベッドは
正常位の姉ちゃんは目じりに涙を浮かべて両腕を頭の上に上げて枕を必死に掴んでいる。
腰を打ち付ける度に姉ちゃんの胸は波打ち、甘い声を漏らす。
「タクッ♡ イきそう……だからッ♡」
「いいよ……姉ちゃん」
感じている姉ちゃんを見ていると不思議な気持ちになる。
男としてどうしようもない興奮と共に、愛おしさが込み上げてくる。
いつも優しくて綺麗な姉ちゃんが、今はただ淫らで甘い声を堪えて締め付けてくる。
非日常的な空間にでもいるようで、ある種の夢であると言われれば信じてしまいそうになる。
けれども確かに感じる姉ちゃんの熱が夢ではないと感じさせてくれる。
「イッ♡♡」
奥でさらに締め付けてくる肉壁に思わず俺までイきそうになった。
挿入したまま姉ちゃんに覆い被さるようにしてキスをした。
姉ちゃんも俺の首に手を回して舌を絡ませた。
その間も痙攣はしていて、動いてないのに締め付けはむしろ増している気すらする。
「はぁ♡……はぁ♡……はぁ♡……」
息も続かなくなって、お互いに唇を離した。
それでも熱を欲する故か、おでこと鼻先は縋るように擦り付けていた。
鼻先のくすぐったさに思わず笑みがこぼれた。
肌を重ねるという表現はこうして初めて意味を持つのだと実感した。
「姉ちゃん、今度は姉ちゃんが上になって」
「うん」
1度姉ちゃんから引き抜いて俺が仰向けになった。
姉ちゃんはぎこちなくも俺の下半身に
ゆっくりと吸い込まれていくのが見えた。
姉ちゃんが俺の下腹部に手を置いて腰を動かしていく。
「奥まで……
ゆっくり動いてる姉ちゃんとは対象的に胸は上下に揺れている。
動く度に揺れる胸はなんともいやらしく、本能に直接問いかけてくるようだった。
「んんっ♡」
その揺れる胸に手を伸ばして揉んでいく。
やわらかくてあたたかい。
動くのも少し慣れてきたのか、姉ちゃんはリズムよく腰を動かしていく。
快楽に抗うことなく腰を振る姉ちゃん。
少し前までは、こうなるなんて思わなかった。
思えなかったという方がおそらく正しいか。
夢ではあって、そうなりたいとずっと思っていた気持ちをひた隠しにしてきた。
「姉ちゃん、俺もうイきそう」
「わ、わたしも♡」
そう言って姉ちゃんは俺の手を握った。
恋人繋ぎのように指と指の間に絡ませていくのはきっと繋がりを離したくないからなのだろう。
姉ちゃんの締め付けと連携して繋がれた手には力が込められていく。
「ッッツ♡♡」
姉ちゃんに搾り取られるような痙攣で俺も果てた。
姉ちゃんは力が抜けたのか荒く息をしながら俺の胸にへたりこんだ。
敏感になってしまっている今の俺には姉ちゃんの細かな痙攣すら過敏に反応してしまう。
それでも姉ちゃんを抱き締めて頭を撫でた。
どうしようもなく愛おしい。
季節は冬で、未だに寒いはずなのにとてつもなく熱くて全身には疲労感が広がり心地よかった。
そのままとけて死ねたらいいな、なんて思ったりもした。
「タク……♡」
名前を呼ばれ、俺の両の頬を手のひらで触れてキスをした。
今までのキスの中でも最も姉ちゃんからの激しいキスだった。
「もうちょっと、このまま……」
「ああ」
繋がったまま、姉ちゃんは俺の胸に顔をうずめて呼吸をした。
快楽とはまた別のやすらぎに思わず目を閉じた。
そうして俺と姉ちゃんはまどろみの中へととけていった。
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