第55話 脱力。

 濡れた瞳はいやらしくも優しげの姉ちゃん。

 今度はしっかりと起きている。

 ようやっと姉ちゃんとの初めてが始められる。


「ゴム、付けるから」

「うん」


 何食わぬ顔して買ったコンドームも姉ちゃんとのこの日の為。

 脱ぎかけの服を全部脱ぎ捨てて、コンドームを装着しようと封を切った。


「タク、わたしが付けてみてもいい?」

「ん? ……ああ。うん」


 ベッドで四つん這いで近寄ってきた姉ちゃんに股間を凝視されるのは流石に恥ずかしくなりつつも姉ちゃんにコンドームを手渡した。


「……このまま付けていいの?」

「いや、ここをこうしてから」


 ぎこちない手つきでコンドームを付けていく姉ちゃん。

 薄いゴム越しに触れられている姉ちゃんの指先が焦らされているような気持ちになる。

 巻かれていたゴムが少しずつ被さっていく。


「……ま、前にも思ったけど、本当にこれ……挿入はいるの?」

「姉ちゃん次第?」


 避妊具着用での初めてである為、ローションも持ってきた。

 姉ちゃんには痛い思いをあまりしてほしくない。

 しかし姉ちゃんとシたい。


 男の本能から言えば、避妊具なんか無しの方がいいだろう。そっちの方が気持ちいいとも聞くし、本来はローションなんて必要ないように性器は出来ている。


 けれど、今の俺と姉ちゃんにはなんとしても避妊しなければならないのである。

 後先考えない行為は姉ちゃんと一緒に居られなくなる事を意味していると言ってもいい。


「姉ちゃん、股開いて」

「……は、恥ずかしいぃ……」


 一糸まとわぬ姿の姉ちゃんは恥ずかしがりながらも股を開いた。

 挿入するにしても、姉ちゃんの方をまずほぐさないといけないだろう。たぶん。


「冷たっ」

「我慢して姉ちゃん」


 ローションを自分の手に垂らし、その手で姉ちゃんの秘部に触れた。

 姉ちゃんといつヤれてもいいようにとこまめに爪切りをしていてよかったと改めて思いつつ指先を進めていく。


 既に1度絶頂を迎えていたからか、人差し指はゆっくりと入れていったがわりとすんなりと入った。

 人差し指全体を肉の壁が締め付けていく。


「姉ちゃんは普段、自分でシたりするの?」

「した事、なくて……。でもこの間、タクに触れられてから、少しだけ……」


 姉ちゃんが自分でシているのを想像して興奮した。

 ぎこちなくも感じる部分を擦る姉ちゃん。

 姉ちゃんの性知識はあまりないわけだが、中卒で働く事になって毎日必死で仕事をしているわけで、そんな知識を身につけるような時間なんて今まではなかった。


 俺が高校生になるまでは掛け持ちで短期バイトもしていたのだ。

 20歳の女性でそんなうぶな人がいるのかと言われると嘘みたいな話に聞こえるだろうが、今までの俺たちの生活はそれだけ厳しかった。

 箱入り娘でもなんでもなくて、ただ姉弟としての生活を守るだけで必死だった。


「あっ♡」


 人差し指から次は中指と薬指の2本で姉ちゃんのうねる肉壁をまさぐっていると不意に姉ちゃんが声を漏らした。

 おそらく姉ちゃんの弱い部分なのだろう。


 ほぐすだけのはずだったし、コンドームだってもう付けていて今すぐにでも挿入したいのに、目の前の姉ちゃんの反応がなんともいやらしい。

 ローションと姉ちゃんの蜜が混ざり卑猥な音が跳ねていく。


「タク……イっちゃッ♡ ッッ♡」


 俺は自分の指紋で擦るように姉ちゃんのその弱い部分をひたすらに攻めていく。

 開いていたはずの股も無意識か内股で俺の腕を挟んでいる。

 姉ちゃんの足先や指先がうねるように動く様は快感から逃れようとしている様に見えた。


「イッッ♡」


 再び大きく痙攣する姉ちゃん。

 快感に襲われている姉ちゃんはどこか切なそうにも見えた。

 未だ入ったままの指先からはダイレクトと肉壁のひきつけを感じていた。

 ほんの少し指先を動かしただけで痙攣はより一層強くなっていく。


「待って……♡ 今、凄く敏感だから……はぁ♡はぁ♡」


 ぐったりと股を開いた姉ちゃんは全身が脱力していて、それでも痙攣は続いていく。

 絶頂の余韻が全身に広がっているのだろう。

 少し落ち着いた姉ちゃんから指先を引き抜くと、ローションと蜜が合わさった泡状の蜜がワレメからどろりと垂れていった。

 それの泡状になった液体がまた艶めかしく、俺は遂に我慢できなくなった。


 先端をワレメに宛がって、姉ちゃんを見た。

 肩で息をしている姉ちゃんは微笑みを浮かべていた。


「いいよ」

「挿入るよ、姉ちゃん」


 とろとろになったワレメはすんなりと受け入れた。

 それでも少しずつゆっくり腰を押し付けるようにして進む。

 薄いゴム越しに肉壁を進んでいく感覚だけでもイきそうになる。

 熱くてやわらかく、絡みつくような肉壁は姉ちゃんが息をする度に締め付けてくる。


「あッ♡」

「姉ちゃん、全部挿入ったよ」

「……う、うん♡」


 先端が姉ちゃんの敏感で弱い部分に当たっているらしく、姉ちゃんの奥の方がまた痙攣した。


「ゆっくり動くから」

「優しく……してね♡」


 姉ちゃんのとろけた笑顔は妙にそそるものがあった。

 これから姉ちゃんの顔はどんな風に淫らになるのだろうか。

 そう思いながら俺は姉ちゃんの腰に手を当てた。

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