閑話 〜この物語を正統派学園ラブコメだと信じていた時期がある〜


 世界夏休みが終わったあの日、少年少女は気づいてしまった。


 ──この世に永遠なんてないのだと。


 それと同時に、


 ──大人なんかになってたまるか。


 と、切に思った。


 あの頃はまだ……大人になりたくなかったんだよ。



 でも──世界の終わりに絶望したあの日から、たくさんのかけがえない経験をした。


 素晴らしい出会いが、いつの間にか臆病になっていた自分を変えてくれたんだ。



 物事をどこから見るか──大事なのはこれだったんだ!!


 たとえ辛くて苦しいことがあったとしても──それをどう捉えるかによって見える世界は大きく変わるんだ!!



 ──負けたのは勝負したからであって、失敗したのは挑戦したから。


 ──終わったのは始まったからであって、別れたのは出会ったから。


 ──今が苦しいのは楽しかったからであって、辛いのは幸せだったから。



 この世の全ては表裏一体──何も難しいことはないよ!


 凶悪犯罪を犯す人でなしだって、純粋無垢な子供の頃がある。


 光あるところには闇があり、勝者の影には常に敗者がいる。


 何かをその手で勝ち取るということは、他者を蹴落とすということ。


 ──そして。


 高みにのぼるということは──誰かを下敷きにするということ。



 そう考えれば──今の状況だって全く違うものになるんだ。



「今回のテスト、お前が最下位なのに……なんでそんな笑顔なんだ? ……大丈夫か?」



 クラスメイトが見守る中、怪訝な顔をした女教師の問いかけに屈することなく──は胸を張って答えた。


「あたしはみんなのために最下位になっているので大丈夫です!」


「──大至急、白崎を呼んでこい。その思考回路はヤツの仕業だ……!」



──金髪天然美少女はすっかり男に染められていた。




※近況ノートを要チェック!

https://kakuyomu.jp/users/Tottotto7/news/16818093077983672982


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