第2話
その生物は長い爪で引っ掛けるようにして家の屋根を外す。中の人間は逃げ惑う暇もなく、摘み上げられ、箱へと運ばれた。
「また無理矢理」
「ここに来たときみたい」
「次はどこに」
彼らが口々に発する声は姿と同様に生物には小さすぎて、届かない。
生物は暫し考える。
こんな人間たちでも、売れば金にはなるだろう。
けれど、手間の割には得るものは少ない。
何より、せっかくの箱庭をダイナシにした、害虫みたいなものだ。だったら。
生物は箱を地面に置いて、踏み潰す。
足を上げた、そこにはひしゃげたボール紙。
じわりと赤黒い色が滲んだ。
箱庭を作る @rona_615
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