第50話 エルフ凍結開放と周囲の探索
大臣や校長との会談の後、Dの許可なども得られてDのダンジョンと近くの国道を繋げるために道路などの工事は急ピッチで行われる事になった。
富士樹海は隠れるのには最適ではあるが、その分人が入り込むにはかなり苦労する。もはや日本政府から隠れる必要がなくなった彼女たちだが、その物資搬入などの必要性から樹海の開拓、並びに拠点地の開発、道路建設などの必要性に頷かざるを得なかった。
だが、それに対してDもただ受け入れるだけではなかった。例え彼らに害はなくても、他の悪意ある勢力が紛れ込んで何らかの行動を行ってくるかもしれない。
さらに周囲のダンジョンの探索・偵察なども行う必要がある、と判断したDは今度は「エルフ族」を凍結開放したのだ。
凍結開放されたエルフたちは、さっそく樹海の探索を開始。そして残っている迷宮を次々と発見してきたのである。(エルフは森林限定ならこの世界の修正力に対抗して普通に外界で行動を行うことができるという特性を持つ)
「……というわけで、これが我々が発見してきた周辺ダンジョンです。特にここ。もっとも近いダンジョンを威力偵察してきましたが、地上と大差がないほどの極めて巨大なダンジョンと、そこをウロウロする巨人族たちが発見されました。あそこを攻略するのは骨が折れるかと……。」
「ハッ、所詮ナヨナヨのエルフごときではそれぐらいが限度じゃろうな。まあわざわざ潜ってきたのは褒めてやらんでもないが。」
な、なんだとー!!と怒り狂うエルフに対して、瑞樹はまぁまぁ……と抑えに入る。エルフ族とドワーフ族が仲が悪いのはやはりどこであっても同じらしい。
エルフ族は開拓されていない樹海内部で拠点警戒用に拠点を築いてDのダンジョンに不審者が近寄らないように警戒を行うらしい。
ただでさえこれからどんどん人間たちがDのダンジョンへと流れ込んでくる以上、それに対する対策も必要である、とDもエルフたちも判断したのだ。
「ごほん。ともあれ……。あの巨大なダンジョンの前では我々など虫けら以下です。できれば隠密でこっそりと侵入する必要がありますが……。もし対抗するためには大火力や強力な力が必要だと思います。まあ、シュオール様によって強化された今の状態なら問題はないと思いますが……。」
それを聞きながら、詩音はふむ、と顎に手を当てながら考え込んで言葉を放つ。
「分かった。では私も同行しよう。生徒を守るのは先生の役割だからな。ちょうどいいだろう。」
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