第48話 さらなる戦力強化。

 だが、これだけでは巨人族のダンジョンに対して不安を覚えたシュオールは、腕を組みながら、尻尾を振って考えこみながら言葉を放った。


「ふむ……。これだけではアレなのでそちらのドローン型ゴーレムにも強化してやろうか?私の鱗ではないが、知り合いの空竜の鱗が相性が良いからそちらの入れてやろうかのぅ。」


 そう言いながら、彼女は自らの漆黒の鱗ではなく、純白の鱗をドローン型ゴーレムの内部へと差し込んで魔力回路をドローン型ゴーレムの内部と接続する。その鱗の力により、ドローンも多脚戦車と同様に音を立てながら物理法則を無視した変形を行い、純白の小型化したワイバーンへと姿を変える。純白でありながら、同時に機械要素を持った元ドローンのワイバーンは物理法則を無視して高速で飛翔したりホバリンクを行ったりしながら、


「ふむ、うまくいったようじゃな。戦闘能力は向上、飛行速度も向上しているから悪くはなかろうて。もちろんドローンの偵察性能やらも装備しているぞ。」


ワイバーン化してもドローンとしての性能はなくなるところか、さらに増しておりホバリング能力や偵察能力なども今のまま完備している。さらに小型とはいえ、ワイバーンとしての攻撃能力に加え、高速飛行性能も獲得し、今までよりも強くなったといえる。やはり攻撃力は多脚戦車ほどではない。攻撃力を増幅させるために体を巨大化させれば、ダンジョン内の探索もできなくなり、ワイバーンのままでは外の偵察ではできなくなってしまう。あくまでも偵察用である事は忘れてはならない。


「さて、どうせついでじゃし……。魔狼にも妾の魔力と鱗を叩き込んで魔巨狼へと変化させておくか……。ほら、おとなしくせい。全く、D様の相棒じゃなかったら妾もここまでせんのじゃからな。」


ぶつぶつ言いながら、シュオールは瑞樹の近くでごろごろしていた魔狼を抱きかかえると、いやいやと言わんばかりに身もだえしている魔狼に半ば無理矢理体内に鱗を差し込んでいく。

離れろーと言わんばかりに魔狼の肉球を押し付けながらシュオールは眉をしかめながら言葉を放つ。


「とりあえず多脚戦車の竜変化状態と同様に、巨大化……巨狼化させて敵と戦わせることはできるが、その分だけ小回りはきかなくなるし、お主を守る役目は果たすのが難しくなる。まあ使い所を考えることじゃな。」


でっかいもふもふ……でっかいもふもふ……そのまま飛び込みたいなぁ……。と余計な事を考えていた瑞樹は話聞いてるのか、とシュオールにこつんと頭を叩かれた。

全く、こいつはもっと人の話を聞いた方がいい、と先生である詩音も深くうんうん、と頷いている中、瑞樹は思わず解せぬ、と心の中で呟いた。

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