第2話 成長

今は確か4歳だったはず…。

この世界で、俺の名前はレオ。

苗字はルダノワーセだ。



俺はこれからレオ・ルダノワーセとして生きていく。




子供の脳は凄いと思ったことがある。


一歳になる頃には会話できる程に言語を理解していた。


運がいいことに、俺の母親は文学の才がある人らしく、しっかりとした本がかなり多くあった。

そのおかげで言語は簡単に習得した。


最初は意味のわからない言葉だったが、脳みそを空っぽにして赤子のように、

「これは〇〇だよ〜」

みたいな言葉を聞いていたら少しずつわかるようになっていった。



両親からは、天から授かった才があるのではないか…?

みたいなことを言われた。


正直、以前の世界では俺は頭が悪い部類の人間だったからか、とても嬉しかった。





時が流れるのは早いもので、いつの間にか僕は6歳になっていた。


この世界では男児は7歳になるまでに魔法の道を目指すか剣の道を目指すか決めなければならないらしい。

6歳ぐらいには考え始める時期だ。

受験みたいな感覚。



魔法に関しては、母親が魔術師だったおかげで多くの魔導書で学んだし、誰にも見せていないがかなり使える……はず。


剣は…最初はちゃんと練習していた…んだけど、今は3日に一度くらいの頻度でしかしていない。



別に完全に秘密にしていたいというわけではないが魔法でも剣でも同じで7歳前後から練習するものだそうだ。早くても5歳くらい。


3歳の時点で魔導書読み漁って魔法の練習を隠れてしていたし、剣の練習もしていた。剣の練習と言っても簡単な素振りとプラスアルファで筋トレぐらい。


小さい頃から筋トレばかりすると身長が伸びなくなるっていうのは本当なのかわからないので筋トレはほどほどにしている。


この人生で高身長イケメンになりたいものだ。



「レオ、お前はどうする?剣の道を進みたいなら俺が稽古をする。魔法の道に進みたいならアレイナに色々教えてもらうことになるぞ。」


アレイナとは母親のことだ。

冒険者時代は魔術師として活躍していて国全体で知名度があるようだ。

とても頭が良い人で、現在は小さめの学校の教師をしている。


父親の名前はセイオル。

昔は国の精鋭騎士をしていて、この街では有名な剣士だ。

数人弟子をとっているらしい。




最終的に僕が決めたのは…


「剣にします。」


「そう来なくっちゃ!」


父は喜んだが、母は不満げな顔をしていた。





7歳になった。


「流石俺の息子だな!剣の上達度が俺の弟子とは比にならないくらい凄いぞ!」


安心して剣士として育てられる…みたいな顔をする父に対して母はいつものように不満げな顔をしていた。






しかし、そんな楽しい日々も長くは続かない。

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