ドラゴニクス・レポート

 伝達係へ告ぐ。先の戦闘で得た情報を文書をまとめた。

 早急にこの文書をフェルディナンド様をはじめ、各幹部へ届けよ。


〇ミナミ・ケイスケ 性別:男

 フェルディナンド様のご報告と違い、白金色ではなく水色のオーラを纏っていた。また、強さもフェルディナンド様が仰っていたよりも明らかに弱い。しかし、ドラゴニクスが敵う相手ではない。少なく見積もって幹部4位と同等の力はある。


 戦闘中、7つの武器から力を受け取っていた。あの武器の力で変身したと考えられる。武器の輝きは水色。フェルディナンド様からご報告があった武器とは種類も違っていた。


 以上のことから、現在ミナミ・ケイスケはなんらかかの弱体化していると考える。おそらく、フェルディナンド様が破壊したことにより、元々使っていた武器が使えなくなっている。


 殺すなら今が最善。それも寝込みや不意打ちなど、生身の状態を狙うべし。武器から力を受け取った状態―――仮に変身状態とする―――を殺すのはを小国を落とすよりも困難。最悪、返り討ちにされる。


 ただ、殺意はほぼ無く、最低限の自衛を行っている。例えこちらを殺せるとしても、彼は殺さない。


 しかし、完全に殺意がないわけではない。いざとなれば、ためらいなく殺しにくると考えらえる。


 警戒すべき人物である。



〇神 性別:メスの確率80%

      オスの確率15%

      何か別の物5%、


 存在は気配で感じ取れたものの、視認は出来ず。しかし、ミナミ・ケースケ、カノン・チャタレーと同行している可能性が高い。彼らを追えば、いずれ会うことができると考える。


 存在感は強く、おそらく本気の戦闘力は幹部1位を超える。戦闘になる際は、複数の幹部を揃え、入念な計画と的確なコンビネーションが必要である。


 謎大き人物ゆえ、下手に刺激しない方が良い。


 こちらも警戒すべき人物である。


〇カノン・チャタレー 性別:女

 種族を超えて通ずる美を持つ。

 

 が、それよりも凄いのは声とその声から奏でられる歌。


 一度生で聞けば、虜になってしまうほど素晴らしい歌である。芸を嗜むものであれば、誰しもが心を奪われてしまう。


 僭越ながら、フェルディナンド様の心にも届いてしまう、と考えられる。


 それほどまでに、彼女の歌は素晴らしい。


 おそらくそれは、技術や声質の良さだけでなく、特異能力のよるものではないかと考える。


 この3つの存在の中で一番警戒すべきは、カノン・チャタレーである。


 今まで相対したことのない人物であり、再び相手をしても心を奪われる可能性が高い。少なくとも、彼女に刃を向けることへの躊躇いの気持ちがある。



 カノン・チャタレーへの対策は1つ。



 彼女の歌を聴く前に、殺害することである。


 

 もしフェルディナンド様が人類との和解を一切望まないのであれば、どんな手を使っても、早急にカノン・チャタレーを殺すことを進言する。

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