夢か現か
ひとつ、面白い話をしよう。
ある夜、僕はいつものように眠りについた。程なくして目を覚ました。病室のベッドで眠っていたはずなのに、なぜか実家のベッドの上にいた。風呂上がりの母に、
「帰ってきたん?」
と声をかけられ、ここが現実だと知る。僕は好きなバンドの曲を聴いたり、飼い猫をなでたりと久しぶりの実家暮らしを満喫した。
しばらく実家で過ごしていると、病室のベッドの上で目を覚ます。そうか、あれは夢だったのか。重い身体をなんとか起こし、部屋を見回す。すると、何かがおかしいということに気づく。病室のドアは二つもなかったし、物干し台には男物の洋服類が干されていた。
これは夢だ。いや、現実だ。ナースコールを押すと、僕ではない誰かの名前が呼ばれた。
そこでまた目を覚ます。また病室のベッドの上にいた。身体を起こし、辺りを見回す。今度は僕のよく知るいつもの病室だった。
……果たして、これは現実なのだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます