1086 真菜ちゃんの倉津君に対するイメージ

 眞子が考えた新しい歴史の勉強の仕方。

倉津君も頑張って、それを実践してみるのだが……果たして、その結果は?


***


 ……45分後『ジリリリリ!!』っと言う、けたたましい目覚ましの音が鳴り。

本来ならテスト終了の時間を知らせるものなんだけど。

テスト終了の時刻処か、実際は、既にテストの答え合わせすらも終わってる。


そんで、今日の真琴ちゃんのテストの結果なんだけど。


『81点』


あの短時間で憶えたにしては上等な出来栄えです♪


……でも当然、残念な事に満点じゃなかっただけに、そこの修正はキッチリとして置かないとね。


まぁ……それも5分位で終わるんだけどね。


さてさて、その修正モサクッと終わった事だし。

今日、これ以上一気に暗記を詰め込んでも仕方が無いので、本日の真琴ちゃんの勉強は、これにて終了なんだけど。


次は、真菜ちゃんの番だね。


……なんて思っていたら。



「兄様、姉様。御邪魔して宜しいでしょうか?」


……っと、障子の向こうから、なんとも愛らしい声の真菜ちゃんが声を掛けて来た。


これはまた、計った様なナイスなタイミングですね♪



「おぉ、真菜か。入れ入れ」

「では、御邪魔しますね」


此処で、障子を開けて愛しの真菜ちゃんが登場。

教科書を両手で抱えて、少し照れた感じが、なんとも可愛い。


そんな真菜ちゃんが、真琴ちゃんの部屋に入ってきて。

他にも席が沢山開いているのにも関わらず、私の横にチョコンと座ってくれるたりする。


ぬぬぬ……ヤッパリ、私の妹は世界で一番可愛いですね♪



「オイオイ、真菜。そんな狭ッ苦しい所に入らずに、席なら開いてるんだから、もっと広い席に座れば良いじゃんかよ」

「……良いんです。兄様には関係ありません」


あらら。

良かれと思って言った言葉なだけに……なんだか真琴ちゃん可哀想。


あぁ、でも、こう言うのも女の子特有のものだよね。

お父さんや、男兄弟に対して気恥ずかしい思いがあるのかして、ついつい素っ気無くも邪険な態度を取っちゃったりしちゃう。


今の私になら……なぁ~~んとなくだけど、その気持ちが解る様な気がする。


まぁただ私の場合は、例えそう思ったとしても、そう言うの、なにも気にしないけどね。

寧ろ、そこを上手く利用してると言う節も結構あるし。



「そんな事より兄様。眞子御姉様に、ご迷惑ばかり掛けてるのでは有りませんか?」

「へっ?……いや、まぁ、勉強を見て貰ってる時点で迷惑は掛けてるなぁ」


あれ?そんなの別に迷惑じゃないんだけどなぁ。

まぁ確かに、受験勉強を見てるだけに面倒な部分がないかと聞かれれば、面倒な部分が無い訳ではないけど。

実際の話、他のクラスメイトの勉強を見てるのと同じだから、面倒を感じてるとしても、その延長線上にある程度の事。


特に気にしてる訳じゃないんだけどなぁ。


なのに真菜ちゃんは、なんで、そんな事を思うんだろうね?



「ふぅ、矢張り、そうでしたか。なら少しは姉様に負担が掛からない様に、もっと自主的に、ご自分で勉強なさって如何なのですか?前以て解らない所だけを纏めて置き、そこを重点的に教えて頂く方式を取られた方が、より効率的だと思いますが、如何でしょうか?」

「あぁ、いや、俺も、一応は、そうやってはいるつもりなんだがな」

「ふぅ……また一応ですか?兄様は、いつもそうやって『一応』だから良くないんです。もっと自主性を持って、その、なんでも人に頼ろうとする癖を早く直して下さいな」

「あぁ、いや……すまん」


あらららら、今頑張ってるとは言え。

どうしても過去の不良のイメージが抜けきらない真琴ちゃんに対しては、こんな風に辛辣な態度に成っちゃうんだね。

しかも、そこに勉強が出来なかったイメージも踏まえてるみたいだから、真菜ちゃんが、こう言う態度に成ってしまっている様子。


だったら此処で私が取るべき行動は1つ!!

キッチリと真菜ちゃんの誤解を解き。

『兄の威厳』って奴を、真琴ちゃんに取り戻させてあげなきゃいけない場面。


折角頑張ってるのに、幾らなんでも、これはあんまりだしね。

なにより、真琴ちゃんのヤル気が削げちゃう可能性もある。



「まぁまぁ、真菜ちゃん、そう言ってあげないで」

「御姉様……」

「うぅんっとね。真琴ちゃんはね。今、勉強を頑張ってる最中だから、どうしても聞く所が増えてしまうのは仕方の無い事なんだよ。例えそれを事前にやっていたとしても、矢張り、そう簡単に疑問は減るもんじゃないし、逆に言えば前以てやってるからこそ、疑問が増える可能性すらある。結局の所、こう言うものは徐々に学んで減らしていくものだからね」

「あぁ……そうですね。確かに御姉様の言われる通り、疑問点と言うのは一気に減らせれるものではありませんもんね」

「でしょ。じゃあ、真菜ちゃんが納得してくれた所で、この話はお仕舞いね。……さてさて真菜ちゃん、次は真菜ちゃんの解らない所を、私に教えて貰って良いかな?」

「はい、宜しくお願いします」


そう言って、真菜ちゃんが出してきたのは『数学』の教科書。


あぁそっかぁ。

そう言えば真菜ちゃんって、真琴ちゃんと真逆で、何故か数学だけが不得意な教科だったね。


そっか、そっか。


それにしても数学かぁ。

だったら此処は1つ、数学が得意な真琴ちゃんに、真菜ちゃんの勉強を教えさせてみようかなぁ。


それもまた『兄の威厳』を取り戻させる、良い機会に繋がるかも知れないもんね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


元々倉津君自身が『テストの平均で60点』ぐらいは取れるようになっていたので。

此処は、かなり効率良く眞子が教える勉強の仕方をマスターしていってるみたいですね♪


えぇこっちゃ、えぇこっちゃです。


ただまぁ、それを知らない真菜ちゃんにしたら。

倉津君が眞子に迷惑を掛けてるとしか思えないのかして、辛辣な態度を取り続けている。


それ故に、そのイメージを払拭させるべく。

眞子が何やら思い付いた様なのですが……一体、何をする気なのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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