1085 勉強の仕方のアップデート

 真菜ちゃんに『お姉様』と呼ばれ、浮かれ気分で倉津君の元に行く。

倉津君の受験勉強をさっさと終わらせて、真菜ちゃんの勉強を見ようとして眞子だったが。

そんな眞子の態度にも怒らず、眞子の意志を汲み取って優しい言葉を倉津君に投げ掛けられ。

『こんな浮かれた気分で他人の勉強を見るのは失礼』だと反省し、キッチリと倉津君の勉強を見る事にした。


***


 ……さて、そうやって気を取り直して始めた歴史の勉強なんだけど。

今回は、今言った通り『歴史の憶え方Ver-UPの仕方』をお教えしますね。


では、まず、前回までの歴史の憶え方のお浚い。


前回までの勉強方法はどうだったか?って言うと。

まずは、興味の有る歴史小説を読んだり、ゲームをしたりして。

前回までの勉強方法では、歴史に興味を持つ事からスタートしたよね。


まぁ基本的にはね。

このまま、同じやり方を続行しても良いんだけど。

このやり方って見ての通り……結構、労力と、時間が掛かる。


なので、此処で一気に時間短縮を図ろうと思います。


……では、どうやるか?って話なんだけど。

此処で初めて、今まで一度も使わなかった『学校の教科書』を使います。

まぁこれだけじゃあ、流石に、なんの事かサッパリ解らないと思うんだけど、なんて事は無い。


学校で使われる教科書が、なんで、あれ程『ツマラナク歴史の内容を単略されてるか』って話を考えれば、自ずと、その答えは出てくる。


それが何かって言うと。

実は、学校の教科書って『憶える事を最小限に留めて制作されたもの』


それ故に、ドラマ性が無くて面白味も感じられない様な代物になってる訳。


……でも、これを逆手に取って考えれば

『誰にでも簡単に憶えられる程度の物しか、教科書には乗ってない』って事にも成る訳なのよ。


じゃあ、単純な話『この誰にでも覚えられる様な内容を憶えちゃえば』受験勉強って終わりじゃない?

しかも、前にやってた勉強方法より、憶える年号が異常に少ないので。

今までのやり方をしていた者にとっちゃあ、こんなものは、容易く憶えられちゃう。


実は、此処だけの話ね。

前回までやっていた歴史小説を読むと言う勉強方法は『現国』の『読解力』や『インスピレーション』の強化を兼ねて居た部分があったんだけど。

此処からは敢えて、その現国の部分を断ち切って、暗記のみに集中させる。


早い話、今まで小説を読んで貰ってたのは、歴史に興味を持たせて、この暗記だけに集中させる為だけの布石だったって事。


どぉ?この勉強方法の理屈は解りましたかね?


まぁ、現に真琴ちゃんは、余りにも憶える事が少ないので、拍子抜けした感じでドンドンと暗記して行ってるみたいだけどね。

要するには、こんな風に『暗記が簡単だ』って思い込んじゃえば、暗記なんて、誰にでも簡単に出来ちゃうって言う暗示を掛けてるのよ。


だってさぁ、今時『語呂合わせ』で年号を憶えるのなんて、実はナンセンスの極みじゃない?

どうせそんな事をしても、長期間憶えてられる語呂合わせの年号なんて『良い国作ろう鎌倉幕府』とかさ『鳴くよ鶯平安京』ぐらいのもんでしょ。


これだけじゃあ、勉強をする意味が無いんだよね。


中学高校の歴史の勉強は、ただ同じ事を繰り返すのみな事が多いから、キッチリ1度で頭に叩き込んだ方が楽。

だから、こうやって根本的な考え方自体を変えて、正確に憶えさせた方が、ズッと効率的だし、ちゃんと記憶にも残るんだよね。


そんな1時間程の授業でした。


***


「どうだった?結構、良い感じだったんじゃない?」

「あぁ、確かになぁ。歴史の勉強って、こんなに憶える事が少ねぇんだな」

「そぉなんだよね。要は、みんな暗記って物を『多い』って考えすぎてるから、中々憶えられないだけであって。こうやって『憶えるものが少ない』って思っちゃえば、意外と簡単に記憶できちゃうもんなのよ。所詮、歴史の勉強なんて、こんなもんなんだよ」

「ハァ~~~ッ、俺にすら、そう思わせるか。まぁ、俺も現状で、そう思ってる訳だから、事実、憶える事なんて少ねぇんだろうな。しかしまぁ、オマエは、相変わらず、凄い発想するな。……これも、崇秀の受け売りか?」

「うぅん。これは、私のオリジナルだよ。難しい事を先にやって、簡単な事を後でやると、より簡単だと思えるって、人間の発想心理の基づいたやり方だね。気に入って貰えた?」


これ、結構、早く覚えられるから、勉強初心者には、かなりお薦めなやり方なんだけどね。


それに、一発目に良い成績を取れるとテンション上がるでしょ。


だから、こう言うのどうかな?



「いや、まぁ、気に入ったと言うか。最初のやり方と比べて、面白味には欠けるのは否めねぇけど。スゲェ楽では有るよな」

「そっか、そっか。そう思えるなら万事OK。たった1時間で、完全に、この勉強方法をマスターしたね」

「えっ?そうなのか?そんな簡単なものなのか?」

「うん、そうだよ。前から言ってるけどね。勉強なんて、所詮やり方の問題だけなんだよね。楽な方向を模索しながら、自分が興味を持つ方向さえ掴めれば、簡単に、なんでも出来ちゃうんだよね」

「ハァ~~~ッ、なるほどなぁ。やっぱスゲェはオマエ」

「そうかな?」


まぁまぁ、此処に行き着くまでに、私も、結構な数の試行錯誤を繰り返したからね。

この程度の勉強方法なら、色々教えてあげれると思うよ。


でもね。

本音を言えば、此処からは、行き詰ったら自分で道を開かなきゃダメだとも思うの。

なんでもそうなんだけど、他人に依存して『思考放棄』をしちゃったら、先が見えなくなってお仕舞いだからね。


だから、これからは、楽する為にも自分の力で頑張れぇ~~~♪



「じゃあ、締めに、今日の分の歴史のテストやろっか?」

「おぅ!!良い点を取ってみせるぜ!!」

「うんうん、期待してるよ♪」


……って、真琴ちゃんは簡単に言ってるけど。


実は、真琴ちゃんって凄いんだよね。

なんてったって、今日、このたった1時間の勉強で、教科書を約30ページ程暗記してるんだよね。


思ってた以上に、自分が面白いと思った事には、凄い集中力を見せる。


これは正直、驚愕した。


まぁでも……崇秀みたいに長時間の集中は無理みたいで、短期集中型ではあるんだけどね。


それでも大したもんだよ。


そう思いながら、テストスタート!!


行ってみよう!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


今回の勉強方法の意図は理解出来ましたでしょうか?

①小説やゲームで、歴史に対する興味を作り上げる、細かい部分の歴史も記憶させる。

②①をある程度出来る様に成ったら、此処で学校の教科書を投入。

③テストや受験で出題されるものが凝縮されたものが教科書なので、必要最低限、歴史の何処を憶えて置けば良いかを選別させる。

④①で記憶で記憶した膨大なデータがあるから『憶える部分が少ない』っと錯覚させる。


……っとまぁ、こんな風に仕掛けを作って暗記をさせた訳なのですが。

勿論、普通にやったら、物凄く時間のかかる作業。

それ故にご両親も『普段から勉強しなさい』っと言う言葉を言ってるのかもしれませんね。


要するに。

『様々な物に興味を持つ精神を養い』

『簡単な事を難しいと考える思考に成らず』

『如何に勉強する内容を簡略化できるか』を考えるのが、本来の勉強してるって意味に繋がるって話ですね♪


っとまぁ、そんな中。

その証明をする為に、今日、記憶した分のテストが始まる訳なのですが。

果たして倉津君は、ちゃんと記憶出来ているのか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る