1087 見事なまでに信頼度0(笑)

 倉津君の勉強を見た後に、真菜ちゃんの勉強を見る事に成ったのだが。

どうやら、その真菜ちゃんの不得意な教科が数学だった様なので、それを見た眞子がある事を企んで……


***


「……っで、何所が解らないのかな?」

「あぁっと、此処なんですが。公式は解っていても、どうしても、それじゃあ解答に上手く行き付かないんですよ」

「ふむふむ、なるほどね。真菜ちゃんの解り難い所は此処かぁ。……うんうん、比較的、誰もが引っ掛り易い数式だね」

「そうなのですか?」

「うん、そうだね。この問題ってね。普通に公式に当て嵌めてやっちゃうと、難しく考えすぎて、頭の中の計算式がゴチャゴチャしちゃうから、最終的な計算が合わなくなって来る様な問題なんだよ。……あぁ、ねぇねぇ、真琴ちゃん」

「うん?」

「因みになんだけどさぁ、この問題、真琴ちゃんなら、どう言うアプローチで計算する?」

「えっ?」


あっ……私が眞子ちゃんに話を振った事を、必要以上に真菜ちゃんが驚いてる。

この様じゃあ、真琴ちゃんの事を、相当な馬鹿だと思い込んでる可能性が高そうだね。


でも、実は、そんな事ないんだよ。

真琴ちゃんは元々数学が得意だし、計算系の問題でだけなら100%と言って良い程、解答は外さない。


だから、この機会に、少しだけお兄さんの凄い所を活目してあげて下さいな。



「へっ?なんだよ?オマエが真菜に説明するんじゃなくて、俺が答えるのか?」

「うん。そぉそぉ」

「なんでまた、そんな事を俺にさせたいんだ?」

「うん?だってさぁ、こうやって人に教えれる機会って言うのはね。滅多にない事だし、数学に対する自分の理解力を上げるチャンスでもあるからだよ」

「ほぉほぉ」

「だから真琴ちゃんなら、どういうアプローチをするのかを真菜ちゃんにも教えてあげて欲しい訳よ」

「あぁ、そうなのか?あぁじゃあ、どれだよ?……って言うか、その真菜が聞いてた問題だわな」

「そそ、そそ」


この程度の問題なら、なんの苦も無く解ける筈でしょ。

いや寧ろ、朝飯前の筈処か、問題を見た瞬間には解けてしまうんじゃないかな?


以前、これと同じ数式の問題を、あっという間に解いてたしね。



「あぁ、これなぁ。これならよぉ。代入方式を簡易にすりゃあ、簡単に解けるぞ」


ほらね。

案の定、もう問題を見た瞬間には解答に行き付いてた。



「えっ?そんな……兄様が?」

「ふふっ、真菜ちゃん。真琴ちゃんを、あんまり侮っちゃいけないよ。こう見えても真琴ちゃんは数学が得意なんだからさ」

「えっ?えっ?そうなのですか?」


うわうわ、勉強出来ない印象があるの仕方がないにしても。

あれだけ真琴ちゃんが素早く解答に行き付いた態度を取ってるって言うのに、それでも尚、信頼がないんだ。

って言うか、真琴ちゃんにドンだけ信頼がなくて、興味も無いのよ?


なんか、この真菜ちゃんの態度には、私まで妙に悲しくなってきちゃったよ。


(;´д`)トホホ



「そうだよ。数学だけで言うなら、恐らくは、何所の高校でも余裕で受かるよ」


これは、ちょっと言い過ぎな面はあるかも知れないんだけどね。

でもでも、かなり高い確率で合格するのも事実なんだよね。


但し、これは……今、私が言った通り、受験教科が数学だけに限定された高校の場合のみだけどね。

他の教科が絡んできたら、流石にどこでも受かるとは言い切れないかな。



「う~~~ん、まぁ、こんなもんか」

「ほらね。私の言った通り、簡単に解けたでしょ」

「えっ?嘘」


だ~か~~ら~~~っ、嘘じゃないんだって!!

目の前にで起こってる現象なんだから、せめて、そこを少しは見てあげて下さいな。


まぁ、真菜ちゃんがそう思うのにも訳があって。

真琴ちゃん……真菜ちゃんの手前があるのかして、少々問題を解くのに時間は掛かったのが、その原因だと思われる。

言わば、本来なら、真琴ちゃんが解答に行き付くまでの時間だけなら、左程は掛かっていなかった筈。

現に、間違いがないかを必要以上に見直しみたいな事もしてたしね。



「あぁ、いや、眞子。一応、答えは出したが、それが合ってるか、どうかまでは解んねぇぞ。だから悪いけど、確認してみてくれ」

「はいは~い。……うん、完璧だね。まぁ『一般的な公式』からは外れてるかもしれないけど、数式が綺麗に纏まってる」

「……兄様、凄いんですね」

「そうだよ、真菜ちゃん。真琴ちゃんは凄いんだよ。……って事なんで、此処からは、続けて、この数式の解き方を、真菜ちゃんにも説明してあげてみて」

「おっ、おぉ、わかった」

「真菜ちゃんも、ちゃんと真琴ちゃんの説明を聞くんだよ」

「あぁ、はい、解りました御姉様」


こうして真琴ちゃんは、真菜ちゃんに教えると言う、新しい授業の開始した。


まぁ、これ自体は、最初から狙ってやった訳じゃないんだけど、上手く良い機会に恵まれたもんだよ。

それになにより、真菜ちゃんに必死になって勉強を教えてる真琴ちゃんが凄く良い感じ♪


こうやって2人を見てると、ホント、兄妹って良いものですね♪

……って、ついつい思っちゃうね。


『私もこの輪の中に入れたら良いのになぁ』とも、今コソッと思っちゃったけど……流石に、そこまで厚かましい願望は叶わないだろうね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


サブタイトル通り、真菜ちゃんの倉津君に対する信頼度は、見事なまで『0』でしたね(笑)

まぁ、そうは言っても、此処最近までの倉津君の経緯も知らないでしょうし、過去の悪い時の記憶ばかりが残留している状態。

そして付け加えて言うなら、この2人は、そこまで会話する事が無いまま現状に至ってるので、それも原因の1つに成ってるのかもしれませんね。


……っとは言え、今回の一件で『数学が得意なのは証明出来た』筈。

なので後は、真菜ちゃんに上手く教える事が出来れば完璧なのですが……果たしてそれが上手くいって『兄の威厳』を取り戻す事が出来るのか?


次回はその辺を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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