1069 ライブの誘いをしようとしたら

 素直ちゃんから3B-GUILDのライブへの誘いを受けた眞子。

その際、チケットを2枚貰ったので、受験勉強の息抜きがてら倉津君を誘う事にしたのだが……


***


 ……そんな訳でございまして。

なにか納得し切れて居ない様な素直ちゃんと、さっきの話題には一切触れる事無く、途中まで一緒に下校して別れた。


その後、私は、その足で真琴ちゃんの家に行き。

最近の日課である勉強を開始する。


……っで、その勉強の合間の休憩時間に、さっきの素直ちゃんがしてくれたライブのお誘いの話を始めようとした。


するとね。



「なぁ、眞子」

「えっ?えっ?なに?」


何故か真琴ちゃんの方から、私より先に話を持ち掛けて来た。


不意を打たれたんで、少々驚いて動揺しちゃったんだけど、なんだろうね?



「あのよぉ。オマエさぁ。今度の日曜日空いてるか?」


あれ?なんの話かと思ったら。

素直ちゃんに引き続き、今度は真琴ちゃんに日曜日の予定を聞かれたねぇ。


なんだね今日は?

よく予定を聞かれる日だなぁ。


まぁ……その日の予定は、なにも入れてないんだけどね。



「あぁ、うん。空いてるけど、なんかあんの?」

「あぁ、いや、大した用って訳じゃねぇんだがな。【無名(むみょう)】のライブチケットが有るんだが。……オマエ、暇だったら一緒に行かねぇか?」


……またライブの話だ。


ホントなんなんだろうね?

2件目のお誘いとは言え、今日は、やけに、この系統の話が多いね。


まぁ良いけど。



「あぁ、そうだね。最近、真琴ちゃんとは勉強ばっかりしてたもんね。偶には、息抜きも必要なのかもね」

「だろ」

「うん、悪くないね。まぁそれに、真琴ちゃんの受験勉強も順調だし。折角だから行かせて貰うよ」

「おぉ、そうか。了承してくれるか。……受験シーズンだから、俺は、テッキリ怒られるもんだと思ってた」

「怒んないよ。それになにより、久しぶりに嶋田さんとか、椿さんとか、遠藤さんに逢いたいしね」


本当に長い期間逢ってないもんね。

特に嶋田さんと、椿さんは、もぉ既に年単位で逢ってない計算になるんだもんね。


まぁライブには、何度か顔を出させて貰ったんだけど。

私自身が、お2人を知らない設定だから、なぁ~~んとなくでも、楽屋に行く訳にも行かなかったからね。


けど、真琴ちゃんと一緒に行くなら、その辺の問題は解決。


お2人には、間近で出会いたいよ。



「いや、あのよぉ眞子。誰か忘れてねぇか?」

「うん。誰も忘れてないよ。その他に誰か居たっけ?」

「いや、眞子。せめて、名前だけでも山中を入れてやってくれよ。このチケットくれたのって、アイツなんだからよぉ」

「うん?誰、その人?良く知らないなぁ。どんな人?」

「うわっ!!扱い悪ッ!!」


だって知らないもん。


……まぁ、ほんの少しだけ記憶が有るとしたらね。

その人って、いつまで経っても、へ理屈ばっかり捏ねて、素直ちゃんに告白出来無い『ヘタレ』って情報ぐらいかなぁ。


それに最近はさぁ。

その事が祟って、彼の性癖を表す『淫獣説』すら危うく見えて来てるもんね。


……実は、ただの童貞なんじゃないかって噂だし。



「別に扱いは悪くないよ。ちょっと相性が悪いから、記憶に薄いだけなんじゃないの」

「おっ?なんだよ。オマエって、そんなに山中と相性悪いのか?」

「あぁ、うん。特別相性が悪いって訳じゃないんだけどね。……基本的に喋りすぎ。退屈させない様にしてくれてるのは有り難いんだけど。話の内容が薄いから、正直、ちょっと煩わしいんだよね」

「えっ?そっ、そうなのか?俺はテッキリ、なにかと話が出来る奴の方が、女性には好印象だと思ってたんだが。違うもんなんだな」

「そりゃあ、大きな勘違いだよ。話なんて、なんでも良いって訳じゃないからね。……まぁ確かにね。山中君の初対面の印象は、気楽に話せるから悪くないかも知れないけど。ちょっと話をするとね。中身が見えて来るから『あぁこの人ダメかも』って思っちゃう子とかも多いと思うよ。例えば、奈緒ネェとかね」


思い出して御覧なさいな。

一番最初に、山中君に逢った時の奈緒ネェの態度を。


必要以上に、山中君とは、余り話さなかったでしょ。


勿論、その中には。

『関西人の人の彼が必死に喋ってる時に、横から話を潰せば『なんでやねん』ってなるじゃない。……それを関西の人は『美味しい』って言うんだよ』

……なんて、複雑に捻じ曲がった優しい気持ちがブレンドされてたかも知れないけど。

総称的に言えば、あぁ言うお喋りなタイプは、女にとっちゃあ、結構『面倒臭い』部類に入っちゃうんだよね。


だから……私個人としては、あまり好きなタイプじゃないんだよね。


身がない話は、好きじゃないんですよ。



「奈緒さんなぁ。……けどよぉ。オマエが言う程、山中と奈緒さんは、そんなに仲悪くねぇぞ」

「それは、奈緒ネェが山中君に慣れて来たからじゃないかなぁ?……まぁそれにね。奈緒ネェには、真琴ちゃんって彼氏が居るんだから、山中君の存在を『少し煩わしいけど面白い人』って認識にして置けば、付き合いが出来なくもない。その程度の話だよ」

「オイオイ、やけに辛辣なんだな。その様子じゃ、今の話の件以外でもなんかあるのか?」

「まぁね。言いたい事なら幾らでも有るよ」

「因みに、それってなんだよ?」

「うん?いつまで経っても素直ちゃんに告白もせずに、周りばっかり固め様とするのが嫌。……あの手、この手を考えるのは良いけど。なんか保険を掛けなきゃ、告白の1つも出来無いって言うのが女々しい。……そう言うのが、ちょっとね」


結論はそこですよ。


回り道や策を立てるのは良いんだけどね。

山中君が『素直ちゃんが好き』発言(1部28話参照)をしたのって、もぉ去年の夏前の話だよ。


それを『いつまで先延ばしにしてるんだ』って感じじゃない?



「まぁなぁ。けどよぉ、お互い有名人なんだから、アイツにもタイミングつぅのも有るんじゃねぇの」

「どこがよぉ?寧ろタイミングなんて幾らでも有ったじゃない。その証拠に、真琴ちゃんが病院で昏睡してる間なんか、最大のチャンスだったんじゃないの?それをワザワザ見逃すなんて、本気なのかすら疑わしいよ」

「オイオイ、なんで、そんな事まで言ってやるんだよ?あの淫獣だってよぉ。人の子なんだから、躊躇う事ぐらい有るだろうよ」


確かにねぇ。

そう言う捉え方も有るよ。


でもさぁ。

そうやって躊躇してるのは、結構なんだけど。

それを、いつまでも続けてたら、最大級に大きな問題が有るんだよね。


あぁ因みにだけどね。

私自身は、素直ちゃんと、山中君がくっ付くのは全然反対じゃないんだよ。

寧ろ、山中君は、あれで居てシッカリしてるから大賛成。


素直ちゃんみたいな依存型の女の子のタイプには、結構、相性も良いと思う。


構いたがりと、構ってチャンの関係だからね。



それに『山中君が本気』なのも良く知ってる。


だからさぁ。

もぉいい加減、チャッチャと決めちゃえって話なんだよね。


長いのよ。


幾らなんでも告白までの期間が長過ぎる。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたぁ♪<(_ _)>


なんか【無名】のライブの誘いを受けただけの筈なのに。

何故か会話が、山中君の素直ちゃんに対する気持ちの話になってきましたね(笑)


まぁ勿論、この問題自体が、直接ライブに影響する様な話ではないので、特に関係ないと感じられてる方も多いとは思うのですが、当物語は、なんと言っても【ヒューマンドラマ】

そろそろ本気で解決して行かなきゃいけない様な問題も沢山抱えておりますので、この機会に上手くその内容も当て嵌めて行きたいと思いますです♪


……ってな訳で次回は。

まずは、その問題の1つを定義をして行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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