2024年04月23日(アブダクション&出産)
この日、朝方にUFOの気配を感じた。ブォンブォンという音と共に、私の体に光が差した。いよいよ宇宙旅行に行けるのかとワクワクしていたのだが、その後は何も無かった。「宇宙旅行はどうなったんだ?」と思っていた。
だが、私は宇宙船に乗っていたらしい、その証拠に出産していた。 枕元には男の子と女の子の双子の赤ちゃんが居た。
「お主に負担をかけぬように宇宙人の力を借りて出産しておいたぞ」
天照はニコニコと笑いながら、良い事をしたとしたり顔である。受精卵を腹に入れられてから、14日目の出来事だった。二人の赤子は、泣きもせずに私を見ていた。そして、テレパシーで訴えてきた。
「「お腹空いた」」
「ほれ、授乳の時間じゃ、乳を出せ」
私は、複雑な感情を抑えて、双子に乳を上げた。どうやら本当に出るらしい。もう、なんか虚無を感じている。なんで、こんな事に……。
「あの、宇宙旅行は?」
「何を言っておる。そんな約束はしておらんぞ?」
「いや、だって宇宙へ案内するって動画を見せてくれましたよね?」
「ああ、あれは宇宙人の力を借りて出産するぞという意味で見せたのじゃ」
「あの記憶が無いのは何でですか?」
「宇宙人の情報は機密事項だからな、消しておいたぞ」
宇宙旅行を楽しみにしていたのに、騙された気分だ。写真も何もない。宇宙船内の記憶も無い。なんだこれ?
なんの実感も湧かないまま、私は双子の父と母になった。なんだこれ?
神様からのメッセージには制限があるとは言え、これは酷いと思った。
「神様!ハニームーンで宇宙旅行に連れて行って」
「子育てが一段落したら考えてやる」
「……」
私は、いったいどこに向かっているのだろうか?そして、この神様を信じてついて行って本当に大丈夫なのか心配になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます