2011年某月(七つの大罪『怠惰』)
「怠い。もう幸せに成らなくても良いんじゃない?」
「君は誰だ?」
「僕はベルフェゴール、怠惰の悪魔だよ」
「君は、私に何をもたらしたのだ?」
「僕は常に負け続けてるよ。君は何で諦めない?小説を書いても無駄、仕事を頑張っても無駄、君は無能で成功者には成れない。出世も出来ない。もういっそ諦めて自殺しようよ」
「そうだな、私は無能だ。面白い小説も書けない、仕事をしても中途半端、だけど楽しい事はある。結果は出ないが、神様と協力して作った動画、小説、そして神様と会話して生きていく何気ない日常、これが私の幸せなのだ」
「神様なんて、なんにもしてくれないよ?ずっと見守ってるだけじゃないか、罪人も悪人も野放し、信じて尽くしても君を成功者にしないのに、何で信じているの?」
「楽しいからだよ。神様は居ないと思っていた。そうなると世界は金持ちと権力者のものだ。覆す術はない。でも、神様が居るのなら話は変わってくる。神様が居るという事は意味があって悪人を野放しにしている。悪魔だってそうだ。全てに存在意義があるのなら、私は答えを知っている。だから、今が楽しいんだ」
「成功者に成れなくても?」
「ああ、結果はもうどうでもいい。私がどう有ったか、神様はそれだけを見ている。私が、どれほど無能でも正しく有れたのなら、私は楽園に行くことが出来る」
「本当につまんないやつ。なんで、欲望に飲まれないのさ?金持ちに成って楽をしたいと思わないの?」
「他人に労働を押し付けて、怠惰に過ごすなんて赤子のやる事だよ。大人なら自分で食う物は働いて稼ぐものだ。『働かざる者食うべからず』資本家や支配者は、私たち大人に養われている赤ん坊とだと自覚するべきだ。
自分は赤ん坊で居たいなんて、私だったら恥ずかしくて死んでしまう恥なんだけどな、彼らは裸の王様以下の裸の赤ん坊なんだ。今までは神様も許して赤ん坊の御守をしていた。だが、そろそろ堪忍袋の尾が切れる」
「まったく、そこまで知っているからたちが悪い。お前は、何に成るつもりだ?」
「ただの農夫さ、楽をして毎日楽しく過ごせる農夫。縄文時代の農夫に戻る」
「金がある限り無理だけどな」
「それでも、私は目指すよ。楽しい毎日を」
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