第7話 闇に潜む鳥たち 3
「
鳥が休んでいるかと見えたが、そこに潜むのはふたりの男のようだ。
「双子のことを聞いている。それと、皇后が三輪山の神の娘というのは本当かと」
「皇后が、立太子を望んだらしい。双子を手元におきたいと望んでいるとも」
「やはり、な。まだその時期ではないと諫めたのに、どうも
傍らの男は苦々しくつぶやく。「で、息子は?」
「
「御馳走を手に入れるには鈴を手に入れること。だと」
「まずいな。いま、息子が動き出すと」
「そうか?俺は退屈だね。子どもと老人の見張りばっかりでは」
「肝は草の心を読むことだと大老様がいつも言っているだろう。まだその時は熟していない」
「双子はどうする?」
「竜だからな。われら鳥たちに手に負えるかどうか。しかしなかに引き入れればこの上なく頼もしい仲間となろう。
男たちは自分たちを鳥たちと称した。そういえば
そう言えば、
草とは誰のことなのだろう。
「
宰相の家の庭、白い小さな花が無数に咲いている。
漂う香りに蝶も無数に集まり、ひらひらと舞うように飛び交っう中心に、少年は立っていた。
「
「宰相の息子はひとり、もうひとりは娘だ、と陰で言われているぞ。すこしは武芸を訓練しろよ。建国したてのこの国ではいつ謀反が起こるかわからない。常に鍛錬しておけと、父上がいつも言っているだろ」
「それで?また何か聞いたのか?」
「蝶がね。うるさいんだ。
「弓や太刀の豪の者はあまたにいるが、おまえの才は稀有なものだ。父上にだけでも打ち明けたらどうだ?」
ささやく
「その者は唇の動きを読むらしい。気をつけよう」とささやいた。
「鳥の名を持つ者たちのこと、聞いたことがあるか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます