第215話
My本拠地の切原野に戻った俺たちは無事に帰って来れたことを大平神社にて神々に報告した。
それから、弥七と誾千代が国元に後1年位で戻る事となった。
二人とも剣術もその他色々な教養も身に着けているし、軽身功などの幾つかの特殊技術を身に着けている。
弥七の粘り勝ちで千代が折れて教え始めた。
弥七もまさか千代が教えるとは思わなかったようで驚いてはいたがそのうち慣れた様で、軽身功をある程度身に着けるまでに至った。
しかし、まだまだと言った感じなので国元に戻っても修行をすれば更に身に着けられるだろうし、俺も落ち着いたら弥七の所に行って剣術を更に教えることを約束させられたが、まだ戻るのは少し先なのですが・・・
さて、戻ってからは数日間を休養し、それから特殊な移動手段を試すこととした。
現在、最も移動距離を稼げるのは美羽の飛行術である。
手を繋いで軽身功発動後に美羽にお願いして飛んでもらう。
うん!快適な空の旅を満喫できた。
三国志に登場する名馬、
一里は420m位でその千倍だから約420㎞を一日で走ると言うこととなる。
実際は無理だと思うが、伝説上ではその位が名馬の基準だ。
さて、熊本~甲府の移動距離は1,200㎞程だが美羽の飛行で何日で移動できるか検証が必要だろう。
移動人員としては俺、美羽にサポート要員として千代を予定している。
3人で実際に現地に何日で到着出来るかを早速検証予定である。
「丘を越え行こうよ~♪口~笛~吹き~つ~つ~♪」
「兄上その歌は何じゃ?」
「あ!私も知りたいです」
実際位に移動して検証する前に一日でどれ程移動できるかを検証する意味も込めて現在テスト中だが、最初は景色の感想など言い合って和気藹々と移動していたのであるが、流石に一刻(2時間)も飛ぶと慣れて来て、更に半刻もすると暇になるので歌い始めた。
タイトルは何だったか?ピクニックだったか?
ピクニックの日本語だと遠足か?遠足で通じないだろうから・・・山歩きの歌?
「山歩きの歌だ」
「面白き歌じゃな」
千代がそう言い、二人ともそれぞれの感想を言う。
美羽は「ララララ~♪アヒルさん~♪ガーガー!」とか「ララララ~♪山羊さん~♪め~め~」と言う部分などが気に入ったようだ。
千代は「ランララランラ~ララララ~♪」と言う部分の陽気さが気に入ったとのことだ。
そして、何となく思いついた俺の知る童謡を
ドライブでのBGMってやっぱり重要だったんだな~と痛感したよ。
1日6時間の飛行は問題無く出来た。
余裕はまだあると言うが、十分である。
さて、実際に試してみると、4日目の昼頃に甲府に到着した。
1日大凡6時間程の無理ない飛行でトータルで21時間程掛かった計算だ。
高度は300m位で飛んだが、人が空を飛ぶとかは考えない御時世なので問題無くバレないで移動できたようだ。
一応は天狗面を着けて飛んだから身バレはしないだろうけど、都市伝説になるかもしれない・・・
結果的には可成り余裕を持って移動したので、時速57㎞位の速度での移動と言うこととなる。
飛行機と比べると遅いと思うが、この時代の移動手段として見ると実に驚異的だ。
6時間で342㎞の移動なのだからこの時代の移動手段としては間違いなく最速にて破格であろう。
緊急時にはこれを使えそうなのが解ったのは大きい。
さて、次に平戸に向かうこととした。
俺と美羽・千代が空の旅をした事を里子が羨ましがったので、俺・美羽・里子で平戸に向かうこととした。
今回の目的は奴隷購入。
技術持ちの奴隷を仲間にする為に買い付けに来た。
しかし、人を買うと言う行為は未だに少し慣れないが、奴隷商とやり取りをして10人の奴隷を購入することになった。
(※商人とのやり取りはポルトガル語です)
「旦那!久しぶりです。いい奴隷いますよ!!」
「おう久しいな」
あ~美羽たちを売った者が偶々居た。
美羽を見て、里子を見て驚いていた。
美羽に関しては「あの黒チビが・・・」と言って唖然としていた。
そうだね~当初の美羽はガリガリに痩せていて女性と言うより子供と言った感じだった。
今回はまた掘り出し者をと言ったので一癖も二癖もありそうな者から売れ残りまで何人もの者を見せて貰った。
その中でも二人特徴的な者がいた。
1人は元女性騎士と言う者で、戦に負けたことで奴隷となりこの国にまで来た者であった。
元々は城主の奥さんや娘の護衛だったようであるが・・・
売れ残りの理由としては、本人が「私より弱い者に仕える気はない」と言っているからだとか。
当初は中々の美人と言うことで引き合いはあったが、本人の主張がネックで売れ残り、
取り合えず、立合う事となった。
俺だけではなく美羽・里子も興味を持ち、3人共立合う事となった。
「参った・・・」
うん!3勝しましたよ。
中々筋は良いようであるが僅差で里子も勝ったよ。
「子供にすら負けるとは・・・」
「おう!家の里子は天才だからな~」
自信満々にそう言うと、俺の前に跪いて首を垂れたので、前世の映画か何か見た騎士の忠誠の儀みたいな感じで、彼女の肩に刀を当て、肩を叩きいてそれなりの言葉を投げかけた。
「その忠誠受けた」
「私の忠誠は貴方様に」
うん!何かかっこいいとか自分で思ったけど、「父上!」と目を輝かせて里子が抱き着いて来た。
おう!Myラブリー里子に良いとこ見せれたようだ。
さて、もう一人は金髪碧眼の美少年・・・何故、売れ残ったのか聞けば、商人も何故売れ残ったのかは解らないと言う。
しかし、里子がこっそりと教えてくれた。
里子曰、神様が守っているそうだ。
また神関連の人材が来たようだ。
〇~~~~~~〇
移動手段が天狗の飛行術!!
さて、新キャラも登場です。
中国で赤兎馬と言えば呂布・関羽の愛馬で、名馬中の名馬と知られる馬ですが、一日千里を駆けると言われました。
実際は12時間位走らせての一日千里なようです。
千里=約420㎞ですから、時速35㎞位の移動する馬で尚且つ、半日を走り切れる丈夫さも兼ね備えていたと考えると、やはり名馬ですね。
さて、再度出て来ました。
「奴隷ビジネス」はこの時代は普通に行われており、日本に来た奴隷も居ますが、輸入より輸出の方が多かったようです。
日本人の奴隷は戦国時代に最盛期を迎えたと言われます。
戦と飢饉で多くの者が身売りされたと言われております。
以前、作中で武田家の奴隷ビジネスを出したと思いますが、武田家以外も普通に奴隷ビジネスを行っておりました。
フロイスの「日本史」の中では薩摩の島津家が行った奴隷ビジネスについての記載もあるようです。
大友と争った際に豊後に攻め入った際に捕らえた者たちを奴隷とし、豊後の人々を羊や牛のごとく、高来(長崎県諫早市)に運んで売ったと記載があるようです。
その売る際にはセット売りの様に数十人単位で売らないと金にならない程の二束三文で売ったことが色々な資料に記載があるようです。
しかし、これは教科書にも書かれていない闇の話です。
理由としては奴隷売買が子供たちに教える内容としてショッキングであるからと言われています。
また、奴隷を売り飛ばしていたのが日本人だったからとも言われます。
特に九州は奴隷輸出の最前線だったので九州では多くの方が奴隷として売られたようです。
中々に闇が深いですね。
さて、次回は新しき仲間となった奴隷の話となります。
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