第207話
PVが500Kオーバーしました!!
お読み頂いております皆様、応援等々して頂きました皆様、感謝申し上げます!!
◇~~~~~~◇
長浜滞在後、今度は安土に向かう。
寧々さんからはまた必ず遊びに来るようにと言われた。
勿論、妻に子供に
さて、次の目的地の安土では上杉家との同盟斡旋のお礼として安土城の見学をお願いしていたのだが、直ぐにOKが出た。
何でも信長自らが案内してくれるそうだ。
俺の一行全員で見学出来ることとなったので安土城に向かうと下にも置かない対応である。
何だその力の入れようと思うかもしれないが、それには理由がある。
信長的には俺以外にも同行者一人一人が仕官対象者のようなものらしいし、一人でも仕官してくれればめっけもの位に思っての大盤振る舞いなのかもね~
城に向かうと信長自らが城前まで出ての歓待ぶりだった。
「よく来られた!!」
「え~と・・・お世話になります?」
「わははははは~どうじゃ!驚いたであろう?」
「まぁ驚きましたね」
俺たちを驚かせる為だけに城の主が城前で待機していたよ。
後の小姓様の一人がいい顔していないので明かに信長の独断?
まぁ
家来さんは大変そうではあるけど、部外者の俺はまぁ頑張れと心の中で応援しておこうかな。
6層の天守閣を持つ安土城は織田家の威信を賭けて作られた城だけあり壮観だね~
先ずは地上から眺めて楽しむ。
「父上!」
「おう、羽如何した!!」
長男の羽が目をキラキラさせながら俺に言って来た。
「大きい!!」
「おう!大きいな~」
羽以外の子供たちも大興奮だ。
一つの小山を贅沢に使ったこの城は規模が大きい。
今居るのは山で言うと登山口と言ったところかな?
これから向う城内はまさに登山と言った感じなんだろうね。
通路の途中途中に織田の重臣たちの邸があると言う規模で、本丸に続く道には他にも三重塔があったり寺があったりとまさに時代が時代ならテーマパークと言った感じだろうか。
長い石段が続くし物資の搬入が大変なのだけど、石畳のスロープもあり、馬車での搬入を可能としている。
これは肥後大平神社で俺が提案して導入した物なのであるが、安土城でも同じ様に階段とスロープの二重の道が設けられている。
実はこれ俺の提案。
最初は皆懐疑的で、攻められた時にはこのスロープが良くないという意見もあったが、「織田家はこの城が攻められることを前提に作っているのですか?」と言えば皆無言となり、「攻められた時は諦めれば宜しい。利便性を取り入れた方が後々使い易いと思いますよ」と言えば反対する者は無く取り入れられた。
信長も本丸まで馬車や馬などのある程度の場所まで乗り入れられることを今は気に入っていると言う。
そうだよね~信長も年齢は40半ばで階段の上り下り辛いよね~
まぁ現在馬車で移動しているが、子供たちは飛び跳ねながら馬車を追って来る。
軽く皆が軽身功を使いながら本当に跳ねる様に楽しそうに駆け上がっているよ。
美羽・春麗が子供たちがおイタしないように着いているし藤林の者も付き添っているので安全安心だ。
さて、現在、信長の馬車に同乗しているのは俺・莉里・千代・お金と信長の小姓二人。
「時に、この坂道を提案されたのは三位蔵人殿と聞いたが?」
「はい、物資の搬入を考えますとこのような規模の構造物では大変だと思いましたし、肥後大平神社でも取り入れていますからな」
「ほ~犬(前田利家)より聞き及んでおったが、攻められた時のことは考えられなかったのかな?」
「あ~建築時に丹羽殿たちにも言いましたが、攻められる前提でこの城をお作りで?」
「いや、今、ここまで攻めて来れる者など居らぬであろうが・・・」
「まぁ謀反もありましすね」
実際に信長の最後は謀反による討死だしね。
でもこの城は関係無いからね、でもこの城も何故か燃える。
諸説あるけど何故か燃える。
さて、本丸まではまだまだ先だ。
敵を疲れさせる目的で階段で全て作るのもありかもしれないとは思うが、それをすると普段の使い勝手が悪い。
まぁ城作りの素人の俺の考えから言えばシンボルの城なのに籠城になった時点でOUTだと思うけどね~
天下人が日頃は不便に暮らすとか誰得?
「敵を疲れさすなどせこい戦法を取り普段使いが不便な城より構造で相手を防ぎ、普段は使い勝手のいい構造の方が宜しいと思いましたが?」
信長も諜報から上がる情報ではこの構造を最初は難色を示したが実際住んでみて気に入っていると聞くし、態と俺に聞いているんだろうね~
聞いてどうしたいのかは知らんけどな~
「丸目三位殿!無礼ですぞ!!」
小姓さんが御冠です。
俺の何が無礼なのかは解らんけど、睨みながらそう言ってくる。
「お蘭!控えよ!!」
「で、ですが・・・」
その小姓さんは信長に叱責された。
あ~この子が森蘭丸(森
見た目13~15歳位の男の子で、信長の衆道のお相手との噂だけど、確かに美男子だ。
まぁ家のお子様たちには負けるけどね~
「三位蔵人殿は賓客じゃ。儂の客にお主こそ無礼であろう」
「も、申し訳御座いませぬ!!」
「儂に謝るのでなく」
信長は首をしゃくり俺に謝れ的なジェスチャだよ・・・
謝って貰ってもしこり出来そう。
「蘭には後ほど某から右府様の意を解らせ丸目三位様に謝罪させまする」
「うむ、そうか、
「はっ!」
うん、何か丸く収めたよ。
久太郎と言うのは名人久太郎(堀秀政)なのだろう。
20半ば位の歳の出来る感じの雰囲気を纏う美青年だ。
「丸目三位様、後ほど謝罪にお伺いいたしますのでお時間頂きたし」
「はい、何時でもどうぞ」
「忝い」
ニッコリと笑顔で卒無くその場を収める出来る男だ。
もう一人の小姓の蘭丸君は・・・納得いかないと言う様な顔だ。
しかし、これ以上は何か言うことはないようだ。
そうこうしていると最初の目的地に着いた様だ。
★~~~~~~★
「はぁ~蘭丸・・・」
「久太郎殿・・・」
「右府様のお客様に対して失礼ですよ」
蘭丸は優秀ではあるが、変な所で右府様を優先し周りが見えなくなることがある。
今回も忠誠心からと言うのは解る。
丸目三位蔵人様は右府様が仕官を希望されたが断わりを入れられた御仁だ。
確か「九州まで織田殿が治められたら考えましょう」だったか?
丸目三位様が以前お誘いをお断りされる際に使った口上だ。
「貴方が丸目三位様に良い感情を持っていないのは解りましたが、場を弁えなさい」
「申し訳御座いませぬ・・・」
納得していないと言う顔である。
「貴方の失礼は右府様の落ち度となります」
「な、そんな!某の・・・」
「どんな相手でも右府様のお客様に我らが口答えなど許されません。それに、若い小姓の貴方と言えどもです」
「はい・・・」
その後、お座成りではあるが丸目三位様の許に向かい謝罪をさせて頂いたが・・・
丸目三位様は「問題無いですよ」と言ってくださったが、周りの者たちは納得していないようだ。
まるで針のむしろの上の様な心地悪さであった。
特に蘭丸はその事を痛感したであろう。
丸目三位様の手前何も言わないが他の方々も不服と言う雰囲気を醸し出しておられるようだ。
蘭丸のしたことはこの後織田家にとって取り返しのつかぬ事にならねば良いがと危惧するばかりであるが、今はこれ以上の事は出来ぬ・・・
「蘭丸」
「はい・・・」
「丸目三位様がお許しになられたので他の方々は何も言われませんでしたが、織田家に良い感情はお持ち頂けない仕儀となりました」
「・・・」
「貴方と違いあの方々は側仕えの心得を確りとお持ちの様ですね」
「・・・」
「はぁ~貴方はまだ幼い、これから少しづつでも学ばねば・・・これ以上の取り返しのつかぬ事にもなりかねませんよ」
「はい・・・」
反省しているようであるが、この経験を活かし成長してくれることを願うばかりである。
〇~~~~~~〇
蘭丸、名人久太郎登場!!
名人久太郎と言うのは堀秀政に着けられたニックネームで何でもそつなくこなすことから名人と呼ばれました。
織田信長や豊臣秀吉に仕え、最終的に越前国北ノ庄の大名となった人物です。
森蘭丸は丁度この物語のこの時期の少し前位から信長に小姓として弟らと共に召し抱えられました。
立場として小姓とも呼びますが近習とも言います。
さて、今回のうんちくは名人久太郎!!
最初、大津長昌に仕え、次いで木下秀吉に仕え、1565年に13歳の若さで織田信長の小姓・側近として取り立てられた人物で、16歳で室町幕府15代将軍・足利義昭の仮住まいの本圀寺の普請奉行を担う等々、各種の奉行職を務め、信長の側近としての地位を確立して行きました。
久太郎さんは奉行職だけでなく戦場でも活躍するようになりこの物語で登場した時期は武将として一隊を率いて戦場にも出ておりました。
この時期位までに既に越前一向一揆討伐、紀伊雑賀討伐戦、有岡城の戦い、等で戦功を上げています。
この時期は既に小姓はしていなかったかもしれませんが、是非とも出したくて敢えてここに放り込みました。
さて、久太郎さんは本当に出来る人物だったようで、豊臣政権下でも九州平定にも参陣し先鋒部隊を任されてその後に豊臣姓を与えられております。
それ程の活躍をしたのです!!
更に、小田原征伐にも参陣しその時には左備の大将を命ぜられる程だったようです。
しかし、残念なことにこの時疫病を患い、陣中にて急死されました。
享年38歳。
信長・秀吉に重用された人物で若くして亡くなったことが凄く惜しまれる人物です。
さて、ここで是非とも出したかった理由の一つが本能寺の変が起こって信長が死去した時、久太郎さんは秀吉の軍監として備中国に居りました。
信長死去の報を知ると秀吉と共に急ぎ上方へ戻って山崎の戦いに参陣していると言う人物でもあるからなのです!!
今後どう絡んで来るかもお楽しみください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます