第179話

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◇~~~~~~◇


天子様に羽毛布団を献上したし、当初の予定通りに摩利支天様のお社に参拝に行く。

皆連れ立って行くが、莉里・里子は特にご先祖様への参拝だ・・・先祖の墓参りを一瞬イメージしてしまったが、相手は神だしね!違うか。

参拝に行くと賑やかなもので流行っているようだ。

閑古鳥が鳴くとか無さそうで安心した。

御本尊的な摩利支天様の所に行くと熱心にお参りしている身分の高そうな武士の姿があった。

ここを管理している藤林家の者に聞けば、明智十兵衛(光秀)らしい。

へ~あれが・・・うん、何か思ったより普通・・・もっと尖ったイメージあったので、普通の叔父さんに見えてしまう。

何か毎日の様に参拝に来るそうだ。

俺達は参拝を終わらせて帰途に就く。

え?何もなかったの?って・・・毎回毎回何かあると思うなよ!!通常は何も無いのが当たり前なの!!

今回は融資先の京の商人さんとも旧交を温める予定である。

他にも何人かと面会予定であるが、そんな折に訃報が飛び込んで来た。

吉田宗桂そうけい先生(医師)がこの世を旅立たれた。

名医で真里の様態も診て頂いた御恩がある先生だったが、残念ではあるが天寿を全うされたので仕方ない事ではあるが、線香の1本でも上げさせて頂こうかとお悔やみへと勿論向かう。

行けば息子さんたちが俺達の歓待してくれた。

まぁお悔やみなので歓待と言うのも変だが、快く故人にお別れさせて頂けた。

その場には会う予定としていた人物が1人居た。

吉田宗桂そうけい先生の息子さんで商家を営んでいる人物で、角倉すみのくら了以りょういと言う。

九州(博多)では酒作りを茂さん(嶋井茂勝)が行って右肩上がりに業績を伸ばしているが、一社で全国の需要を満たすのは難しい。

そこで、新しい酒造りをする商家で各地エリアを分けて同盟を構築している。

この了以りょういさんは畿内エリア担当と言った感じである。

土倉業(貸倉庫)がメインであったが、新しい酒作りでも業績は今鰻上りらしく気を吐いているやり手の商人さんだ。


「今回はお悔やみ申し上げる」

「いえ、父も満足しております」

「そうですか・・・」

「はい、丸目四位様が支援くださったことで医の更なる深淵を覗けたと言っておりました」

「ふふふ~実に先生らしい」

「はい、死ぬ間際には丸目四位様に礼を言っておいて欲しいと言っておりました」

「何と言い残されました?」

「「医療の礎の一人に丸目四位様のお陰で成れました」と」

「さ、左様ですか・・・本当に先生らしい」


宗桂そうけい先生は俺と知り合う前から有名な先生で、当時から既に医療の礎と呼べる第一人者だった。

そんな人物に感謝されたことを誇りに思おう。

今日はお悔やみだったので後日改めて時間を取り話すことを約束し、その日はお暇した。


「先日はありがとうございました」

「いえ、先生には本当に世話になりましたから」

「そうですか・・・父もその言葉だけで草葉の陰で喜んでおりましょう」


故人をしのぶ事は終わり商談となると莉里の独壇場である。

家の財務大臣にお任せで俺は茶を啜る。

うん!美味い!!


「そう言えば、丸目四位様が持ち込まれた布団、話題になっておりますな~」

「そ、そうですか・・・」


雑談の際にそんな事を言われる。

了以さんも手に入れようとした様だが、完売したとのことで、今回は買えなかったそうだ。

手持ちあれば譲るのだが、今は手元に無い。


「父もよく「医食同源いしょくどうげん睡眠負債すいみんふさいは万病の素じゃ。質の良い食事と睡眠こそ健康に通ず」と言っておりました」

「ほほ~興味深い!!」


(※吉田宗桂そうけいが「医食同源いしょくどうげん睡眠負債すいみんふさいは万病の素じゃ。質の良い食事と睡眠こそ健康に通ず」と言った古事や逸話はありません。)

流石、戦国時代のドクターKは含蓄ある言葉を言うし、現代に通じることを言うね~

感心していると、了以さんが問題提起?


「あのような素晴らしい、と言ってもまだ手に入れておりませぬが、優れた寝具がもっとあれば皆も健康になりましょうね」

「あ~確かにそうですね~あればそうですね~」


そうだよね~睡眠重要!!

人間は24時間戦えない!!

いや、無理をすれば戦えるが、続かない。

前世のバブル期の頃は「24時間戦えますか?」とかキャッチフレーズで売る内服ドリンクあったけど、何とかなるのは数日だ。

睡眠を怠れば後々その影響は出る。

そして、前世の聞きかじりではあるが、睡眠の質が重要と言う。

睡眠の質を上げるのには3つの要因がある。

1つは内面的な物で、適度な運動や食事等々の生活から内面を健康にすることで質が良くなる。

2つ目は温度や湿度で、今回の羽毛布団はまさにそれだと言える。

そして、3つ目は寝姿勢!!

特に首周りの状態は重要で枕が高かったりすると・・・枕!!

まだまだ改善できそうなアイデアを思いついた。

多分、これを世間一般では天啓と言うのであろう!!

ガチの天啓聞ける者は違うと言うだろうな~

さて、翌々考えると、今、使っている枕って木で出来た奴で少し首が痛くなるんだよね。

枕と言えば「そば殻枕」!!

江戸時代にはこの枕を売り歩く行商が居たと小耳に挟んだ気がするけど、見た事無いから今は無い?

あ~藁を束にして枕替わりは見たことあるし、農家さんはそればっか。

よし、ここは提案してみるか~


「実は今面白き事を考え付きまして」

「ほうほう、是非お聞かせください!!」


後日、角倉すみのくら印の「そば殻枕」「もみ殻枕」が完成した。

これは値段も手ごろと言うことで売れに売れた。

俺もこの枕で惰眠を謳歌した!!


〇~~~~~~〇


角倉了以登場です!!

「京の三長者」と呼ばれる大商人で、茶屋四郎次郎・後藤庄三郎の様に徳川家康に近付き財を成した訳ではなく、それ以前より成功していた商人で京を牛耳っていたは言い過ぎかもしれませんが、間違いなく今の京の礎を作った一人です。

さて、枕について語りましょう。

奈良の東大寺の正倉院には、「白練綾大枕 《しろねりあやのおおまくら》」という枕が保管されていて、現存する日本最古の枕と言われています。

これは奈良時代(8世紀中頃)に作成された物で現存する日本最古の枕と言われています。

草を集めて四角くし、高級な絹の布で包んだ枕となります。

戦国時代には木の枕が主流で、箱のような形をしていることから箱枕と呼ばれていたそうです。

当時の枕は結った髪の毛男だと丁髷を守る為の物で寝心地は・・・語るまでも無いですね。

頭ではなく首に当てて使っていたそうです。

現代でも一般的に売られている枕の中で一番歴史が古いだろうと思われるのが作中に登場した「そば殻枕」です。

江戸時代も中期以降には枕売りが居たそうです。

「そば柄枕」「もみ殻枕」を売り歩き、需要があったようです。

枕の歴史は古く、日本でも、古墳や遺跡から枕と思われるものが発見されております。

古い物では弥生時代の枕が見つかっているそうですが、中には石枕と言う「え?」と思う物まであります。

作者の私も枕沼に嵌って幾つか購入しています。

睡眠大事ですからね~現在はカニカム構造のジェル枕を使用してます!!

今の所はこの枕、割といい感じなので沼から上がれた?

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