第176話

前話(175話)のうんちく部分に少し長めの追記入れました。

まだご覧でない方でお時間ある方はご覧頂ければ幸いです。


◇~~~~~~◇


羽が偶にぷかぷかと空中に浮く様になった。

浮かぶけど高速で移動は出来ないようで、歩くよりも遅いスピードで浮遊する。

危ないと言うのもあり、胴体に紐を付けて犬のリードみたいな状態となっている。

いや、風船かな?リード代わりの紐を持つとそんな感じ?

面白がって里子がその紐を持って戯れています。

遊園地とかで風船持つ子供みたいに里子も「キャッチャ」と楽しそう。

風船の代わりに同じく「キャッキャ」と騒ぐ羽が紐の先に居るけどな。

俺もそれを眺めながら見ています。

羽が浮遊術?を感性で会得したことが余程悔しかったのか、美羽は自分自身も空を飛びたいと練習中。

今の所はまだ飛べていない。

飛ぶと言うより跳ぶのままだ。

羽が特殊な子供・・・いや、里子も凄い子だし、他の子も凄い子供かもしれないけど、今の所は特に変わった様子はない。

春と麗華は相変らずよく寝る子のようではあるが這い這いが異常に早いと報告を受けている。

何かあるのか?今の所は解らない。

利は莉里の子らしく賢いのかもしれない。

まだ「ダー」とか「あ~」とか「キャッキャ」と赤ちゃん言葉と言うか言語として成り立っては居ないが、莉里が面倒見ながら読んでいる報告書を一緒に見ている様な気がすると莉里は言うが・・・まさかね~気がするだけ・・・だよね?


「今日のおやつは何じゃ?」


何時もの如くお昼過ぎになると里子たちと食べるお昼過ぎの3時のおやつ的な物を千代が集りに来た。

今日のおやつは「豆大福」俺の好みとしては豆は少ししょっぱくして甘めの餡と一緒に噛み締めるのが好み!!

勿論、お願いして作って貰ったよ。


「な、な、な、何じゃこれは!!」

「最近、千代はそればっかだな」

「いや、いやいやいや、見た目は大福じゃが別物じゃ!!」

「おう!豆大福と言う」

「まめ・・・大福・・・革命じゃ!!」

「大げさな」

「この甘い餡に柔らかな餅を纏わせるだけでも従来の大福と違うのじゃ」

「違う?・・・あ!千代の知る大福の餡は塩餡?」

「そうじゃ!それに、柔らかくしょっぱい豆を中に入れる・・・甘い、しょっぱい、甘い、しょっぱい・・・止まらんのじゃ!!」

「お、おう・・・」


そうだよね~甘いとしょっぱいのコラボって後を引くよね~

甘さが際立つから俺も好きなんだけど、豆大福を両手に持ち、大興奮の幼女の姿の妖狐が豆大福について熱く食レポをしている・・・

今度はイチゴ大福でも作ってもらう?

でも、イチゴって今まで見た事無いんだよね~舶来品でまだ日本に来ていない?

来歴とか知らないから俺が知らないだけ?

よく解らんな~探してみてなければ何か別の物入れてイチゴ大福の代わりでも作る?

まぁ頭の片隅にでも留めておこう。

里子も美味しそうに頬張っている、良きかな、良きかな!!

里子は食べ終わると弟妹の様子を見に行く。

羽と触れ合うようになりお姉ちゃん意識が出て来たのかもしれない。

最近は羽以外とも触れ合うことが増えて来た。


「父様~お耳!!」


里子が大騒ぎで俺の所に駆けて来た。

今、見に行ったのは、揺り篭に入った双子の春と麗華の所か・・・

里子は「お耳」と言ったな~・・・

まさか、「ケモミミ」じゃないよね?と思いつつ揺り篭を覗くと双子は気持ち良さそうに寝ているが、その頭には予想通りに「ケモミミ」があった。

俺達が騒いでいるので五月蠅いのかケモミミをぴくぴく・・・うん、可愛いな~


「千代~」

「何じゃ?我は今忙しいのじゃ!!」

「豆大福以外にも・・・」

「何じゃ!何が聞きたいのじゃ!!」


千代が瞬歩で俺の所にテレポートして来やがった。

うん、仙術の無駄遣いだね~

まぁそれはいいとして、千代に双子を視てもらったが、千代もよく解らないと言う。

千代曰、犬か狼の耳らしい。

里子は大喜びでぴょんぴょん跳ね回る。

あ~そう言えば耳と尻尾生えた妹欲しがってたね~

願いが叶ったようで良かった良かった・・・いや、何これ?

春麗を呼び出し見せると、「お~可愛い耳!!」と言うだけだ。

うん、我が子だし忌避しなかったことに正直ホッとしたよ。


★~~~~~~★


夜、俺は夢を見た。

暗い場所に一人ぽつんと立っている。

目の前にテーブルで酒を飲む老人?


「よう来たな~」

「あ、どうも・・・」


席を勧められ、老人と反対側の席に着く。


「あの~」

「いやの~ゲリの末裔で先祖返りの子が生れたと聞いての~」

「げり?」

「儂の愛犬じゃ」

「犬?」

「まぁ犬は犬でも狼じゃし、愛狼?・・・まぁよい」

「え?オオカミ????」

「そうじゃ、そうじゃ、知り合いの神が教えてくれての~」


あ!驚いて気が付くのおくれたけど、この人、いや、この方も多分は神だ。


「え~と・・・もしかして、春と麗華のことですか?」


その方はにっこりと笑い頷く。

その後は勧められるままにワインを飲んだ。

美味い!!前世でもこんなに美味いワイン飲んだ事無いぞ!!

その老人の姿をした神は「如何じゃ!美味かろう?」と言う。

俺は頷くだけしか出来ない。

結局この神は名を名乗らなかった。

しかし、別れ際に「子供たちに誕生祝じゃ」と言ってミサンガ?をくれた。

「双子の足首にでも着けてやると良いぞ」とその神は言う。

神の指示に従うつもりではあるが、これ夢だしな~と思っていると暗転し、何時もの様に朝を迎えた。

俺の手には神より頂いたミサンガ2つ。

神曰く、「げり」と言う名の飼い狼?ともう1匹の毛で編んだ物であるらしい。


〇~~~~~~〇


さて、またしても謎の神との邂逅。

豆大福に・・・いえ、流石に今回はこの謎の神についてでしょうね~

さて、モンゴルには狼信仰があり、モンゴル人の祖先が狼だという伝説があります。

モンゴルと言えば朝青龍!いえいえ、チンギス・ハーン(カンとも言う)でしょう!!

モンゴル帝国の初代皇帝ですね。

この人物で有名なのは蒼き狼と青白き鹿の伝説でしょうか?

この狼がモンゴル人の祖とされる伝説上の獣であるボルテ・チノと言われております。

狼を祖先とする信仰は、モンゴル人だけではなく、ウイグル族やトルコ系遊牧民など中央アジア一帯にあり、これがウォーダン信仰に繋がると言われています。

ウォーダンと言うのはドイツ語ですがまたの名をオーディンと言います。

オーディンは愛馬は八本足のスレイプニール。

フギン(思考)、ムニン(記憶)という2羽のワタリガラスを世界中に飛ばし、2羽が持ち帰るさまざまな情報を得ると言われます。

また、足元にはゲリとフレキ(貪欲なもの)という2匹の狼がおり、オーディンは自分の食事はこれらの狼にやって自分は葡萄酒だけを飲んで生きているされています。

有名なので「ゲリ」出て来た時点でお気付きの方は多かったと思います。

この神は「シャーマンの神」とも言われますし、天候神で嵐や風を司ると言われています。

さて、オーディンの語源は「狂気、激怒(した者)の主」と言うそうでシャーマンのトランス状態を指し先に述べた「シャーマンの神」とも呼ばれました。

それに伴ない「魔法の神」とも言われたりするそうでが実は、神槍のグングニルと言う武器を片手に持つ神様で槍の名手でもありますが、長い髭をたくわえ、つばの広い帽子を目深に被り、黒いローブを着た老人の姿とも言われますので、姿から魔法使いみたいですね~

オーディンは純粋な神ではなく人間と神の器たるエルフとのハーフであると言われ、神は生まれた時点で完全な存在であり、そこからの伸び代はないが、不安定で不完全ながら成長する力を持つ人間の血を引いたハーフエルフであることにより、オーディンは「成長する神」とも呼ばれます。

北欧神話の主神にして戦争と死の神でもあり、詩文の神でもあり吟遊詩人の守り神でもあると言われます。

魔術に長け、知識に対し非常に貪欲な神と言われています。

知識の為に自分の身すら削ると言われます。

伝承では知識得る為に目を指し出したとか色々残ってます。

魔法で復活するのでやりたい放題ですね~

色々な顔を持つこの神ですが、ワルキューレに命じて英霊を集め、ラグナロクに備え大規模な演習を毎日行わせる神もあり、その模擬戦と言う名のガチ戦争で戦死しても次の日には魔法で復活させるので「復活の神」などとも呼ばれます。

そして、グラズヘイム(天国的な場所)にあるヴァルハラ(戦死者の館と呼ばれる天国の戦士の待機所)の主でもある神なのです!!

色々盛盛の神ですが流石一つの神話の主神ですね~

奥さんも凄い神なので機会があれば語ります!!

次回はいよいよ一度京に向かいます!!

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