第175話
やはり病気が出ちゃいました・・・(書いたらUPしちゃう症候群)
新作『大和ダンジョン国史(仮)』現在、数話UPしましたので良ければこちらもお読み頂ければ幸いです。
一応と言うか今度は「ダンジョンもの」ですが、多分、一風変わっていると思います。
宣伝失礼しました~では本文お楽しみください。
◇~~~~~~◇
俺の子供たちの成長って何か速くね?
里子ほどの急成長ではないが、明かに普通の赤子と比べて異常な成長速度を感じざるをえない。
生後1カ月過ぎた位には首が座り、2カ月経つ位には這い這いを始めた。
俺の子育ての経験は里子しか知らないので、比較対象が里子となると少し遅いけど、子育て経験者の他の者たちに聞くと顔を少し引き攣らせて「早い」と口を揃えて言うので間違いないだろう。
赤ん坊の世話に追われる奥さんたちが里子に構う機会が減る形となってしまったので里子が少し拗ねる。
うん、何かこれ聞いたことある。
複数の子供が居る場合は年長者が割を食う形になるのは仕方ない。
俺も・・・俺の場合は前世の記憶持ちだからな~「ママさんは大変だね~」位の気持ちで弟たちの面倒を見る母を見ていたし、色々と自分なりにやることがあり忙しかった記憶しかない。
あの頃は・・・丸目蔵人をよく探してたな・・・自分だと気が付いた時のショックと来たら・・・あ~そうでもないか~
生来の、いや、前世からの?暢気さで「まぁ成ってしまったものは仕方ない」と気持ちを直ぐに切り替えて行動した・・・かな?
よく覚えていないが、行動に移したような?
さて、俺の昔のことは置いておき、里子のことが心配なので最近は里子と行動を共にすることが増えた気がする。
うん!里子ファースト!!
他の子どもたちは奥さんたちとかうちの母とかその他大勢が面倒を見ているので、俺は里子を特に構って気にする様にしている。
今日は縁側で俺・千代・里子と源太、お香兄妹で日向ぼっこしつつおやつの「おはぎ」食べてます!!
美味いよね~おはぎ!
「何じゃこれは!!」
「おはぎだろ?」
千代が目を見開いて驚愕している。
見れば解るだろ?荒く突いたもち米を半殺しにして丸めて甘い粒あんでコーティング!!
まごう事無きおはぎさん!!
「我の知るおはぎと違うのじゃ!!」
「へ~どう違うの?」
「おはぎとはそもそも「かいもちひ(
「ヘ~ソウナンダ~」
「ちゃんと聞いて居るか?」
「キイテルヨ~」
「まぁいい・・・中の餅も違うし、第一に外の小豆が甘いのじゃ!!」
「へ?甘くないならどんな味?」
「しょっぱい、
「塩餡か~それも美味しそう!」
「いや、このおはぎこそ至上!」
「千代って何でも至上とか言うよね~」
「う、五月蠅いのじゃ!至上な物は至上なのじゃ!!そもそもはお主がこんな美味しい物を作るから・・・」
「え?要らないの?」
「要るのじゃ!!」
千代とそんな会話をしているが、里子も源太・お香も顔を綻ばせておはぎを頬張っている。
「
「ん?何だ里子?」
「これ美味しい!!」
「そうかそうか!!今度はまた違う美味しい物を作ってやるからな~」
「たのしみ!!」
次はどんなおやつを食べさせて里子を喜ばせようか?
そんな事を考えていると横の狐が「他にもまだあるのか?」とか五月蠅い。
俺が里子を構いまくるので里子も最近は落ち着いてきた?
弟妹にジェラシーを感じることは無くなった様で安心安心!!
さて、ある日、何時もの様に里子と遊んでいる。
今日は高い高いを里子にするんだけど、高ければ高い程喜ぶもんだからついつい高く上に上げる。
縁側で「ダー」と声がしたので見れば羽がお散歩の様だ。
まぁお散歩言っても這い這いで縁側に来ているだけだし、ちゃんと目を離さないで見ている者は居る。
羽はこっちに手をブンブン振って「ダーダーダー」と何かを主張する。
ん~?何だろうか?
里子が羽の近くにより話すような仕草をする。
「ダーダダー」
「うん」
「ダーダーダダダーダー」
「うんうん!そうなんだ~」
まるで赤ちゃん言葉が分かるような仕草だが、俺には「ダーダーダー」と言っているようにしか聞こえん。
羽のお付きの侍女さんを見て「解る?」的な目線で見ると、「解りません」的に首を横に振られる。
うん、そうだよね~赤ちゃんが話すはずないしね~
そうこうしていると、里子が戻って来た。
「里子、羽とお話かい?」
「うん!羽がね~高い高いして欲しいって」
「あ~そうなんだ~」
里子は理解していると言うより勝手に解釈して話た気になってる?
よく解らんが羽にはまだ早いような気がするんだよね~
「里子、残念ながら羽にはまだ早いと思うよ~」
「うう~そうなんだ・・・羽ざんねん」
そう言って里子はまた羽の方に行き、おしゃべり遊びを始めた。
次の瞬間、羽が大泣きの大号泣である。
里子がこちらに戻って来て俺に言う。
「どうしてもして欲しいって」
「おう、そうか・・・」
「駄目なの?」
「そうだな~・・・それじゃあ少しな」
「わ~羽よろこぶ!!」
そう言ってまた羽の方に行く里子・・・
俺も仕方なしに侍女さんに「少しあやすから」と言って羽の方に向かうと、里子と話し込んでいたような仕草の羽が「キャッキャ」と笑い、「ダー」と言って両手を広げる。
それはまるで「早く早く!!」と言っているように見えるから不思議だ。
「じゃあ行くぞ~高い高い!!」
「ダーダーダー」
羽は大喜びである。
数回したので終わろうとしていると里子が声を掛けて来た。
「もっと高くだって~」
「おう・・・そうか・・・」
え?良いのか?
迷っていると羽がまた「ダー」と言う。
里子が「早くって」と通訳?する。
俺は諦めて再度高い高いをする。
「ダー」「もっと高く」「ダー」「もっと高く」を数回繰り返し、2m位上空に放り投げることをしていると、急に声が掛かる。
「長様!!何をされているんですか!!」
声から美羽であることは判るし、やっているのは高い高いの放り投げを
次の瞬間
パサッ!
一瞬、皆言葉を失い、羽の「ダーキャッキャ、ダーキャッキャ」と大喜びの声と里子の「凄い!!凄い!!」の声だけが庭に響く。
羽の背中に小さい可愛らしい羽が生えて飛んでおります。
おお!紛らわしいな。
羽長の背中に可愛らしい翼が一対生えてパタパタと飛んでおります・・・
翼は白と黒の色違いで何かカッコいい。
そんな事を考えていると、美羽が「う~まだ私飛べないのに・・・羽狡い!!」と悔しがる。
うん、美羽、頑張れ!!
その後はやはり嫁さんたちと母に正座させられて説教されました、目出度し、目出度し。
〇~~~~~~〇
羽が飛んだ!!
さて、勿論今回は「おはぎ」について語りましょう!!
和菓子好きなので結構和菓子のうんちく多いのは気にしないでください。
おはぎの起源は平安時代と言われています。
作中で千代が少し語りましたが、「今昔物語」の中に「かいもちひ(掻い餅)」という名が登場しておりこれがおはぎであると言われております。
当時のおはぎは塩餡です。
何故なら砂糖とか高いし、そもそもの話、この時代の和菓子全般に砂糖使いません!!
この時代の砂糖は黒砂糖で、実は薬として処方されていました。
薬膳などで使われたり、普通に薬として処方されました。
黒砂糖は血を補い、貧血や、女性の不正出血や出産後の体力回復に良いといわれます。
また、体を温め、滞った血を流す作用があります。
月経痛、月経不順などにも処方されたそうです。
そして、やはり高級品!!
さて、話はおはぎに戻し、別の言い方で「ぼたもち」とも言います。
どう違うのか?
実はおはぎは貴族などが食べた高級品で、ぼたもちの由来 の「ぼた」は農家言葉で粗悪な屑米を意味します。
要はおはぎと言う高級品を味わいたいから苦肉の策で農家さんが作り出したのが「ぼたもち」なのです。
まぁあくまでも、そう言う説があると言うだけではっきりはしていませんし、現代では同じ物を指します。
さて、おはぎはお彼岸や四十九日の法要のお供え物や食す習慣が現代も残っております。
コメントにてご意見頂きましたので追記をば!!
「おはぎ」は萩の花が咲く秋の彼岸だから「御萩(おはぎ)」で、春に花が咲く牡丹(ぼたん)が由来で「ぼたんもち」→「ぼたもち」説もあります。
さて、私が小さい時、もう誰に聞いたのかも忘れましたし、NETにもこれから書く物は載っていない様な由来の話を聞きました。
作り話にしても秀逸だったので追記序にご紹介!!
時は昔々、春のお彼岸の頃に、ある貧しい農家さんが先祖供養で「おはぎ」をお供えしようとしましたが、何せ貧乏、小豆買う金もない。
そこで、正月の残りのもち米を「おはぎ」と同じく半殺しにして丸めてお供えしようとしたが見栄えが悪い。
それを見た他の者にそれは「おはぎ」じゃなくて「ぼたもち(みすぼらしい餅)」じゃと馬鹿にされる。
そこでまたまた閃いた農家さん、大豆できな粉を作り塗して小豆の餡の代わりとした。
それを見た馬鹿にした者が黄色い花が咲いた様で春らしくて良いと今度は褒め「お半疑(おはんぎ)」じゃと言う。
まぁ揶揄ったんでしょうね~
それを聞いた農家さんはこれは春の今時分ではまごう事無き「おはぎ」じゃと言い張り、小豆の餡はこの時期では「牡丹の花」の様だから「ぼたんもち」→「ぼたもち」と言い、みすぼらしいから「ぼたもち」と言うのではないわと言い返したと言う話を聞きました。
これ頓智話みたいで中々秀逸と年齢を重ねると思いました。
「ぼたもち」もみすぼらしくないが先程自分の作った「おはぎ(きな粉おはぎ)」もみすぼらしくないと言うことを言いたかったんでしょうね~
これあくまでも聞いた話で嘘か本当かも解りませんでしたが、諸説の1つなのかもしれませんね~
現代も残っている風習ですが、元々おはぎは厄除けや行事食としての位置付けだったようです。
小豆の赤色が魔を払うとされ好まれました。
節分の豆撒きですが、色々説があります。
京都の鞍馬に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけたとか、「豆」が「
毘沙門天様のお告げ説で「大豆」ですが、他にも赤い豆(小豆)=縁起物を魔・鬼に投げつけて追い払うと言うことで小豆説もあるようですが、これは極少数の様ですね~(本当かどうか知らんけど。)
さてさて、おはぎが甘くなったのは江戸時代の中期位からと言われています。
江戸文化が花開き大衆がある程度豊かになった時期に砂糖も買える位になり甘味が本当に甘味となったようです。
次回も残りの子供たちの話続きます!!
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