第168話

前世の飲み友達の・・・名前忘れたが、近所のおっちゃんが「結婚は恋愛の墓場」と言ったが、俺はそう思わない。

この日より複数の嫁を持つ事となる。

以前から気心の知れた者たちなので何も心配していない!!

最近はお酒の件で怒られるけどな!

さて、肥後大平神社の初の神前結婚式を取り行う。

この神社は多くの神を祭っているが、縁結びで開運を開くと言われる神を数柱祭っているし、俺・美羽由来の天狗様に、莉里由来の摩利支天様等とどの神で神前式を行うか迷う所であるが、主神としてこの社で取り扱っているのは摩利支天様なので話し合いで摩利支天様の前での神前式と相成った。

ただし、全ての神にお供えは勿論する!!

お祭りする神を蔑ろにするようなことはしないぞ!!

さて、麓の村も村長の俺の慶事なのでお祭り騒ぎだ。

流石に全員がここに集まることはないが、村はお祭り騒ぎが創建日からずっと続いている。

そして、締めとして俺の神前婚でフィナーレだ。

権力者などは政略結婚当たり前の時代だから大変だろうね。

俺達の場合は自由恋愛での結婚だけどね~

しかし、しかし、美羽は近衛家から、春麗は藤林家の養女で山科家を経由して、莉里に至っては天子様の義理の娘・・・三人共公家のお姫様と言うことで、白無垢に包まれています。

うん!3人共凄く綺麗である。

残念なのは真里に白無垢を着せてやれなかったことかもしれない。

さて、女性の婚礼衣装と言えば白無垢だよね~とか思っていたのですが、どうやら違ったようだ。

俺が勝手にそう思っていて口を滑らせたことで白無垢の花嫁さんが爆誕した!!

聞かれた時に白無垢を言った後に「その心は?」的に聞かれたので「清楚」「貴方色に染めて」等の前世の結婚衣装のキャッチフレーズみたいなことを口走ったようだ。

うん、全く覚えていません!!

紹さんが「これは使えますね~」とか言ってた気がするので何かお仲間と仕掛けるのかもね・・・

さて、俺の要望と言うことで白無垢の花嫁さんが3名爆誕しましたが、以外にも好評でした。

俺?男の恰好とか気にする派?本当に知りたいのか?・・・聞いてみただけ?・・・あ、そう・・・

さて、一応は神前婚の後はお色直しで豪華なお公家様ムーブの衣装に御着替えすることとなった。

これも何気なく俺が話したらしい・・・

このお着替えがあるから白無垢が認められたと後ほど知ることとなった。

さて、式は無事に終わる。

里子も今日は綺麗に着飾られているが「母様たちも白い着物も綺麗!!」と大はしゃぎである。

「私も着たい!!」と言うが、俺を倒さない限り里子を嫁に出す気は無いぞ!!

新郎よ覚悟してかかって来い!!

俺は容赦する自信が無いので死ぬ気で掛かって来て欲しいものである。

さて、今回も大宴会であるが、初夜なので飲み過ぎ厳禁だ!!

今回は嫁さんたちに酒を禁止されている。

解っているさ、今日は絶対に飲まないって!!

さて、3人相手にハッスルして頑張った。

俺もまだまだ血気盛んな若者だし、綺麗な嫁さんたちが揃っている上に誘って来るからお猿さんと化したぞ!!

「元気な男の子が欲しい(美羽)」「私も里子みたいな子が欲しいな~(莉里)」「長様の子が欲しい(春麗)」何て言われたら俄然頑張るしかないよね!!

俺の大太刀が冴え渡ったぜ!!

そして、朝日が黄色いこと黄色いこと・・・

弟たちも俺の結婚を機に恋仲の者と結婚するそうである。

残念なことに寿斎はお相手が・・・きっと見つかるさ!!

さて、愛と咲耶が弟の嫁となって俺の義理の妹となる。

それぞれが弟たちと人生を共にするとのことで祝福をした。

そして、早い物で、俺の嫁が3人共身籠った・・・

日数から考えて初夜で仕込んだようだ。

俺、百発百中だよ・・・凄くね?

うん、この後は隆さん(小早川隆景)に剣術教えると約束しているので単身赴任か・・・

嫁さんと里子も連れて伺う予定だったので当てが外れたよ。

嫁さんたちに「行きたくない」と言ったが「約束は守らないとね」的な事を言われたよ・・・よし!速攻教えて戻ってこよう!!

少し指導が厳しい事となっても仕方ない。

救いは里子が俺に着いて来る事となったことであろう。

今回の指南遠征のメンバーは俺と里子以外だと長門守と数名の藤林家の者と、鳶加藤に果心に千代、源太にお香の兄弟となった。

弓ちゃんはこちらに残るそうなので長門守にも単身赴任させることとなる・・・ほんとすまん!!

おっと、忘れるところだった。

皆帰って行ったが竜様(近衛前久)は追放処分なので帰れずに俺と隆さん(小早川隆景)の所に行く。

この村に残るか迷ったようであるが、「ここに長いすれば堕落するでおじゃる」とか言いやがった!!失礼な!!

確かに料理は美味しいし、温泉も最高で健康的な生活は保障されている。

最近は神社や教会へのお客様や湯治客で賑わい始めている。

それに、振る舞い酒で振舞われた「神酒 神饌」の味を知った人々の間で噂になり、売って欲しいという商人なども現れている様だ。

そして、その商人も温泉宿のおもてなしを受けて虜になり、酒の取引打診を名目に湯治にやって来ると言う顛末を迎える。

「ここは人を堕落させる場所でおじゃる」等と竜様が失礼な事をまた言う。

創意工夫の賜物なだけ!!

温泉だけではない料理も工夫されて美味しいのは本当に仕方ない事だと思うぞ。

特にうどんと稲荷寿司に柏おにぎりは大いに受け入れられた。

将来熊本は讃岐(香川)や福岡に負けないうどん県になるかもね!!

そう言えば妖狐が唸っている。

千代もごぼう天うどんときつねうどんを食べ比べて唸り、稲荷寿司と柏おにぎりを食べ比べて「我は如何すればいいのじゃ!!」とか叫んでいたな~「どっちも食えば?」と言ったら「幼児の体が憎い!!」と言い血の涙を流していたよ。

うん、どっちも美味いよね~次は新作の海老天うどんと冬には鍋焼きうどんを導入してやろうかと思っている。

さて、何時もの様に博多を経由して毛利家に向かう。

驚いたことに毛利元就の爺様が病で倒れたそうだ。

70歳を超えているので何時ぽっくり逝ってもいい年齢ではある。

前世の世でも70位で亡くなる者は居たからな~

顔見知りだし見舞うこととした。


「おお、久しぶりですな丸目四位殿」

「そうですね、陸奥守殿と会うのは久しぶりですね」

「そちらのお子がそなたの長女殿かの?」

「里子ご挨拶!!」


一緒に連れて来た里子に挨拶するように促す。


「丸目里子!3歳!」

「里子偉い!!」


元就爺さんは俺を胡乱な目で見て「親馬鹿」と小声で言いやがった。

そして、里子には笑いかけて言う。


「ほ~利発そうなお子じゃな。3歳とは思えぬ程よの~」


おう!よく解っているじゃないか元就の爺さん!!

元就の爺さんとは少し話してからお暇した。

何と曲直瀬道三先生が来ていたのでご挨拶。


「道三先生、お久しぶりです」

「おお!!四位蔵人殿、久しいですな~」


実は俺が援助している1人なんだよね~

吉田先生(吉田宗桂そうけい)の紹介で数名の医者に援助している一人で、道三先生の息子さんの玄朔げんさく先生にも援助しているし人員を数名弟子入りさせている。

数回会ってその後は手紙のやり取りなどしている間柄だ。

道三先生にも里子を紹介した。

さて、元就爺さんの様子を窺うこととするか。


「先生、陸奥守殿はどうですか?」

「そうよな・・・」


聞くまでも無くあまり芳しくないようだ。

確か道三先生が毛利元就を診るのは前々将軍の足利義輝の派遣でだったと思うが、どうやらそれ以降も手紙などのやり取りをしていた模様。

俺が援助したりしていることで道三先生はある程度自由に飛び回っていて、今回は気になり訪れたそうだが芳しくないと診ているのであろう。


「あ~失礼、患者の事を漏らすのは良くないですな」

「ふふふふ~四位蔵人殿は機微に長けるな。言わずとも察せられるとは」

「いえいえ、何となくですよ」


うん、道三先生は漏らさずに伝える為にわざと顔色を変えられたのであろう。

少し話してから俺は隆さん(小早川隆景)の所に行く事とした。

竜様も俺とは別に元就爺さんを見舞うこととしているようだ。

毛利家も代替わりして新しい局面を迎える時期が来ているのだと直感した。


〇~~~~~~〇


また戦国時代の巨人が一人逝く模様。

毛利元就と曲直瀬道三の関係は作中にも書きましたが、足利義輝が派遣したことで1562年位から交流が出来、何度も下向して往診しています。

1566年に出雲月山富田城の尼子義久を攻めていた毛利元就が在陣中に病に罹った際に、診療した資料が残っています。

この後、毛利家領国では、専門医・専従医不足に伴う医療基盤の軟弱さが一気に解決したなどと言われています。

病気から快復した元就さんは1567年に最後の息子の才菊丸(秀包)が誕生していると言いますから元気ですね~この時、御年70歳!!

さて、それから約4年後の74歳でこの世を去ります。

食道癌だったと伝えられており、腹痛を起こして危篤に陥りそのまま帰らぬ人となったそうです。

「友を得て なおぞうれしき 桜花 昨日にかはる 今日の色香は」と言う辞世の句を残されておりますが、これは亡くなる3カ月ほど前に花見の会を催し、その席上詠ったものと言われております。

まさか辞世の句になるとは思っていな為に何気ない感じで書かれた句の様ですが実に良い句ですね~

「友を得て」と言うことは老齢でも誰か新しく知り合ったことを喜んだのか、それとも自分の死期を悟り過去の友との思い出を語ったものなのかは定かではないですけどね。

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