第163話

ギフト頂きましたのでお礼に一話ご献上!!

本当にありがとうございます!!

皆様方の暇つぶしの一助としてご利用頂ければ幸いです。


◇~~~~~~◇


いや~きつねうどん美味かった!!

うどんってあんまり見かけなかったけど、藤林の料理人が知っていた。

うん、この人中々の料理チートちゃうかとか思ったよ。

何でも弘法大師(空海)さんが唐よりうどん作りの製法を伝えたそうな、あ~そう言えば讃岐うどん有名だし、関係あるのかもしれないな。

稲荷寿司も大好評だった。

皆もきつねうどんに稲荷寿司を堪能していたよ。

中でも千代は幼女と思えない程に食べていた。

気に入ったのは解るけど、動けなくなる程食うかよ・・・

また作ることを約束させられたけど、今度はごぼう天うどんに稲荷寿司かな~

お!かしわおにぎりも有かな~前世では稲荷派とかしわおにぎり派で論争起きる程・・・キノコタケノコ戦争では無いからそれは無いか。

まぁうどん食う時に何方頼むか迷う程には両方美味しいからね~


「今度はごぼう天うどんにかしわおにぎりを作ってもらうか」

「長兄上様・・・」

「ん?何だ千代?」

「そのごぼうてんうどんとかしわおにぎりとは美味いのか?」

「おう、きつねうどんにいなりに負けぬ程には美味い!!」

「うふふふふ~何を言っているのじゃ?きつねうどんにいなりすしは至上の食べ物!最上級の神饌しんせん(神様の食事)と同格の美味さなのじゃぞ?これを超える物などないわ!!」

「ほほ~言うたな千代よ」

「なんなのじゃ・・・事実をいったまでなのじゃ」


後日、並び立つという言葉をこの幼女・・・妖狐に教えてやろう。

己が井の中の蛙であったことを思い知るがいいわ!!

さて、約束通りに千代に仙術の手解きを受けている。

始めたばかりなので特に何か術とか使えるかと言えば使えないんだけどね~

先ずは呼吸法からと言うことで、丹田呼吸法!!

鼻から息を吸い込み~一旦止める、そして~息を吐くって腹式呼吸やないか~いい!!

千代曰、かかとまで息が入れば一人前だそうだ・・・訳分らん・・・

その呼吸を繰り返し瞑想して気を巡らすそうだ。

お!何か修行っぽい!!

次に歩法を教えて貰ったよ。

何か幾つか見せてくれたけど、これって・・・武道・兵法に相当使える!!

剣術の歩法にも似た物が多く、それを言ったら「剣術の歩法に似た物がある?当たり前じゃ!仙術の真似して生まれたような物ばかりじゃしの~極めればこんなことも出来るのじゃ!!」と言って見せてくれたのが縮地しゅくち!!

まるで瞬間移動だね~5m位の距離を一瞬で移動した様に見えたよ。

駄狐とか少し思ったけど、本当にすまん!!

千代に聞けば、勿論、拳法も使えると言うことで、教えて貰うこととしている。

うん!良い拾いものと言っていいだろう。

本当に里子が拾って来たしな。

そうこうしていると、京より急ぎの連絡が届いた。


「そ、それは誠でおじゃるか!!」

「はい、二条様が糾弾されたとの事にて」

「二条太閤が・・・」


近衛殿下が朝廷より追放となった。

京市内への入場も出来ないとのことである。

所払いと言う奴だな。

そして、その報告の数日後にまた京より知らせが届く。


「公方が二条太閤を関白に推挙したでおじゃるか・・・」

「はい、近衛様が関白職を解任されましたので代わりにと言うことで・・・」

「ほほほほ~何と用意周到な事でおじゃろうか・・・狙ってやったでおじゃろうな~」

「懇意のお公家様もそのように申されておりました」

「さもありなんでおじゃる」

「更に、二条様のご子息が左近衛少将こんえのしょうしょうへとお成りあそばされ、公方様より偏諱授与を受けられて昭実あきざねと称されたとのことでございます」

「ほほほほ~二条の者どもで朝廷を独占する気でおじゃろうな」

「はい、近衛様の影響力を更に削ぐ狙いかと」

「でおじゃろうな~」


報告の者と近衛殿下のやり取りを聞く限りでは、公家の二条さんが近衛殿下を追放に追いやり、朝廷内での影響力を削ぎにかかっているようだ。

弓ちゃんに確認すると、二条家と近衛家は関白職を争う言うならばライバル関係で、今回に限らず闘争が絶えない間柄だそうだ。

今回は近衛殿下が九州に下向した隙を突かれた模様。

う~ん、確かドラマでは近衛殿下が京に居ても同じ事になっていたな~と思い出した。

確かこれを切っ掛けとして近衛殿下が信長包囲網作るとか何とかジャマイカ?

う~ん・・・朧げにしか覚えていないが、何かそんな感じだったと思う。

信長主役のドラマだとこの時期の近衛殿下は悪そうに見えたんだよね~

後から信長と仲良くなるからイケメン俳優が演じること多かったな~とか思い出したよ。

近衛殿下が風呂場で打たせ湯に打たれながら、「麿はここにずっと住むでおじゃる!!」とか言ってたけど、セリフ通りにリアルでここに滞在することになりそうな予感がするよ。

おっと、これがフラグってやつ?え?違う?

まぁ如何するかは近衛殿下次第だろうね~


「貴重な情報を急ぎ知らせてくれたこと、感謝するでおじゃる」

「滅相も御座いませぬ」


どうやら話は着いた様だ。

俺も確認することとした。


「それで、近衛殿下」

「何でおじゃる?」

「急ぎ戻られますか?」

「ほほほほ~既に追放が決まっておるし・・・戻るのは難しいでおじゃる」

「では、如何されますか?」

「ふむ・・・長よ」

「何でしょう?」

「麿の未来を占ってくれぬか?」

「占う?」

「天啓で神にお聞きすることは難しいか?」

「さて、どうなんでしょうね~某から語りかけるというより、突然お出でになりますし・・・」


うは~「天啓」お願いされたけど、知らんがな~!!

神に聞く?無理ちゃうか?まぁお世話になってる近衛殿下のお願いだから聞きたいのはやまやまなんだけど、さて、どうしたものか・・・

ふと傍らに黒棒にかぶり付き顔を蕩けさせ「美味いのじゃ~」と言っている幼女にも確認してみよう。


「千代」

「なんじゃ?今、我は忙しいのじゃ!!」

「いや、黒棒かじっているだけだろ」

「わはははは~黒棒を吟味するのに忙しいのじゃ!!」


黒棒の入った容器を取り上げる。


「な!返すのじゃ!!それは我への捧げ物ぞ!!」


いや、皆の茶請けです!!


「千代~」

「う~天啓か?」

「可能か?」

「我も知らぬわ!神は突然に話しかけて来るからの~必要な時に助言してくれる感じか?」


まぁそうだよね~ほいほい「天啓」あるはずないよね~

え?ほいほう使っていた者がいる?・・・誰だそれは?

さて、千代もそんな感じか~ってリアルに「天啓」受ける空弧ですらこれなのだ難しいかな~

歴史も変わっているし・・・先ずは事の成り行きを見ないとね・・・


「近衛殿下」

「何でおじゃる?」

「取りあえずはこちらでのことが終わってからと言うことにいたしましょう」

「おお!!そうでおじゃったな!先ずは創建後のことよな」


取り合えず先送りとした。


★~~~~~~★


上洛を果たし、日々の幕府の政務を行いつつ国元(尾張)に一度戻ろうと思った矢先、公方様が何と動かれた。

事もあろうに二条太閤と謀って近衛殿下を追い落とした。

「父織田弾正忠(信長)殿」等と持ち上げる割には何も知らせずに勝手に動きよることよ。

儂は副将軍では無かったか?まぁ断って弾正忠への正式な叙任、桐紋と二引両の使用許可のみを受け取った訳だが・・・

儂が近衛殿下と山科卿と誼を通じたと言うに何と言うことじゃ!!

しかし待てよ・・・


「山科卿も追放になれば・・・この屋敷と庵は・・・」


ふむ・・・この屋敷も気に入った。

使ってみれば解るが、守りが固い。

京の滞在時の定宿として今後とも使いたいものじゃと思うておった。

何と言っても二千や三千の兵など少数で向い打てるのではないかとすら思えて来るほどの堅牢な考えられた作り。

ここを任されている者たちの気配りも良い!!

これを作り上げたのは丸目四位蔵人殿と言う・・・何と才覚溢れる人物かと感嘆しか出て来ぬわ。

それになにより、あの庵だ!!

是非に欲しいが難しいと思うておった。

かの方たちとの誼は惜しいが、山科卿がいなければ・・・


「山科卿には悪いが・・・致し方ない、致し方ない・・・ふふふふ~」


にんまりと一人ほくそ笑み、忍び笑いをする。

そして、如何すべきかを熟考する。

しかし、この考えは危険だと後に知ることとなる。

危うく武運を捨てることになる一歩手前であったが何とか踏み止まれた。

まだまだ儂にも武運があると再認識する一幕の事件が今まさに起ころうとしていた。


〇~~~~~~〇


今回はうどんについて語りましょう!!

え?食べ物優先ですが何か?

さて、うどんは作中でも語りましたが、弘法大師・空海が唐より密教以外に色々持ち帰った中の一つと言われています。

中国発祥の食べ物がシルクロードを渡りイタリアに伝えられてパスタになり、こちら日本ではうどん・蕎麦そばとなりました。

806年に密教を全て会得したとして1年と少しで帰国した空海さんは密教含む法具の数々や日本にこれから必要であろう物を多く持ち帰ったと伝えられています。

膨大な数の貴重な品々・技術をこの時に持ち帰ったそうです。

通常は20年の留学予定でしたが2年も満たない期間で帰国しましたから通常であれば厳罰(死罪とかの可能性大)でしたが許されたと伝えられております。

さて、この時持ち帰ったものの中に「うどん製法」「小麦」「唐菓子」などが含まれていたそうで、うどんが日本で初めて伝来したのが福岡の地と言われています。

さてさて、蕎麦は実はこれより後の話で江戸時代初期と言われています。

うどん→そうめん(これも中国伝来)→蕎麦と進化したのではと言われています。

空海さんが持ち帰ったのは唐で「饂飩うんどん」と呼ばれる麺の作成技法だと言われております。

この製法を四国に伝えて讃岐うどんが誕生したという伝説すらあります。

「うんどん」は中国の発音で「うどん」になった説もあるようですが定かではありません。

しかし、「うどん」は完全な日本食と進化しました!!

中国由来の食べ物ではありますが、昔から日本人の魔改造して自分の文化に取り込み完全オリジナルとしてしまう文化はこの時代からあったようです。

現状で解っているもので一番古い物が空海さん説なのでそれが定説となっております。

さて、私が昔、四国に行った時驚いたことがあります。

四国にはごぼう天うどんがありませんでした!!

今はどうか知りませんが、当時は本当に驚きで、地元福岡戻ったらごぼう天うどん食うべし!!と思ったほどです。

そのように、うどんと言っても地域性ありますね~日本人は食に拘る民族性ですが地域地域でも拘りがあるようで、うどん1つとっても色々と特色があるようです。

さて、次回は信長の言う事件が!!

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