第159話

♡10,000オーバーしそうなので先行で一話お礼UP!!

応援頂きました皆様感謝!!


◇~~~~~~◇


近衛殿下も山科様も蕩けるような顔で温泉を堪能している。

俺が欲しくて作った打たせ湯も堪能して「ア~ヴァ~ヴァヴァヴァヴァ~」と奇声を上げながら顔を蕩けさせて打たれているので気に入ったのであろう。

打たせ湯って気持ちいいよね~今では老若男女問わずに皆が風呂の時には必ず1度は打たれているようだ。


「麿はここにずっと住むでおじゃる!!」

「近衛殿下・・・何さらっととんでもないこと言っておられるのですか」

「麿はこの打たせ湯と言うものが気に入ったでおじゃる!!」


近衛殿下は余程に気に入ったようだけど、ずっと打たれると疲れるのでそれを教えると渋々といった感じで打たせ湯から出て来た。


「はははは~儂も気に入りましたが殿下はそれ以上に気に入られたようですな」

「ほほほほ~まさにそうでおじゃる!ここに着いて来た甲斐があったでおじゃる」


和気藹々と風呂を堪能。

打たせ湯以外にも湯量が豊富だから出来る深めのお風呂とか、檜風呂とか、蒸し風呂等々と温泉施設は万全ですよ!!

ジャグジーが再現できなかったのが残念ではあるけどね~

風呂上がりにウイスキー擬きのソーダ割りを出すと驚きつつもその喉越しを堪能されていた。

風呂上がりの炭酸のシュワシュワ感がたまらん!!

九州だから氷室とかは難しいけど、氷入れてロックとかでも飲みたいね・・・あ~関東の方とかに拠点でも作って別荘にしちゃう?

うん、金持った無職・・・いいかもしれない!!

いや、働かんとね・・・いかんいかん、欲望に流されそうになったぞ。

さて、風呂の後は少し涼んでから夕食だ。

今回はおもてなしご飯と言うことで色々と用意してます!!

八代は意外と海にも近いので山海の幸を堪能してもらう予定だ。

刺身食いて~とか思ったのだけど、生食での寄生虫怖いので火を通したりするけど、それでも美味しかった。

八代の海は不知火海しらぬいかいと呼ばれる。

何でも旧暦の8月1日の深夜に海上に現れる不知火からそう呼ばれるそうで、天草諸島に囲まれた内海で、遠浅の海。

前世の頃は水俣病とかの影響で海が汚れていたとか前世の祖母ばあちゃんとかに聞いたけど、俺の知る海はまぁそこまで汚染とか無くて普通に取った魚食えたけど、初めてこの時代の芦北(熊本県の南部)の海とか見た時は余りの綺麗さに感動したし、不知火海は凄く綺麗で見入ちゃったよ。

おっと、飯の話だったな。

今日の献立は海鮮尽くし!!

干物の焼き物もあれば普通の塩焼きもあり、天然のアワビとかも少し熱入れて刺身にしてもらったよ。

他にも色々ご用意したぞ!!

何と藤林家の中に料理人居て京で修行したと言う中々の腕前の人居たので料理長に任命!!

いや~藤林家万能説が俺の中で囁かれている。

忍び込むためには色々な職業を経験する必要があるそうで、適性に合った職を見つけ極めることで潜入もし易くなるらしいけど・・・藤林家を家ごと引き抜いて良かったと思う出来事だったよ!!

いや、勿論、忍者として考えているけど、良い副次的な要素だったよ。

さて、味噌サバとかも作って貰った。

ご飯が進むこと進むこと!!

おっと、接待忘れてご飯掻き込んでたわ・・・

見れば近衛殿下も山科様も海の幸を肴にお酒を楽しんでいた。

うん、それもよし!!


「やはり、ここに住むでおじゃる!!」


うん、京に戻るまでは堪能して欲しい。

そう言えば、一応は伝えていたが改めて伝えることとした。


「お二人とも食べながら聞いてください」


こちらに注目する二人。


「伝えていたと思いますが、創建後に俺は神前婚を行います」

「おお、そうでおじゃったな!!」

「はい」

「勿論、美羽の義理の父として参加するでおじゃるぞ」

「はい、では、宜しくお願い致します」

「うむ」


それを言い終えると近衛殿下はまた食事を堪能し始めた。


「勿論、儂も同じく春麗の義理の父として参加するが、主上より莉里皇女の事も託されておる」

「左様ですか」

「うむ、主上よりお言葉も頂戴しておるで祝いの席にて伝えようぞ」


そう言うと山科様も食事に戻った。


「父様!婚儀と言うことは妹出来る?」


里子が期待の目で見て来る。


「ああ、妹か弟が出来るかもね・・・」

「やった~~~!!」

「そんなに妹欲しいの?」

「うん!欲しい!!しっぽをさわさわするの~」

「・・・しっぽ?」


何やら言葉がおかしい気がする・・・これは詳しく後ほど聞いてみよう。

美羽・莉里・春麗を見ても里子の言った意味は解らないようだ。

同じく、里子の面倒をよく見てくれる弓ちゃんやうちの母等も「?」であるようだ。

本当に何だろうか「しっぽ」とは・・・


★~~~~~~★


「え?近衛殿下が追放?」

「はい、懇意にしておりますお公家様より今日の朝議でそう決まったと急ぎ知らせが参りました」

「何故そうなる?」

「何でも二条太閤様が永禄の出来事(永禄の変)は近衛殿下の暗躍ありと言われ、世を騒乱させた罪としてとのことを言われたそうにて・・・」

「近衛殿下も山科様も不在の時を狙われたわね」

「知らせてくれたお公家様も同じことを申されておりました」

「急ぎ知らせないといけないけど・・・九州は創建で目出度い時に水を差す報告は・・・」

「はい、そうですが、知らせねばなりますまい・・・」

「そうね~・・・」

「お金様」

「何?」

「今、知らせても水を差すので、少し遅らせて伝えられては?」

「いえ、蔵人様は情報を正確に早く伝えることに価値があると言われました。それはどんな情報でもと言われました」

「最悪の情報もですか?」

「そう、速く知ることが出来れば対応も早くなるからこそ正確な情報をより早くと言われたわ」

「相分かりました。では、早速に蔵人様に伝えねばなりませぬな」

「急ぎ手配して!!」

「承りました!!」


間違いなく近衛殿下の追い落としが行われた。

丁度その件に関わった私は近衛殿下が将軍弑逆に暗躍などしていなかった、寧ろ何とかしようと動かれたことを知っている。

しかし、近衛殿下の妹だけが助け出されたことが嘘でも信憑性を与えてしまっている。

態々三好日向守が届けたことがここに来て仇となっている。

それにしても、二条太閤か・・・近衛殿下とは政治的な敵対者だったわね・・・

何を狙っている?

数日後に将軍様(足利義昭)の推挙にて二条太閤が関白に返り咲いたことを知り、狙いがここにあったことを知る。

流石は朝廷の実力者だ。

将軍様とも繋がっているのであろう。

慎重に動かねばならないわね・・・ここは敵地のど真ん中と考え動かねば危ういと言うことを悟る。

背筋に冷たい物が流れるが、ここが私の腕の見せ所、気合を入れ直して側近に語りかける。


「うまく立ち回らないと命を落とすわね」

「腕がなりますな」

「ふふふふふ~貴方も存分に腕を振るいなさい!!」

「良いので?」

「こちらに仕掛けて来るなら仕方ないわよね?」

「ふはははは~そうですね」


側近と笑い合い気合を入れ直す。


「先ずは九州に連絡ね」


〇~~~~~~〇


里子が言った「しっぽ」とは?

次回この件は話が進展する予定です!!

さて、上記が気になる事でしょうが八代海について語ります!!

北は有明海、南は東シナ海につながっており、熊本県と鹿児島県にまたがる内海で、古くは伊勢の海とも呼ばれていたそうです。

遠浅の海であることから古くから干拓が行われており、元々は島であったものが地続きになった地形も珍しくないそうですので今の地形と当時(戦国時代)の地形は大分違う様です。

閉鎖性の高い海域の内海で、現在も海運会社は台風などの海上荒天時の避難先としてこの海域を使用することもあるそうですから、かなり波の穏やかな海域となります。

1940年代頃に水俣市にあるチッソの工場廃液が垂れ流されたことにより水俣病が発生したそうで、有機水銀に海が汚染されその海で取れた汚染された魚介類を食したことにより、数多くの犠牲者を出したそうです。

その後、有機水銀を含んだヘドロを浚渫しゅんせつし埋め立てるなどの再生事業により浄化され、現在ではそこで取れた魚介類を食べても安全上問題ないほどに環境が回復しているそうです。

それにしても不知火海と言う呼び名はかっこいいですね~火の国熊本なのに不知火!!

不知火とは何か?

デコポンの一種で・・・ここでの不知火は不知火違いです!!

九州に伝わる怪火の一種と言われています。

漁火が大気光学現象によって異常屈折した結果だと解明されているそうで、千灯籠せんとうろう竜灯りゅうとうとも呼ばれるそうです。

簡単に言うと蜃気楼の一種!!

始めは親火おやびと呼ばれる火が対岸から数キロ先の沖に1~3つくらい現れます。

最終的には数百から数千もの火が横並びに並ぶ光景になるとのことですから凄いですね~

江戸時代位までは妖怪と思われていたようです。

妖怪や海で死んだ人々の人魂などと思われていたようですから付近の漁村では不知火の見える日に漁に出ることを禁じていたそうです。

逸話としては、景行天皇が熊襲くまそを征伐時に海で遭難しかかった際にこの不知火が現れて「あれを目掛けて行け!!」的な事を言って岸に何とか辿り着いた伝説が残されておます。

熊襲と言うのは大和政権に抵抗した南九州の人々で服従した人々を隼人はやとと言いました。

昭和になるとフィンランドのオーロラの様に観光資源として活用されたそうですから中々面白い自然現象ですね~

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