第155話

京よりの報告で摩利支天様の社の除幕式的な場で大事件が起こったそうだ。

真里の遺髪を摩利支天様の像に収めた瞬間に、像が光を放ったと言う。

まさかね~とか思ってしまうが、それが摩利支天様の言うサプライズなのかもしれない。

いや、こちらでも同じようなことあったみたいだし・・・こちらは建造中なのにお供え持って来る人もいる程だよ。

あちらではその光景を見た人々は漏れなくあの社の信者確定だろうな~と遠い目となった。

神社の名前を特に決めていなかったから普通に摩利支天神社となるのだが、巷では光明神社・光神社・後光神社等とも呼ばれているそうだ。

逼塞ひっそく(自宅謹慎)明けに致仕を願い出たが中々お許しでないな~とか思ってたら。

一時保留されていたようであったが、何とかお許しが出たようだと前に話したと思うが、九州内の他の家に仕えることはしないようにとの約束の下に依願退職は認められた。

もう仕えるの本当に懲り懲りだよと思ったから即OKしたほどだよ。

口約束では甘いとでも思ったのかね?

起請文きしょうもんで誓約までさせられたよ。

破る気は無いよ~だってさ~上司に阿るの疲れるじゃん!!いや~疲れたよ~マジで!!

さて、後3カ月程でこちらのお社も完成予定である。

一応は京に連絡したよ。

山科様が連絡欲しいというから連絡したんだけど、何か朝廷からも見届け人が来るとか何とか・・・

噂が広まった様で、各所から連絡が来るんだけど?

この間まで争ってた島津とかからも創建時に除幕式的なことする際に参加希望を言って来た。

他にも近郊からは伊東とか東郷とか龍造寺、毛利からも来たから驚いた。

後は大友や大村からも来るようだけど、こちらはキリスト教の教会の方かな?

何やかんやでキリスト教側も神社に合わせて式典をするそうだ。

この間見に行ったら熊の上に立つ羽の生えた人らしきものが鎮座していたよ・・・

あの熊ってクマモンかな?

忘れていたけど天狗ガブリエルは黒い熊に跨ってとか言っちゃったからああなったのかな?

将来、あの像を見た人々はどう思うかな?

うん!深く考えるとヤバい気がするので考えるのを止めた。

来たいというからお返事出しておいたよ。

島津は義弘さん来るみたい。

龍造寺は鍋島さんが、毛利からは隆景君来るみたいだね~

大友からは俺との関係からか戸次べっき道雪どうせつさんが来るようだ。

俺と関わりある人物たちが来るようなので気は楽?かな?


父様ととさま、千代は私の妹じゃないの?」

「そうだな~妹ではなく叔母さんかな?」

「叔母さん?」

「そう、俺の義理の妹になるからな~」


そう、赤ん坊だった千代を父母が気に入って養子として向えた。

里子(孫)も可愛いのだが、面倒を見ている内に赤ん坊の千代も可愛くなってしまったようだ。

千代も2~3歳程となる。

里子ほどの成長速度は無いが、栄養状態もよく、すくすくと育っている。

この子も何だか普通の子じゃない様な気がする。

何だか偶に物知り顔でこちらを見るような気がするのだが・・・気のせいかな?


「そう言えば、里子」

「何?」

「今は勉強の時間じゃなかったか?」

「そ・・・それは・・・」

「ん?逃げて来たか?」

「ご、ごめんなさい・・・」

「まぁ偶には勉強したくない時もあるさ」

「え?怒らないの?」

「今回だけだぞ」

「父様~大好き~」


里子が抱き着いて来た。

うん!可愛いな~

里子の結婚相手は先ず俺を倒さなければ認めんぞ!!

常日頃からそんな事を言っていたら嫁たちに生暖かい目で見られるんだが・・・

里子と造営中の社群を抜け、真里の安置された最奥の社に散歩がてら行くこととした。


★~~~~~~★


今日は何となく勉強する気分になれずこっそりと抜け出した。

抜け出した先の縁側で父様が日向ぼっこをしている。

先程まで居た部屋の方から莉里母様の「里子が逃げ出した!!」と言う声が聞こえる。

急ぎ父様の下に向かう。

父様の近くに居れば母様たちは怒らないから見つかる前に父様の所に行かないとね。

あ!そう言えば、千代が妹じゃないと言われた。

私が拾ってとお願いしたのは妹が欲しかったと最近思うようになった。

父様に千代の事聞いてみよう。


父様ととさま、千代は私の妹じゃないの?」

「そうだな~妹ではなく叔母さんかな?」

「叔母さん?」

「そう、俺の義理の妹になるからな~」


父様の妹になるみたい。

だから私にとっては叔母さんになるそうだ・・・変なの。


「そう言えば、里子」

「何?」

「今は勉強の時間じゃなかったか?」

「そ・・・それは・・・」

「ん?逃げて来たか?」

「ご、ごめんなさい・・・」

「まぁ偶には勉強したくない時もあるさ」

「え?怒らないの?」

「今回だけだぞ」

「父様~大好き~」


途中で莉里母様に見つかったけど、父様が何か言ってくれた様で「今回は赦す」と言われた。

うん!助かった。

莉里母様の姉で私を産んでくれた母様である真里母様の所に父様と行くこととなった。

父様の横に居るのが真里母様だけど、内緒らしい。

2人だけの秘密だ。

真里母様の体のあるお社の中に入ると真里母様が何時もの様に眠っている。

不思議だけど、真里母様はこの世では死んじゃったんだって。

でも、何時も父様の横に居て私に笑顔を向けてくれる。

今日も頭を撫でてくれた。

社を後にして家に戻る。

この家ももう少ししたら引っ越すらしい。

何処に行くのか聞いたらお社の近くらしい。

うん!楽しみだ。


〇~~~~~~〇


里子はどうやらシックスセンス持ちのお子様のようです。

さて、人間には五感と言う感覚があります。

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を五感と呼びます。

更にその五感以外のもので五感を超えたものを第六感シックスセンスと呼びます。

インスピレーション、直感、霊感、勘などを指して第六感シックスセンスと呼ぶことが多いようですが、超感覚的知覚ESPも第六感となります。

テレパシー、予知、透視、千里眼等々の超能力がそれに該当するようですが、これは古来からそう言った能力を得る者は居た様で、修行僧等の修行者は第六感を得ることが多かったようです。

実は仏教用語で六神通ろくじんつうと言う物がありますが、神通力と言うのは実はこの六神通を指して言います。

仏・菩薩が持つとされる6種の超人的な能力を指す言葉でもあります。

その能力とは神足じんそく通、天耳てんに通、他心たしん通、宿命しゅくみょう通、天眼てんげん通、漏尽ろじん通の6つです。

神足じんそく通は自由自在に自分の思う場所に思う姿で行き来でき、思いどおりに外界のものを変えることのできる力と言われています。

天耳てんに通は世界全ての声や音を聞き取り、聞き分ける事が出来る力、他心たしん通は他人の心中を全て読み取る力、宿命しゅくみょう通は自他の過去の出来事や生活はたまた前世など全てを知る力、天眼てんげん通は一切の衆生の業による生死を遍知する智慧にて一切の衆生の輪廻転生を見る力、漏尽ろじん通は煩悩が尽きて今生を最後に二度と迷いの世界に生まれないことを知る智慧を得て生まれ変わることはなくなったと知る力を指すと言われます。

全てを備えることで悟りの境地に至ると言われる物です。

しかし、これも別カテゴライズがあり、第六感はこの境地の前段階で、第七感セブンセンス、更には第八感エイトセンスと言う物があるようです。

更には第九感ナインセンスなるものがあるという者も居ます。

第九感を別名ラプラスとも言うそうですが、六、七、八感も持ち予知・予測が出来る人を指すそうですが、ラプラスと言えばラプラスの悪魔!!

フランスの数学者のラプラスさんによって提唱されたもので、因果律に基づいて未来の決定性を論じる時に仮想された超越的存在の概念で超人間的知性を指してそう呼びました。

簡単に言うと一つの物事を把握して解析し未来を見通し、その一事象から全てを知る存在なんですが、本当に簡単に言うと全知全能を指してそう呼ばれるそうですが、粒子力学でこの存在を否定されました。

全知全能を否定?正直ここら辺になると訳分りませんね。

ここら辺の話は奥深い為、調べれば調べる程に沼に嵌るので知りたい方は頑張ってください!!

今回は簡単にまとめましたが、本当に奥深い話で、悟りとは人が神・悪魔の様な超常的な存在になる事だとも言われますが、確かに神通力を得たら超常的存在となるでしょうね~深い深い話ですが今回はここまで!!

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