第144話

♡9,000オーバーです!!

応援頂きました皆様感謝です!!

ご指摘有りましたので文書を大幅改修しました!!


◇~~~~~~◇


やること一杯の俺であるが、勿論、優先順位と言う物がある。

一番重要なのは、真里の聖骸の安置。

早速とばかりに俺は、いや、俺達は真里の聖骸を例の要塞型お社へと安置しにやって来た。

紹さんに連絡してお社の群の最奥の位置に安置する予定の小殿を作っている。

関係者以外勝手に入れないように最奥に立ち入り禁止の区域を設け、そこに建てる小殿を守る様に藤林一門にはお願いしている。

一応は長門守にここを任せたかったが、護衛をと言い張られ、代行として藤林の他の者が神主として在中する。

そして、ここを中心に忍者育成も出来るような施設各種も建造予定だ。

莉里、紹さんや他にも数人に相談して、現在、直ぐに俺が用意できる金額である30万貫を更に投入予定として立派な神社群を作り、神社の山門下の所に家を新しく建ててそこに住むことを考えている。

藤林の者たちも住むだろうと思うのと、京や各地で現在スカウト中の孤児たちも後々住むことになるだろうと村規模の家も建つこととなっている。

全て含めても30万貫あれば、多分、余裕だろうけど、お金の節約重要だよね?とか思い、古代ローマのコンクリートを採用した!!

勿論、昔ながらの石積の城カッコいいよね~とか思って歩き巫女の情報網を駆使して穴太衆探したよ!!

と言うか、以前に少し揉めた根来寺経由でのご紹介で、石工の石垣を得意とする人々をご紹介頂きました!!

困窮していたので九州に移住してもOKと言う人々を連れて来て立派な石垣と古代ローマのコンクリートを使った、時代を可成り先取りしたハイブリット石垣を作ってくれているぞ、よく知らんけど。

よく古代ローマのコンクリート知ってたね!と思うだろ・・・そんな物は定番よ定番!!

異世界転生もの、戦国もので皆使うから前世で調べたさ!!

以外にもここで材料は手に入り易いようで費用もそんなにかからないが、材料の火山灰・石灰・火山岩を入手時には何に使うの?的に変人扱いの様な奇異の目で見られたとか何とか・・・

更に、海水とか使うので、こんな山奥に態々海水運ぶものだから更に奇異の目で見られたが、あまりにも奇異な目で見られることで自棄になった紹さんが苦し紛れに「恵比須様祭るので必要です!!」と言うと皆から納得された模様。

うん、神が関わる事って意味不明でも皆信じるよね~

紹さんにも「こんなものでどうなるんですか?誰に教えて貰ったんですか?」て文で質問されたよ。

今回も「天狗様」で乗り切ったよ・・・

紹さんも神頼みだったし、俺も天狗様頼みだよ!!

え?一緒にしたら駄目だと?・・・いや、いっ・・・はいはい分かりました!!

紹さんは古代ローマのコンクリートを商材として何やら考えているようだ。

商人は本当にたくましいよね。

しかし、これがまた儲けの種となり後々芽吹く頃には俺も紹さんに投資していたのでリターンで今回の予算以上に金銭を手にして資産が膨れ上がるのであるが、それはまた別の話。


★~~~~~~★


2XXX年、色々な事を乗り越えたこのハイブリッド石垣はある大きな地震の際も全く崩れなかったという事で、世界が俄かに注目する。

その後も老朽化など考えられないとばかりにこの石垣は健在で、この大社を土台から支えた。

ある権威ある調査団が色々と調査してもどうしてこんなに強固なのかはようとして知れず、神の奇跡と持て囃され、海外では「God's stone wall神の石垣」と呼ばれる。

勿論、丸目蔵人はそんなこと知る所ではない。

現代の科学知識に於いてもその強固さを解明できなかった。

同じようにこの戦国時代の石垣にローマンコンクリート擬きを使った石垣は幾つも散見する。

文献で日本で初めて作られたのがここであると資料に残されているので、他の石垣はここを模倣したものと言う意見である。

しかし、同じ工程で作ったであろうにも関わらず、他の石垣と比べ頑強さは比べるまでもない程にこの石垣が圧倒的に強固だと専門家が皆語る。

本当に神の奇跡が起こったのかもしれないが、未だこの石垣の謎は解明されていないそうだ。

世界の聖地の一つとも呼ばれるここは今も多くの者が訪れている。

その際に不思議な経験をする者も多く居た様で、益々世界で注目を浴び、パワースポット・ミステリースポットとしても知られる。


★~~~~~~★


さて、真里を安置してある程度完成したところで開山し、神宮を創建とする予定だが、先に真里を安置する。

神事となるので本当の宮司の藤林の者が祭事を取り仕切る。

朝廷の紹介で伊勢神宮に修行にまで行った本物だ!!

真里の聖骸を安置して神事を執り行うと何とも不思議な事が起こる。

何だか空気が浄化されたような・・・多分、俺の気のせいだろう。

しかし、後日、山を遠くから見ていた者たちが神事の最中にこの神宮の方で謎の光を目撃している。

皆が皆、「神々しい光を見た」と言うが・・・「山全体が神々しく輝いていた」と言う者もいたが何が起こったかは謎のままだ。

神事が終わってもまだまだ完成は先の話だ。

そして、相良家に仕えることになった俺は京の方に行くことが難しくなった。

近衛殿下や山科様には摩利支天様の社が完成する前には京に戻ると伝えていたので、事情を説明し戻れないことを文で伝えることとした。

そして、開山を来年として粛々と造営していく。

開山後にここで神前結婚を執り行うこととしているので一応はその事も文で伝えることとしよう。

さて、そんな中、事件は突然やって来る物だと知った。


★~~~~~~★


長たちが旅だってこの屋敷も火でも消えたかのように静かになった。

あの賑やかだった日々が、少し前までの出来事なのに遠くは昔のように感じてしまう。

長が残していった者たちも居り、以前よりも家人は多い。

砦の様になった我が屋敷を守る様に以前より三十名程の家人が増えた。

そして、真里皇女様を安置しておった庵は茶室へと生まれ変わった。

長の指示だと言う。


「蔵人様より好きなだけ茶の湯を楽しんで欲しいと伝える様にと承っております」

「左様か・・・粋な事を・・・」


庵に入り見渡せば実に趣があり、儂は直ぐに気に入った。

それに、何というか、ここの空気は清浄で落ち着く様な気がする。

早速とばかりに茶を点てて飲んでみれば、甘露!!

何という事だ!今まで点てた中で最高の手前である。

そして、何度も使う内にあることに気が付いた。

この庵で茶を点てると美味い!!

間違いなく美味くなる!!

不思議なこともあるものよと思うたが、そうなると人に自慢したくなる。

早速とばかりに近衛殿下をお招きして茶を点てる。


「美味い!」

「左様ですか(にやり)」


どうだ!とばかりに近衛殿下を見れば驚いている。

そうだろう!何故?と言われても解らぬがこの庵で点てた茶は甘露になる。

同じ茶とは思えない程に美味い!!


「山科卿・・・腕を上げられたでおじゃるな!」

「ははははは~ありがとうございまする」

「して、何処の茶をご使用でおじゃる?」


特に以前から使う茶で、変えた覚えは・・・

そこではたと気が付く。

本宅の茶室で同じことをしてもここまで美味いと感じたことは無い。

茶自体の美味さはあるが、ここで茶を点てると間違いなく美味い・・・いや、それは解っていたこと・・・では何だ?

儂が考え込んでいると、近衛殿下が不思議そうに儂を見て訪ねて来る。


「如何したでおじゃる?」

「いえ、実はここで点てた茶は何故か美味しゅうなります」

「山科卿の腕が上がったのではなくでおじゃるか?」

「左様です。本宅にて同じ所作で点てた物と比べても明かに違います」

「では、今試してみようではおじゃらぬか」


本宅に戻り茶室で茶を点てる。


「ふむ、美味いは美味いが、先程の庵と比べると・・・普通でおじゃるな」

「左様でございますな・・・」


その後は近衛殿下も同じ様に本宅と庵で茶を点てて味比べをすると、近衛殿下の茶も庵で点てれば、「甘露!!」と言いたくなる程に美味い。


「不思議なことでおじゃるの・・・」

「左様でございますな・・・」

「確かここは真里皇女様の聖骸を安置しておった場所でおじゃったな?」

「はい・・・」


何が起こっておるかは解らぬが、ここの庵に居ると落ち着き、何だか活力が湧いてくる。

不思議な事よ・・・

近衛殿下もこの場を気に入り、暇があれば遊びに来るようになった。


〇~~~~~~〇


亡くなったヒロインが神格化?

さて、ローマンコンクリートですが、Web小説の鉄板ネタですね~

浪漫コンクリートなどとも呼ばれます・・・(知らんけど)

さて、このコンクリートはどういう物か?

ローマ帝国の時代に使用された建築材料で、本文中でも書きましたが、火山灰・石灰・火山岩・海水を混ぜて作るコンクリートとなります。

火山岩の代わりに煉瓦とか石の瓦礫を砕いて混ぜた物も多く散見されるようです。

耐用年数寿命が100年ほどと考えられていましたが、約2000年ほど経つ現在でも強度を保っていると言うのですから驚きの建材です。

どうやら海水を混ぜることがポイントのようで、1000年を超えて来ると謎の存在進化を遂げて強度UPするようです。

何故、存在進化するかは未だ解っていないようですが、コンクリート内で新しい鉱物が形成されることで強度が増すようです。

建築に詳しい方が居れば現代の鉄筋コンクリート比べ耐用年数が長い事にお気づきかと思います。

現代の一般的な鉄筋コンクリートは耐用年数50年~100年と言われております。

鉄筋が錆びて強度が落ちるからなのですが、この古代コンクリートは鉄筋を持たないので、中性化してもコンクリート自体の強度は数千年間保たれ続けるようです。

ローマ帝国って何時?と思う方も居ると思うので少し説明すると、紀元前からあった国で、オスマン帝国により滅ぼされる1453年までの長い歴史を持つ国でした。

さて、話は戻し、ローマンコンクリートは古代コンクリートと呼ばれます。

若しかすると現代のコンクリートはローマンコンクリートじゃないの?と思うかもしれませんね。

違います!!

現代のコンクリートは1824年に英国の職人さんが発明し特許出願したポルトランドセメントが原材料となる物となるので別物です。

ポートランド島で採れるポートランド石と言う建材に硬化後の風合いが似ていたことからそう名付けられたそうです。

現代のコンクリートに比べローマン古代コンクリートは堅牢性・耐久性が優れていたようですが、無筋コンクリートなので、曲げや引張力ひっぱりりょくに対しては脆いという欠点があるようですが戦国時代なんかでは勿論、有用な建材です。

九州は阿蘇山や桜島などの火山があることからも知識があれば可成り使えたんじゃないかな?と思います。

最古のコンクリートは現在で9000年前と言いますから世界にあるにはあったのですし、戦国時代も使おうかと思った人居なかったの?と思うかもしれませんが、日本の場合は木造の方が長持ちするので城などでは使われなかったようです。

若しかすると地震大国日本なので作ってみたけど倒壊したとか・・・あるかもとか思っちゃいました。

石垣とかには補強材として使えそうなんですけど、使ったと言う事例は見ないので、まぁ伝わっていないのかも?

異世界モノでもこのコンクリートを使うの散見されますが、意外とどういう物か?と言うのを知らないと凄さ解らないですよね~異世界モノなら魔法でえいやー!!てした方が私的には「おー!すげー!!」とか思っちゃいますけどね~

数話は主人公以外の人々の事中心に書きます!!

ローマンコンクリートの件で、「中世ヨーロッパの時点で失われた技術を何故、宣教師が知っているのか」と言うご指摘いただきました。

単純に私の知識不足で知らなかったので大幅に文章を改修することとなりました。

ご指摘感謝と共に、うん!知識って膨大で知らないこともまだまだあるし新しい事を知るのは実に楽しいですね~

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