第122話
「第9回カクヨムWeb小説コンテスト」応募してたの最近思い出しました!!
この作品も条件を満たしたので賑やかしで出してたんですが・・・何と「エンタメ総合」の方で中間選考に残っているようです・・・読者の皆様感謝!!
ほぼ応募したこと忘れてた私ですが・・・評価頂くのは嬉しいのです!!
感謝!!ありがたや~ありがたや~
◇~~~~~~◇
目の前には対戦相手の
俺は何時もの様に袈裟斬り特化の構えでジッと相手を見詰める。
休憩時に天子様をご接待した際に大変に褒められた。
2人の弟子も残っていることからもお褒めの言葉を頂いた。
真里は義理の娘となるし、美羽も近衛家の義理の娘なのでこの櫓への入室を許されご対面している。
莉里が居ないな~とか思っていたら此方で天子様のお接待兼解説を行っていたようだ。
近衛殿下も此方で天子様と共に御観覧されており、お褒め頂いた。
さて、その後は試合が何時もの様に始まり冒頭に戻るのであるが、嶋さんは中々出来る様だ。
武将としては完全に負けているが、剣術に関しては負けるつもりは無いよ~
相手はあの石田三成に「治部少に過ぎたるものが二つあり、島の左近と佐和山の城」と褒められた人物だ。
「しぶしょう?さわやまの城?」
「あ~独り言」
「余裕だな・・・」
あ~集中していて独り言ちっていた様で言葉を聞かれたようだ。
まぁ今はまだ石田三成に仕えていない時期だし解らないよね~
睨み合いのような状態ではあるが、ただボーとしている訳ではなく、集中して目まぐるしく色々考えている。
相手は如何か知らないけど、俺は相手の情報を精査している段階だ。
うん!何時もの様に「燕返し」を放ち様子を見るか?
相手の一瞬の気の揺らぎを見るや否や袈裟に斬ると慌てて避けたが避けたことで此方がスキだらけと思った瞬間に返す刀で相手の木刀に一撃を与える。
うん!何時もの様に綺麗に決まり、そのまま体勢を崩している嶋さんに切先を添える。
「ま、参った・・・」
やられた~ってのが顔に出ているが、負けを認めるとは潔いね~
「勝者!!丸目四位蔵人!!」
意外とあっさりと勝負がついたよ!!
信綱師匠に勝って万能感はあったよ・・・でもね~何か何時もよりも技の切れがいいような気がした!!
これがゾーンに入ったという事か?それともレベルアップでもしたかな?
何時もよりほんの少しだけど振りの速度が速く技の切れが増している気がする。
あっさり決めたが大歓声で何時もの様に応援とも野次とももつかない俺への声援が飛ぶ。
★~~~~~~★
今をときめく丸目四位蔵人殿。
幸運な事にここまで勝ち残り、この御仁とやれるとは!!
ここまで残れるとは思っていなかったので幸運な事じゃ。
太鼓の合図で試合が始まった。
儂は正眼に構え様子を窺う。
四位蔵人殿は上段斜めに構え微動だにしない。
目線が儂を舐めるように上から下へと移動していることから色々と考えているのやもしれぬ。
此方も同じく相手の様子をつぶさに眺める。
その時、四位蔵人殿が呟いた。
「治部少に過ぎたるものが二つあり、島の左近と佐和山の城」
「・・・」
何と言うた?
「しぶしょう?さわやまの城?」
「あ~独り言」
ニヘラと笑い独り言と言う。
「余裕だな・・・」
凪いだ様なまるで殺気を感じない人物で掴みどころがない。
普通は相対すれば相手に気を多少なりとも飛ばすものなのだが全く感じられぬ。
いや、それほどに相手は自然体なのやもしれぬ。
自分で開催したこの大規模な野試合で負ければ恥じゃ。
なのに気負いもないのか?
有りの侭過ぎて相手の思惑が読めぬ。
此方から攻めようとも思うたがスキが見当たらぬ。
相手は全く微動だにしない。
動かぬならば此方からと思った瞬間に相手の袈裟斬りが飛んで来た。
慌てて避けたがスキが見えた!!
そう思った瞬間、突き上げるような衝撃が腕に伝わり木刀を跳ね上げられた。
次の瞬間には切先が目の前に・・・
「ま、参った・・・」
何も出来なかったことが悔やまれる。
しかし、此方の心を見透かしたように此方の攻撃しようとした一瞬を突かれたわ・・・
先の先の攻めのお手本の様な一撃じゃ。
此方の気勢を読んだ?・・・此方は全く読めなんだが・・・
それだけ実力差があるのであろう。
是非とも教えを請いたいものよ!!
しかし、松永と仲ようしとると言うし・・・頼んでも無理か?・・・いや、駄目元で後ほど乞うてみようぞ!!
★~~~~~~★
嶋さんから「後ほどお願いの儀がある」と言われたが・・・何だろ?
まぁ無理は言わないよね?
試合場を後にすると、美羽と真里が讃えてくれた。
「お前たちの健闘も祈っているよ」と言うと気合を入れ直したようだ。
次は美羽の出番である。
美羽は不戦勝で体力温存した。
逆に胤栄さんはフルで戦い林崎さんに最後まで消耗させられた。
これがどういう結果に繋がるか・・・
胤栄さんと美羽の腕前は少し胤栄さんが上かなとは思っているが、連戦の胤栄さんと体力温存した美羽と言うのは中々の接戦になりそうな気がする。
予想通り、胤栄さんの動きが少し鈍いような気がする。
逆に美羽は何時も以上に軽やかに見える。
しかし、流石は胤栄さん、すんでの所で決定打を与えない。
そうこうしていると「ドン!!」と半分過ぎた合図の太鼓が鳴る。
美羽はまだまだ余裕がありそうだが、胤栄さんは汗だくだ。
肩で息をしているがスキは見せない。
そして、美羽も休ませる気がないようで余裕を持ちながらも攻撃の手を緩めない。
あ~やっぱり体力尽きたか?
胤栄さんに大きなスキが・・・あ~誘ったのね・・・
しかし、疲れからかスキを作って誘ったは良いが、そのまま食い破られて胤栄さんは負けてしまった。
負けが分かった瞬間に崩れる様に倒れ大の字で寝そべり荒い息で「負けた、負けた、わははははは~」と息も絶え絶えなのに豪快に笑って御座る。
姓も根も尽きたと言う感じで係の者の介護を受けながら胤栄さんは退場していった。
次はいよいよ今日最後の試合だ!!
〇~~~~~~〇
宝蔵院胤栄に美羽(ヒロイン)が勝ちました!!
宝蔵院胤栄は、上泉信綱から新陰流を、大西木春見から香取神道流を、高観流の大膳大夫盛忠から槍術を学び、柳生宗厳や穴沢浄見らとともに表15箇条の形を作り、それを槍術の基本として、宝蔵院流を創始したと言われています。
宝蔵院流の槍術の真骨頂は十文字鎌槍と言われております。
門人には中村尚政、高田又兵衛、可児才蔵などの有名人が名を連ねます。
中村尚政は宝蔵院流中村派を完成させ、江戸幕府三代将軍の徳川家光の前で三度にわたり技を披露した槍の名手と知られます。
また、高田又兵衛はまたの名を高田吉次と言います。
宝蔵院流高田派槍術を完成させた槍の名手で病床の徳川家光の病気平癒祈願のため、十文字槍の奥儀を披露したと言われております。
可児才蔵または可児吉長は「笹の才蔵」と称される武辺者で、手柄首を多く落とし過ぎて持ち歩けないという事で落とした手柄首に笹を咥えさせて自分が手柄を上げたことを主張したのですが、その咥えさせる為の笹を背負って戦に臨んだそうで、それも含めて「笹の才蔵」と呼ばれた槍の名手です。
主君を多く渡り歩いた戦人で、最後は福島正則に仕えます。
才蔵は愛宕権現を厚く信仰していたそうです。
「愛宕権現の縁日に死ぬだろう」と自分の死の予言をしたそうで、その日に潔斎(酒や肉を絶ち、穢れる行為を慎み、沐浴 《もくよく》して心身を清めること)して、甲冑を着けて床机に腰掛けたまま亡くなった言う逸話が残る人物です。
多くの槍の名手を生んだ流派を創設したのが宝蔵院胤栄ですが、中国では国で最高の槍の名手を
神槍と言えば、
しかし、胤栄は晩年には僧侶が武事を扱うことは宜しくないと、寺の跡取りの
そして、全ての武具を高弟である中村尚政に与えたと言われていますが、どういう心境の変化だったのか・・・計り知れませんね~
しかし、
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